積極的に活用したい「メモ取り学習」 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
学習効果が上がるメモ

■学力を向上させるメカニズム

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 子どもたちに素敵な学習空間を提供しようと、明日、その為の指導者研修会が行われます。6時間に及ぶ研修になります。多分、私の体力・気力・集中力の限界が6時間だと思うので、資料作成も佳境に入りました。

 

 子どもたちに「素敵な学習空間を!」を目指し、これまでの学習の在り方を検証し直し、指導してきた学習内容も、改めて精査し、学習のメカニズムも追求した指導にまとめました。学習は楽しくなければならない。だから、学習に積極性も持続性も生まれる。そう考えながら明日の研修もその内容が組み立てられています。

 

 多分、研修中は先生方も、必至でメモを取られると思います。この「メモ取り」改めて検証すると、学ぶ子どもたちや、社会で働く大人たちにも、とても役に立つばかりでなく、様々な効果を生む内容が詰まっていることが分かっています。

 

 以前、講義をしているとき、まったくメモを取らない学生がいました。最近ではあたり前のような光景ですが、スマホで写メを撮る、「取る」から「撮る」に変化した瞬間でした。もったいない話です。集中力、記憶力は人が思うほどではなく、その半分は、数時間後に記憶から消し去られていく運命なのです。

 

 メモには、4つの効果があり、記憶力の強化、集中力の向上、情報の整理、創造的思考の促進などの効果が認められており、さらに、メモを取ることで、情報が視覚的および運動的に処理されます。これにより、情報のエンコーディング(符号化)が強化され、長期記憶に保存されやすくなるとされています。(エンコーディングとは、情報が記憶に保存されるための最初のステップです。情報が私たちの脳に入ると、さまざまな形式に変換され、それが記憶として保存されます。)

 

 更に、脳科学的に説明すると、メモを取る際には、言語情報と視覚情報の両方が処理されます。これは、情報の理解と記憶を向上させる「二重コード理論」に基づいています。二重コード理論の主なポイントは、情報を両方のコード(言語と非言語)で記憶することで、記憶の強度と持続性が高まるということです。例えば、単語を覚える際に、その単語の意味を絵やイメージとしても記憶することで、後で思い出しやすくなります。

 

既に行われている「書写学習」「聴写学習」も、文字情報のエンコーディング(符号化)と二重コード理論に基づく学習と言えます。 この「メモ取り」も幼児期から指導が可能です。段階を追った学習指導で、その先の学習にも活かされていきます。これは、学校や塾などの学習場面で十分活用できます。

 

 学校の授業も、 教科書を読むだけでなく、重要なポイントをノートにまとめたり、関連する図を描いたりすることで、情報がエンコーディングされやすくなります。既に、3歳から中学生までの「メモ取り」を意識した学習のステップも作られ、授業時間の有効活用ができそうです。これからも、このブログで幼児期からの「メモ取り」学習のステップをお伝えしていきます。