その場しのぎの学習
■予習・復習が重要だという意味
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「学習内容を教えても、学習方法を教えていない。」教育の現場ではよくあることです。指示や命令は得意でも「指導」というのは難しく、相手の理解が得られればその指導は評価されますが、意外に知らぬ間に強制、強要を行っています。これは、教育の現場だけでなく、家庭でも、場合によっては社会でもよく見かけます。人は「わかった?」と指導の後に聞き返すことがあります。これを数回繰り返すと「わかった?」が「わかった!」に変わる瞬間があります。すると、3回から4回この言葉を聴くと、まるで同調圧力の様に「はい!」と返事をしてしまいます。本当は「はい?」なのに。
学習において、事前情報はとても重要で、授業に出てくる言葉や記号などを事前に理解していくだけで、授業中の集中力が増します。具体的に言うと「説明を明確に聞き取る」「次の説明の内容を予測できる」「出てくる図や文章、式などが想像できる」など、事前情報は、授業を前向きに取り組むことが出来る要素が詰まっています。
これは、幼児でも、優れた先生や、指導内容が充実している教室では「先行体験」という形で事前の学習情報を上手に伝えています。予習は、日常、様々な場面で行われており、よく使われる言葉にシミュレーションがあります。例えばパイロットの様に、お客を乗せテストするわけにはいきません。そこでシミュレーターという機械を使い事前の予習を行うのです。
では、復習はどうでしょう。復習は、記憶の想起を促し、その日の学習や、以前行った学習内容を思い出す学習行為です。もう気付かれた方も多いと思います。学習における予習復習は、間に授業という本番を挟み、記憶の「記銘:保持:想起」を効果的に行う学習方法なのです。こうして、学び得た学習内容を整理し記憶に留めることが出来るのです。
学習で先に進むことはよく家庭や塾でも行われます。ただ、重要なのがその内容を復習するという学習です。その逆もあります。予習せずに授業に臨む場合です。こうしてどちらかが欠けた学習をしている子どもをよく見かけます。
学習日記をつけている塾や、ご家庭があります。学習日記とは、今日、何を学んだのか、何を新たに知ったのか、分からなかった部分はないかなど、学習に関する内容を記す日記の事です。実際、今日、何を学んだのか理解せずにその場を過ごす子どもたちのなんと多いことか。予習・復習を通じ、学ぶことの意識を高める指導、大切なことなのですが、言葉だけに終わっています。
人の記憶はとても不確かで、エピングハウスの忘却曲線を見ると、記憶の曖昧さについて納得されるでしょう。先の学習日記は、その記憶を遡り思い出すことで、睡眠時、その記憶が整理され新たな記憶として定着します。家庭でも十分すぎるほど重要な学習の一環です。
せっかくの学習を無駄にしないためにも、それ以上に、効果的に学習を進めるためにも、予習復習をされて下さい。