学習法の見直し「暗記から理解」 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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暗記ではなく記憶

■疎かにされる表の学習

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 昨夜放映された日本テレビ系列の「最高の教師 私は生徒に■された」を、毎回楽しみにしていました。「変わる」と「変える」では、漢字は同じでも送り仮名でその意味は大きく違いますね。それぞれの目線から、「いじめ」という構図の中にある、生徒たちの様々な未成熟の意識が、九条という先生によって変化していく様が描かれていました。勿論、ドラマであることは百も承知ですが、見る側も、親目線だったり、生徒目線だったり、教師目線だったり、時には、「虐められている側」と「虐めている側」、そして、「見て見ぬ振りの側」目線もあり、考えさせられるドラマでした。今の、我が国全体に蔓延る構図全てに当てはまりますね。

 

 子どもが一番始めに目にする表が五十音表です。国語学習でも、言葉の法則がいくつもあります。その学習に、五十音表が使われます。例えば、伸ばす音の長音では、ア段の長音は「あ」をイ段の長音には「い」を付けるという決まりがあります。ただ、エ段は「い」、オ段は「う」を書き表現します。こうして、長音や拗音の、音の構成を指導する際に五十音表を使用します。

 

 また、動詞の語尾は全て「ウ段」の文字で終わるなど、高学年になると動詞の活用の学習でも五十音表が使われます。また、算数では、位取りの学習で「位取り表」を使います。ところが、この五十音表も、位取り表も、子どもたちが学ぶ学習現場では余り使用されていません。タブレットやPCが1人1台使えるようになったのですから、分かり易く表記し動かすことも可能な機器を使い、こうした表の活用をもっとして頂きたいと思います。

 

 子どもたちが理解に苦しむ単位換算、そして、単位換算に出てくる小数の学習も、表を利用することで、単位の構造などが理解出来ます。多くの子が、1Lは10dLと暗記して覚えます。その為、別の表記になると、暗記では応用が利かず、思いつきで答を出します。例えば、「1m2cmは、なんmですか?小数で応えなさい」という問題では、そのまま「1.2m」と答えてしまいます。(正解は1.02m)数字だけの操作、基礎の換算を暗記で学ぶ為の弊害です。特に、下図のように、「0」の扱いでミスをしてしまいます。

 2桁の数から発生する「位」を、しっかり表にする事で、先に繋がる学習になるのですが、今もなお、単純な知識の暗記学習が子どもたちの応用力を妨げています。算数学習では、表やグラフは数学となっても頻繁に出てきます。その為、小学生でその基礎をしっかり学ぶことが求められるのですが、学習の比重の差か、他の学習に目が向き過ぎているのではないでしょうか。

 

 しっかり記憶に留めておくのは、1L=10dLや1m=100cmという暗記ではなく、図にあるように、各単位の関係を理解しそれを表に示すことで、あとは、どんな数字が来ても、単位に揃えて数字を当てはめれば、単位換算はそう難しい学習ではありません。学習法を変える、その本質を理解する、低学年で出てくる表やグラフの理解が、後の学習をスムーズに導いてくれます。