二つに分かれる「知ってる!」という感情! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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聴ける脳:聴けない脳

■情報の流れを左右する感情

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 来月、国立私立の小学校受験をされるお子様をお持ちの保護者に向けた講演会を依頼されています。小学校受験は、コロナ禍で

控えられていた親面接が復活し、親子で臨む受験が秋口から始まります。

 

 受験指導をされている先生方の中から、「この方に聴いて貰いたいけどなかなか参加してくれなくて!」と嘆く先生も多く、大切な情報であっても「知ってるから!」との一言で拒否される方は多いようです。

 

 情報は常に変化するものです。特に受験情報などは、親がしっかり確認しておくことも多く注意が必要です。受験指導も、年々変化してきており、情報化社会、デジタル社会などの社会変化に加え、思考力重視の教育改革、重要度が高まる非認知能力への指導は、教育機関と家庭との連携で行われるもので、家庭力の違いが大きく影響します。

 

 「知ってる!」という感情は、知っているからこそ、更に興味を持って聴こうとする前向きな方と、「そんなこと知ってることだから!」と、新たな情報を受け入れない方に分かれます。これは、幼少期から見られる傾向で、昔からよく言われている「浅知恵は大いなる危険の種」とか「知恵なき者は、智慧を深めることを知らない」そして、「浅知恵で行動することは、知恵の欠如を証明することである」など、「知っているから!」という言動から導かれる周囲からの判断は意外にシビアなものがあります。

 

 幼少期の子どもたちを指導していると「知ってる!知ってる!」と授業に積極的に参加してくる子に対して、授業を妨げる子がいます。そこで、質問をしてみると、言葉としては知っている者の、その意味などの理解などない場合が多く、浅知恵以下の場合も珍しくはありません。

 

 幼児期からの学習では「知ることの意味」「知ってからの学習」「知識を活かす学習」など、段階を追って指導することが望ましく、フラッシュカードなどでも、名詞形が多く、普通名詞・固有名詞などが主流ですが、そこに形容詞や動詞などを扱う教室は、単なる知識の習得だけでなく、思考や作文など、知識を使った知的学習へと導いています。

 

 幼少期から、「知ってる!」という感情を更に探求心へと結びつける指導こそ、現行の指導要領に盛り込まれている「探求学習」の基礎理解になります。幼児期は「好奇心」が「知的好奇心」へと成長し、更に小学生に上がってからは「探求心」へと、知性を司る心の発達が望まれます。まずは、大人が、親が、その手本となる行動を取らなければ!子どもは模倣の天才なのですから!!