ナンバー41 ラーメン屋春ちゃん(中華組合 結成は・・・) | 堀切光男のエッセイ畑

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ラーメン屋春ちゃん(中華組合 結成は・・・・) ネットマガジンに 二千年九月掲載



中華料理店の店主は良く言えば一匹オオカミ、悪く言えば


協調性 ゼロの輩が 多い。(私がそうなのですが)


日本蕎麦屋さんの団結力は本当に うらやましい。


組合もしっかりしているようだし、定休日も一斉に火曜日と決まっている。


中華組合はと言うと、町内に昔はあったようなのだが、いつの間にか


自然消滅。 これではいかんと、有志が集まって「新中華組合」


なるものを作ろうと、 会合が持たれた。


十数人が集まったのだが最初から議論噴出となった。


定休日を統一しようという案に「月曜日」 「水曜日」「木曜日」


とバラバラ。 「日曜日」 というのもあった。(実は私なのだが)。


なかなか決まらないので次の議題に移った。


つづく


親父の一人がチャーハンの値段を統一しようと言いだした。


チャーハンはどこの店でも人気メニューの一つだが、値段は 各店


安めに設定されている。 その親父曰く


「チャーハンは、手間から考えて不当に安く設定されている。


もう少し高く各店が同じ値段にしてくれたら、作る方もこんなに楽な事は無い」


数人の拍手が起こった。


世間ではこういうのも(談合 )と言うのだろうか?


つづく


しかし 反論して一人の店主


「どこの店も毎日、残り飯が沢山出るだろう? うちはこの冷や飯をレンジに


かけてからチャーハン用にしている。 安くしてチャーハンの注文が 多い方が


冷や飯が さばけて いい」


また数人が 拍手。


すると、先程の親父が 勢いよく 立ち上がって、


「だから 中華屋はいつまでも安売りで儲からないんだ。


オレはチャーハンのナベふりで腱鞘炎 になっちまった。


チャーハンはもっと高く すべし」


「それは アンタの腕が悪いからだろう? ナベふりも基本が


しっかりしていれば腱鞘炎にはならないぜ」


「ふだけるなっ。 アンタの店のチャーハンの注文数を、うちと一緒に


しないでくれっ。 オレはアンタの三倍もナベを振っている」


「どうだかねえ」


ここで一気に険悪な雰囲気となって、結局 組合結成はお流れと


なったのでした」


(了 )


( その後 定休日や、価格の事等 なに一つ決まらないまま、


とりあえず、中華組合は出来た。 保健所に、かなりせっつかれたと


あとで 聞いた。


それから十数年後の 平成 十四年、やっぱり解散と言う事になった。


で、現代 私の町の 中華組合は 存在しないままだ)