算数は計算だけじゃない! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
図形や単位換算も!

■偏った算数指導が子どもたちを苦しめる。

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 最近、テレビ局からの取材が増えてきました。コロナ禍で取材が激減したのですが、ようやく取材も日常に戻ったようです。ただ取材方法は、コロナ禍で普及したオンライン取材が主流になりました。その分、テレビ局に行く手間が省け、楽になりました。今回の取材は、ローマ字でした。ローマ字にはご存じ「ヘボン式」と「日本式」そして、二つを合わせた「訓令式」があります。時代的には「ヘボン式」になりつつありますね。

 

 昨日は、平仮名練習で、書き順についてお話をしました。書き順は、初期の指導が大切で、間違った筆順の癖がついてしまうと字形も変化したり、正確な文字が書けなくなります。どうせ、大人になると崩し字になるのだからという人がいますが、やはり、何事も基本が大切だと思います。

 

 平仮名だけでなく、学習の癖は算数にもあります。大人や、保護者の大半が、算数イコール、計算という認識が強く、図形や、単位換算などになると、計算は教えることが出来るけど、図形や単位換算などは難しいと、塾などに任せるのが一般的です。更に、難しい文章問題になると、親はお手上げで、どこか逃げ腰の方が多いようです。

 

 ご存じの通り、デジタル化の波は教育界にも押し寄せ、だいぶ前から、電卓の使い方も小学校で教えることもあり、計算に偏っていた家庭学習も、最近では大きく変化してきました。電卓の使い方を知らない方が多い言うと、首をかしげる方もいます。それは、「+・-・×・÷・=」の記号のみ使われるからで、M+・M-・MRC・GTなどのキーをあまり使わないからだと思います。でも、この電卓の使い方も、プログラミングの基礎の一つに入ります。

 

 図形になると途端に学力が下がる傾向を示す子は多く、これを引きずってしまい、中学で出てくる図形の証明問題で手こずってしまいます。また、単位換算では、様々な単位が出てきます。簡単だと、あまり意識しない位取りの学習ですが、この位取りの学習が単位換算に大きな役割を示しています。

 

 私は、計算も含め、位取りも「算数タイル」を使用し、指導するのですが、ここで算数タイルを使用し、しっかり、「10ずつまとまって」次の位へ行くことを指導します。つまり、「10進法」の考え方です。面積の単位で「a」「ha」が出てきます。この単位が出てくるとき、位取りと10進法の考え方が出てきます。

 

 1m×1m=1㎡

 10m×10m=100㎡=1a

 100m×100m=10000㎡=1ha

 1000m×1000m=1000000㎡=1k㎡

 

 こうして並べてみると、10倍ずつ増えていることがお分かりいただけると思います。そして、「a」「ha」の必要性が解ります。それは、余りにも「0」が多くなるからです。位取りはとても大切な数の概念の一つです。位取りと10進法の理解が、その先で小数の考え方、表し方へと繋がっていきます。

 

 図形も、実際に三角定規、コンパス、分度器などを使い図形を描くことが大切なのですが、子どもたちの手先指先の不器用さが目立ち、年々指導に苦労しています。それでも、しっかり指先訓練の一環でコマを作り、親指と人差し指を使い何度も回してもらいました。こうした、実体験も算数指導の重要な部分です。

 

 こうして、幾つもの図形を描いてもらい、三角形などは、切り抜いて、それぞれの三角形の内角をつなげてもらいました。すると、大きさも、形も違う三角形なのに、全ての三角形が皆一直線に並んだのです。子どもたちは一様に「おぉー!」と歓声を上げました。円周率も、直径と円周をはかり、「電卓」でその違いを計算してもらいました。円周率の3.14に近い数値がでました。

 

 デジタル化が進み、疑似体験がもっと増えてくる時代、こうした、アナログの学習が子どもたちに皮膚感覚の算数学習になります。算数学習というと、計算が出来なければ算数の成績は上がらないと思いがちですが、算数は思考力、それも論理的思考を高めることが学習の目標です。少し見方を変えると、算数は面白い学習に変わるかもしれませんよ!