ナンバー29 S F 的 小話「不思議な 体験談」 | 堀切光男のエッセイ畑

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主にエッセイ。

S F 的 小話「不思議な 体験談」 ネット マガジン二千年三月に 掲載

 

「オレはトラックを改造した トラック屋台のラーメン屋なんだけんどよう。

 

ある夜、 四時 位だったかなあ。

 

店じまいをして帰ろうとした時、 道路 わきの 茂みの間から 這い出してきた

 

不思議な 男に出くわしたのよ。

 

その男は 手足が ぶっとくて 、ほとんど四つん這いの様に歩くんだよ。

 

まるで、カメのように見えたな。 その男の言う事を要約すると

 

( 私は 宇宙人です。 私の 星は引力が 強くて、地球の 人類の様に

 

二足歩行には 進化しませんでした。

 

でも、強い引力のお陰で 反重力研究が 進歩して 飛行機は すべて

 

反重力エンジンで飛びます。

 

今では亜高速 で飛べるので、こうして地球にも やって来られるんです)

 

と、こう言うじゃないか。

 

オレは半信半疑 ながらも 、男の話を 聞いていたのさ」


 

つづく

 

「その 宇宙人と名乗る男は

 

( 実は 宇宙船が故障して困っているんです。 そのトラックの部品を

 

少し譲ってもらえませんか?

 

なーに,ライトについているフィラメントだけで良いんです)

 

と、 まあ こう言ったのさ。

 

まあ、 それぐらいなら いいよと 言うと、 その男は

 

フィラメント をはずして オレについて来い と言うんだ。

 

少し離れた所に小型の 宇宙船 があったのよ。

 

男は すぐに宇宙船の故障を 直し、お礼に宇宙旅行をさせてやる

 

と 言ったのよ。

 

オレはちょっと怖かったので断ったんだけど (ホンの 一時間 くらいだから)

 

と 言うので、まあ それくらいなら良いかなって、宇宙船に乗り込んだのさ

 

宇宙空間はそりゃあ すばらしかったよ。

 

( 絵にも 描けない美しさ) ってこんな事を 言うんだろうなって思ったもんよ。

 

宇宙船は太陽系 を一回りして帰って来たんだが、腕時計を見ると

 

ピッタリ一時間が過ぎていたな。

 

元の場所に降ろされて オレはまだ夢を見ているような心地で

 

自分の トラックに近づいて行ったのよ。

 

そしたら オレの トラックには・・・・・・

 

駐車違反の 切符が 七つも取り付けられていたんだよ」

 

( 了 )