ナンバー30 クイズ式 S F 笑話 「 奇怪な 男」 | 堀切光男のエッセイ畑

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クイズ 式 S F 笑話 「奇怪な 男」 ネットマガジン 二千一年七月掲載

 

( この 話は クイズ式になっています。 奇怪な男の 正体をあばいて下さい)

 

店内の掛け時計の 長針と短針がピッタリ 十二 の所で 重なって閉店の時刻を告げていた。

 

客足も途絶えて暖簾を仕舞おうと外に出ると、何かがオレの顔をかすめた。

 

眼で追うとそれは大きなコウモリだった。

 

見上げた視線の先には雲の切れ間に 紅い満月が浮かんでいた。

 

遠くから 地を這うように、犬の遠吠えが 聞こえてきた。

 

月の 灯りが創り出した 蒼い影を重そうに 引きずりながら、男が独り 歩いて来るのが見えた。

 

男は片足を引きずりながら、ゆっくりと近づくと、オレの 目の前に立った。

 

月明かりに浮かび上がったその男の異様な姿に、思わずオレは息をのんだ。

 

秋口だと言うのに 男は長いコートをまとい、襟を立てていた。

 

手には白い手袋、夜だというのに黒いサングラス。

 

つば広の帽子を目深にかぶり、顔面はすべて汚れた包帯で覆われていた。

 

男は しゃがれた絞り出すような声で オレに言った。

 

「ラーメンを 食わせてくれ」

 

オレは蛇に睨まれたカエルのように、身動き出来ないでいた。

 

男はゆっくり店内に 入っていくとカウンターに腰を 下ろした。

 

そしてゆっくり振り返ると、促すように不気味なサングラスの奥の眼でオレを見据えた。

 

仕方なくオレは厨房に 入りラーメンを作り始めた。

 

突然、男が 立ち上がり「 ぎゃー」と叫んだ。

 

その声に驚いたオレも飛びのいて、震えながら男を見守った。

 

男は前に出した両手を ブルブルと震わせ、しゃがれ声を上げた。

 

「俺の 大嫌いな ニンニクの匂いがする。 早く外に出してくれっ」

 

オレは 弾かれた様に、オロシ ニンニクをかき集めると裏口から外に出した。

 

( この男は 一体何者なんだ? )

 

つづく

 

( 正体の解った方は コメント欄に書き込んで下さい。

 

この時点で解った人は天才です。絶賛の声を送らせて頂きます」 (了 )

 

ラーメンを 食べ終わると、男の態度が一変した。物凄く・・・・・・・・

 

陽気に なったのだ。

 

「ごっそうさん、 旨かったでえ」 と言葉つきまで変わっている。

 

その豹変 ぶりに 呆れながらもオレは内心 ホッとして尋ねた。

 

「あのう、先程と 随分様子が違うようにみえるのですが?」

 

「あっそう? ワテ 、腹減ってると 機嫌が悪いねん ハハハハ」

 

「そのう、失礼ですが、貴方は何者なんです?」

 

「何者って?」

 

「コートを 着て、 手袋をして・・・・」

 

「だって、寒がりなんやモン」

 

「ニンニクが嫌いで・・・・」

 

「ホントに嫌いなんや モン」

 

「夜なのに サングラスして・・・・・・」

 

「わて、近眼でんねん。 これ、 度付きレンズのサングラス」

 

「そのホータイは?・・・・・」

 

「自転車でころんだんや。 足と 顔にケガ してもうた」

 

「だって、満月が紅くって。 コウモリが飛んで、犬の遠吠えで・・・・・・」

 

「そんなこと、わて知りまへんがな。 けど、ホンマの事言うたら、実は

 

普通の人間とも 違うんやわ。 ヒマやったら 、ま、見いてみ。

 

わての正体のヒントが あるさかいな」

 

と、折りたたんだ白い紙をオレに 手渡した。

 

「ほな、さいならー。とー めー にーんげん、 あらわる 、 あらわるー」

 

と、 ピンクレデイの鼻歌を 歌いながら 男は闇の中に消えて行った。

 

男が( ま、 見いてみ) と残した白い紙を広げてみると、 それは

 

新聞紙の二倍もありそうな 大きな紙だった。

 

しかし そこには何も 書かれていなかった。

 

果たして、男の正体は? 答えは次号の解答編に つづく。

 

( この 時点で解った人はユーモアの解る人です。賞賛の声を送ります。


 

いよいよ奇怪な男の正体 発表。と言う程 大げさな物ではありませんが。

 

「男が残していった紙が白紙 だったので、 フランケン博士(はくし) だろ?」

 

とメールをくれた方もありましたが。(二千 一年七月 当時の話です) おしいっ。

 

「とーめい にんげん,あらわる、あらわる」と歌っていたのは、

 

たんにピンク レデイ が好きだったからなんですねえ。

 

実は、わざわざ関西弁で「ま、見いてみ」と言った言葉にヒントがあったのでした。

 

「まみいてみ」で (マ ミ イ = みいら) 。

 

さらに、見いてみと言った紙が白紙だったので(見いられへん)で

 

( ミイラ )つまりミイラ 男だったのです。

 

しかし、白紙の紙が大きかったので(オオカミ )もプラスされて、答えは何と

 

「オオカミ 人間 ミイラ 男」だったのです。

 

残念ながら正解者は 有りませんでした。 ( あたりまえか?)


 

「ふだけるなっ」と叱られそうですが、タイトルが( S F 笑話」

 

つまり「 S =しょーもない、 F =ふだけた 笑い話」の略になっていましたので

 

悪しからず、ご了承下さい。

 

( 了)