称賛されない努力やスキル | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

「衣食住育学」石川幸夫のブログ

教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
数値化できない評価

■学ぶべき姿勢が!

 今日もご訪問頂き有難うございます。

 

 「丁寧」という言葉があります。この言葉、様々な場面で感じ取ることが出来ます。丁寧な文字、丁寧な言葉、丁寧な仕事、丁寧な処理、丁寧な対応、偉い政治家の方がよく使う丁寧な説明とは大きく違う、心のこもった人の行動です。

 

 宮大工の棟梁を曽祖父に持つ私は、曽祖父が手掛けた神社仏閣を訪ねるのが好きです。見えない所まで、丁寧な仕事をする、それが宮大工の心意気、信条です。

 

 優秀な生徒の特長として3つあるのですが、その一つがこの「丁寧さ」です。人の潜在意識は、見える行動、形に表れると言います。ところが、効率化やスピード重視の社会では、人の心を支える、言わば、心を刺す「志」(こころざし)を認めないということがあります。それでも、心の中心を貫く軸を変えない人も多くいます。(あとの二つは、物事に興味関心を示す・最後までやり抜く、です。)

 

 丁寧な仕事は手間がかかります。料理の世界でも、たかがもやし、されどもやしで、そのもやしのひげ根の部分を丁寧に取り除き処理される料理人がいます。五感に優れている人なら、直ぐにその下処理の違いに気づかれるはずです。こうした手間のかかる下処理をしっかり行うところが一流の証なのだと思います。

 

 丁寧に文字を書く子は、集団授業の中では「速く書くように!」と急かされます。学習には料理同様に、丁寧さが求められます。丁寧さでは、筆順を丁寧に指導する先生がいます。それは、国語の指導に留まらず、数字の書き方も手を抜きません。数字の1と7そして6と0、そして9など何気なく見過ごしてしまう数字でも丁寧に書くことを徹底します。中学生くらいになると、数字やアルファベットにくせ字が目立つようになります。

「a」を書いたのか「d」を書いたのかわからない子など。

 

 ミスの少ない子の殆どが、文字を丁寧に書いています。それは、読む場面、聴く場面でも変わりません。聴くにも丁寧さが重要で、最近、他人話を聴いていない、聞き取れていない大人が目立ちますが、こうしてみていくと、世の中では称賛されない努力や、スキルに気付かない人の方が多いのかもしれません。そんな中、一文字一文字丁寧に書く幼い子を見ていると、心がほっとします。その姿のなんと凛々しいことか。お母さん、お父さんの我が子に対する接し方が見えてきます。