童話の中では好き嫌いを克服したことになっている めーちゃん ですが、大人になったエオラさんはまだ好き嫌いがかなり残ってました。たぶん、幼少期からそれほど変わってはいなかったのかと……。本人も「精神年齢は 4 歳」とか冗談でよく言ってましたが、案外その通りだったのかもしれません。

エオラさんはどこどこのピザ屋のマルゲリータが好きだといって、私が遊びに行った時にもよくデリバリーでその店のピザを注文して二人で食べてました。好きだという割にはピザの耳(外周のちょっと硬くて具が載ってない部分)は必ず残していました。ピザの耳もパンの耳も残すのが当たり前といった感じで、悪びれる様子もなくポイっと捨てられます。嫌いとかいう以前に食べ物だという認識すらなかったようです。

もしかしたらダイエットのつもりだったのかもしれませんけどね。だとしてもカロリーの塊のようなチーズたっぷりの具の部分はしっかり食べるのですからおかしなものです。

彼女が残したピザの耳は私が残らず食べていました。

ホワイトガーデンの目の前には大戸屋とかカレー屋とか飲食店がたくさんあって外食することも多かったのですが、エオラさんは定食などを頼んでもご飯(お米)はほとんど箸を付けずに残してしまいます。やっぱりエオラさんが残したご飯は私が食べることになります。

おかげでエオラさんと一緒にいるときは私はいつもおなかいっぱいで、ちょっと体重が増えてしまうのでした。

Aoura」について

エオラさんが書いた童話が残っていたので、その一つを公開します。下記のリンクから PDF 形式の文書をダウンロードできます。
童話の主人公の「めーちゃん」はエオラさん自身がモデルとなっているようです。彼女の体験談を元にしているのかもしれません。最後の一文が悲しいですね。

エオラさんから受け取った原文は Microsoft Word 97 で作成された doc 形式の文書で、作成日時は2003年4月17日、更新日時が2003年5月18日となっていました。今から15年前に作成されたものになります。(その原文がいつ書かれたかは不明ですが。)

執筆には原稿用紙のテンプレートを使用していたようで、原文は1ページが20文字×20文字で厳密に組まれています。推敲は不十分であったようで、字下げや改行位置が少し変なところもありますが、できるだけ原文のままの文章を PDF 形式に変換しました。

昔の Word 文書は今のワープロソフトで開くとレイアウトが崩れたり文字化けしてしまったりして原文を完全に再現できないことが多いんですよね。エオラさんの文書も原文のままに再現することはできませんでしたが、とりあえず文字を抽出して編集しなおしました。

文書の保存形式にはいつも悩まされます。

エオラさんが飼っていた白猫の ぽぅ が餌を食べなくなってしまった時期がありました。

エオラさんは「えさ」と言うと怒るので、「ごはん」と言わなければなりません。

エオラさんはパニックになって毎日死にそうなくらい悩んでいました。元気のないぽぅを見てエオラさんもどんどん元気がなくなっていきました。悩みすぎて疲れ果てていました。

ぽぅも十数年生きた老猫でいつ寿命が来てもおかしくない年齢だったので、エオラさんも覚悟していたかもしれません。

私もエオラさんの家(占いの事務所ですが)へ行き、ぽぅに直接会って様子を見てみました。

どうすればご飯を食べてくれるのかと、二人であれこれと試行錯誤してみました。ごはんの種類を変えたり、潰して水を加えて練ってみたり……。しかし、どうにもうまくいきませんでした。

私はふと、エオラさんに聞きました。

「ぽぅのごはん、食べたことある?」

エオラさんは「ない」と答えました。

普通はキャットフードを食べてみようなどと思う人はいませんよね。人間が食べるようなものではありませんし。

でも、本当に愛情があるのなら食べてみるべきだと思いました。自分が食べたこともないような「ごはん」を無理やり食べさせようとしているのはおかしいと思いました。

そこで、私はぽぅが食べようとしないごはん=キャットフードを食べてみました。

ぽぅの前で、ポリポリと食べました。

そんなに美味いもんじゃなかったけど、食べれないことはありませんでした。

食べたからといってぽぅが食べなくなってしまった原因がわかるわけでもありませんでしたが、やっぱり食べてみることは大事だと思います。

餌ではなく、ご飯なのですから。

その後もぽぅの断食は続いていたようですが、しばらくして「食べれるようになった」と聞きました。

そんなぽぅは飼い主よりほんの少しだけ長生きしたようです。彼女を悲しませないように、頑張って生きたのでしょう。

今朝の夢。

そこは私の部屋だろうか。

彼女がいる。エオラさんが。

表情は長い髪に隠れて良く見えない。

私は部屋の中で寝ている。

夢うつつで、それが夢だと気づいているようにも思える。
いや、夢の中の夢だったのかもしれない。

なぜなら、私はまだ、彼女が死んだことに気づいていなかったからだ。

彼女は私の枕元に来て、紙パックのお酒を持ってきて私と一緒に飲もうとしていた。

私は起きて、「おはよう」と言おうとしたのだろうか。

その時、ふと気づいた。

あれ?

「おはよう」だって?

そんな言葉、もうずっと言ってないような気がするぞ。

そんなはずないじゃないか。

恋人同士の私たちが毎朝「おはよう」とあいさつしないはずがないじゃないか……

すると今度は、いつもどうやって言葉を交わしていたのかも思い出せないことに気づいた。

私と彼女は……遠距離だった。
こんな風にいつもそばにいるはずがない。

LINE なんてまだ使ってなかった。

Skype や Facebook だったっけ?

いや、違う……

携帯のメールだよ。

おそろいの携帯電話を持っていたじゃないか。

二つ折りのガラケー。彼女が選んだゴールド色の……

そういえば、ずっとメール書いてなかったね。

なんでだろう?

メール書かなきゃ……

そうか……

彼女は、もういないんだった。

もう、ずっと前からいないんだった。

夢うつつの彼方から意識が戻ってくる。

現実に引き戻され、やっと彼女が死んだことを思いだした。

もう、メールを書くことはできなかったんだ。

でも、わかったよ。

ブログを書いてほしかったんだよね。

まだ、書いてないことは沢山あるから……

今から書くよ。

sleeping Aoura

彼女の誕生日の頃になると咲く彼岸花。この花を見ると彼女のことを思い出します。

彼岸花

何匹ものアゲハチョウが彼岸花に群がっていました。

警戒心の強いアゲハチョウは人が近づくとすぐに逃げてしまうのに、この時は花に夢中で私が近づいても逃げようとはしませんでした。

アゲハチョウ