S F 的 小話 「X 博士の謎」 ネットマガジンに掲載 二千年六月
過疎化 激しい 小さな村に、オレのラーメン屋は ポツンとあった。
隣に 研究所が建ち、X 博士が独りで 越してきた。
無類の麺好きだという X 博士は、1日 一回は必ず顔を 見せた。
一年が過ぎた頃、来店が 一日二回になり、その内 朝と夜も加わって
一日四回に。
そして、とうとう、 十時と 三時にも来るようになり、
一日に 六回 もラーメンを食べに来るようになった。
こうなると さすがにオレも薄気味悪くなったのだが、博士が密かに
研究している事に 思い当たって、そしらぬ顔を 決め込んだ。
そして今、 オレは十人のX 博士がカウンター越しに、全く同じ表情で
ジ トーと見守る中、
十人 分のラーメンを 作っているのである。
( 了 )