ナンバー28 S F的 小話「時空間物体移送機」 | 堀切光男のエッセイ畑

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SF 的 小話「時空間物体移送機」 ネット マガジン 二千年 三月掲載

 

ラーメン屋のK さんが、最近またまた 商売そっちのけで,何やら発明に

 

没頭 しているらしい。 何を 作っているのかと聞くと

 

「オレは 時代劇が大好きなんだが、映画の中で蕎麦は食べていても

 

ラーメンを食べているのを見たことが無い。 これが気に入らない。

 

(赤穂浪士) の中でも杉野 十平次が扮したのが二八蕎麦の屋台引きだ。

 

どうしてラーメン屋台じゃないんだ?」

 

「しょうがないだろ、江戸時代 にラーメンは無かったんだから」

 

「そうだよなあ、でも オレはあきらめなかった。 で、ひらめいたんだ、

 

江戸時代にラーメンを流行らせればいいんだってね」

 

「どうやって?」

 

「時空間物体移送機を作って 江戸時代にラーメンを 送りつけよう」

 

 

( やれやれ、 またヘンな事を考え始めたよこの人 )

 

つづく

 

「で、 赤穂浪士の討ち入りといえば、時の 将軍は犬公方の 綱吉だ。

 

綱吉にラーメンを食べさせようと思う」

 

「綱吉はやめた方が いいんでないかい? ( 生類憐れみの令)を出した位だから

 

動物性 油たっぷりのラーメンは食べないんじゃあ ないかな」

 

「なるほど、確かに。 それじゃあ豊臣秀吉 にしよう。

 

秀吉は舶来物好きだし、その時代辺りからボツボツ流行らせれば

 

丁度 赤穂浪士の討ち入りに間に合う かも知れない」

 

・・・・・という訳でK さんは只今( 時空間物体移送機) の研究に没頭しています。

 

( 赤穂浪士)の蕎麦屋台が ラーメン屋台に変わっていたり、

 

( 鬼平 )がラーメンをすすっているのを見かけたら

 

K さんの研究が 成功したものと思って下さい。

 

(了 )