「子どもの学習」教えることの難しさ | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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解ったつもり

■教材も見栄えでごまかされないで!

 

 今日もご訪問頂きありがとうございました。

 

 来月の小学校入学を迎え、駆け足で平仮名の読み書きや、計算練習などをさせているご家庭も多いのではないでしょうか。二極化の波は小学1年生から見られ、よく言われる、学習のスタートダッシュを決めることが大切とばかりに、お子さんと向き合う保護者も多いようです。

 

 市販されている幼児教材を見ると、彩(いろどり)も奇麗で、可愛いイラストが並び、一見幼児向けのように見えます。幼児イコール可愛い、色鮮やかな方が良いとばかりに、五十音表でも平仮名以外に片仮名、イラスト、単語などが書かれており、情報満載です。

 

 学習指導の鉄則は指導のシンプルさで、指導の目的以外にあれやこれやと情報を多くすることで、指導を受ける子どもが内容を受け取り難くさせてしまうので要注意です。教える側が欲張ると、幼い子どもの脳では、理解の許容範囲を超えてしまうので要注意です。

 

 文字指導でも、筆順を色分けし、赤は一筆目、青は二筆目、黄色が三筆目などとさ指示している教材をよく目にします。この指導では、筆順を覚える前に、色と順番を覚える必要があり、本来の筆順学習から離れた指導になってしまいます。ただ、弱視で、色の認識ができないことを発見できる場合もあるのですが、筆陣指導とは例外の出来事です。

 

 アルファベットと違い、平仮名の筆順の原則は、漢字の筆順の原則と同じです。左右に分かれている文字は、左から書きます。基本として、線は左から右、上から下に書きます。上下に分かれている文字は上から書きます。交わる文字は、横棒から書きます。「あ」は交わる部分があるので横棒から、「い」は左右に分かれている文字なので、左から書きます。「う」は上下に分かれているので上から書きます。この原則は漢字も同様なのです。

 

 数指導も同様です。市販されている教材についてお話をしましたが、大人から見ればあまりにも簡単な内容だけに、つい大人目線でイラストなどが可愛い物、色鮮やかなものが子ども受けするものを作りがちです。それらも大事なことなのですが、もっと大切なのは、子どもにとって身になる者かどうかです。残念ながら、そうした教材を見ると、可愛くない、内容が簡単すぎるという印象を持ってしまうようです。ここでは、間違いなく大人としての知性が求められてしまいます。

 

 以前、「難問神話」でお話をしましたが、「難しい問題は良問」という神話が未だ健在です。現代では、その感覚が幼児の教材にも向けられてきました。優れた教材ほどその内容はシンプルで、何を学ぶのか、学んだのかが一目でわかります。その為、あまりにも欲張りすぎる教材や、焦点がぼけてしまっている教材では、内容の定着が思うほどでなく、「なぜできないの?、この間やったでしょう。」と、子どもを攻めてしまう場合もあるほどです。例えば、平仮名の筆順ですが、平仮名はもうお分かりの通り、画数も少ないので、一筆目が大切です。あとは「交わる字は横棒からね!」と言葉を添えて練習します。