読解力とコミュニケーション能力 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
ハラハラ時代

■人の気持ちを理解できない

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 TBS系のテレビ局で放映されている「不適切にもほどがある」というドラマが話題を集めているそうです。昭和から令和の時代にタイムスリップしてしまった先生が、過剰とも思えるハラスメント否定時代に背を向け、自分自身に正直に生きていく内容をコミカルに表現しています。まさに現代は「ハラハラ時代」、どこか住みにくい時代になっています。

 

 併せて、昨夜の情報7daysニュースキャスターで取り上げた。言葉の表記。「。」文章表現では一般的な句点が、Lineでは、上から目線とか、きつい表現として感じられると、若い世代からの意見を紹介していました。文末表現は、それまでの文の中身を左右する重要な部分で、直接会話が減少してきたころから、その思いを文ではなく、絵文字などで表現するようになりました。それだけ、文章から得られる感情の理解が得られなくなってきているようです。

 

 Lineやメールなどは、どこかで「連絡」的要素が強く、ここに、人と人とのコミュニケーション全般を釣ることが難しく、直接会話が必要になります。短い文面で人の感情をすべて表現するのは難しく、顔の表情、声の状態など、視覚・聴覚からの情報も得てコミュニケーションは成立します。Lineやメールで互いに理解し合うのは困難です。読書離れが進む中、文章から様々な情報を得られられなくなってきていることに危機感を感じてしまいます。

 

 以前から読解力の低下が危惧されていますが、言葉を失いつつある現代社会に向け、必死に「読書」や「話す」ことに積極的発信や活動をされている方々がいます。読書や会話には、その基となる語彙数が必要になります。言葉は、会話や説明、文章表現で活かされ、語彙の獲得は思考力、集中力、そして、記憶力を高めていきます。こうした言葉による活動が減少していくことで、とうとう、「。」句点にまで感覚的意味をつけようとしています。言葉は時代によって変化しますが、その変化が退化に繋がって行ってはいけません。

 

 「宜しくお願いします。」が「よろしくおねがいします!」でなければ優しくない、こうして脳力の低下は始まるのでしょうか。マスコミの取り上げる一つの社会現象ですが、どれもが身に感じていることなのでただの時代の変化とは捉えられません。

 

 「自分の思いを伝えようとしても、なんだか誤解を与えてしまいそうで、人と話すことが怖い!」と悩む人がいます。それだけ、読解力を持った人が減少しているのでしょうか。自分の思いが相手に伝わらないことは辛いものがあります。

 

 今まで、数えきれないほど読解力について語ってきましたが、読解力を形成する力の中に「人の心を読む・理解する」があります。人の心を理解するには、直接相手に聞くこともありますが、その多くは、様々な小説や物語文などを読むことで学んできました。そこには、人はこんなことを思っているのか、人は、この一言で相手を許すのか、こうして、自分が体験できないことを本を通し学んでいきました。

 

 やはり、子供たちには、多くの本を読んでもらえるよう、読み聞かせや、読書の薦めをこれからも教育活動の中心に据えていこうと感じた週末でした。