再来夢…続乱 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)


ダーリンはまだ【例の女】と切れることなく続いていた。

それは私の、ダーリンの携帯チェックの頻度を増加させ、今までとは違うチェックの仕方をさせることになっていった。

今までの私は、多くても彼が出勤する日の朝起こす前か、帰宅後の入浴中にチェックする程度で、数日やらない日もあった。
それが毎日のようにチェックし、それも、日に何度もするようになってしまっていた。

まるでやらなきゃいけないかのように。

まるで何かにとり憑かれたかのように。

そして更に。

それまではただ、送受信メールと発着信をチェックするだけだったのが、わざわざ暗証番号(何かの時に教えてくれていて、しかもずっと変えてなかった)を入れ、Eメール設定でセンターに飛んで、受信履歴をこっそり消していないか、をチェックした。

これはあるサイトで【浮気の発見方法】みたいなのがあり、そのやり方を必死で覚えたものだった。
チェックした日が新しい履歴として残るので、私がチェックした以外の日時になっていた場合、ダーリンが小細工をしたのもすぐ解る。

そしてメール作成画面にし、文字候補で言葉の履歴もチェックする。
特に念入りに【た行】をチェック。
【チト】と【だーい好きッ】を使っていないかを確認する為だ。

そのチェックを有効にする為に、前日に【チト】などが文字候補の先頭に来ないように操作しておく。
他の文字候補が先頭に来るように、【チト】が候補の中から消えるように。

もちろん、ダーリンと別れる為にその材料を探している訳なんかではなく、チェックした時に何もなければそれで安心する…
携帯チェックはそんな、私にとっては保険のようなもんだった。

それなのに。
そんな私の気持ちを裏切るように、毎日、必ずそれらの言葉は候補の先頭にいた。
まるで私をあざ笑うかのように。

文字の向こうには、私をバカにして勝ち誇ったように笑うあの女の顔が見えた。
それもダーリンに寄り添いながら…。

そんなことが何日も続いたある日、さすがに切れた。

わざわざセンターに飛んで調べる受信履歴は消去した形跡はなかったが、【その訳】を考えている余裕など私にはなかった。

《これは、どぉいうことなのっ!?》

凄い剣幕で彼に詰め寄る。

すると彼の口から、信じられない言葉が飛び出す。

『ずっと彼女にメールなんかしてないっ。お前が携帯チェックしてるかどぉか試す為に、わざと文字候補の細工をしてたんだっ!!』

《はぁっ!?》

どういうことか…。

彼は、実際には彼女にメールをしていないのに、わざと文字候補の最初に【チト】が来るように細工をした、と言うのだ。
私を試す為に。

いや、チョッと待て。
この私が、いつも携帯チェックをしていることは解りきっていた筈。
今までだって、それで女とメールをしているのを発見してきたのだ。

そういうことをすれば、益々私を追い詰めることになるのはチョッと考えれば解る筈。
いったい何を考えているのか。

《今さら何言ってんのっ!!あなた、アタシがいつも携帯チェックしてるの知ってるでしょっ!!》

「いや…」

《知らなかったなんて言わせないからねっ!》

『…だから。…だから試したんだっ!!』

《はぁっ!?言ってる意味が解んないっ!!》

本当に、彼の意図が全く解らなかった。

もちろん、さすがに彼の目の前で堂々と携帯チェックをしたことはない。
しかし実際。
彼女とのメールを発見し、その画面を突きつけ【コレは何っ!?】と迫っているのだ。

何度も。

何度でも。

私が携帯チェックをしているかどうか試しただなんて、まともな答えじゃない。

後に考えるに。
もしかしたら、ダーリンも精神的におかしかったのかもしれない。
義母の病気のことで。

ただとにかくこの時は、そんなことを考える余裕もなく。
大喧嘩をした私は家を飛び出した。
病院に1人で向かう為に。

この日。
お休みだった為、彼と2人で病院に向かう予定だった。

そしてこの頃。
あれほど喋りまくっていた義母は、入院して2週間もするとパタッと喋らなくなっていた。

日に日に元気もなくなっていく。
そんな状態の義母に、私達のことで心配をかける訳にはいかない。

でも…

どうしても一緒に行くことは出来なかった。

【車内】という狭い空間の中で彼と2人きり、数十分も一緒にいるなんて、考えただけで背筋が寒くなった。

私自身、そこまで追い詰められていた。

余裕の欠片もなかった。

それほどダーリンが嫌になっていた。

信じることなんて、出来なくなっていた。

今すぐ別れる…

義母のことを考えると、それも出来なかった。

家を飛び出した私は、万が一追い掛けてくるやもしれぬダーリンに見つからぬよう、回り道をしながら駅へ向かった。
駅周辺でも彼がいないことを確かめ、電車に乗り込む。

以前、たまたま自宅からの電車での行き方を聞いていた。
あれはこの時の為だったか(苦笑;)。
なんとか乗り換えもして、目的地へ向かう。

病室に着くと、ダーリンが待ちかまえていた。
とても普通じゃない顔つきで。

《私は1人で電車で行くからっ。でもバラバラで行ったら明らかにおかしいから、時間をずらして来てよっ!!今日は交代で付き添うッて言えばなんとか誤魔化せるからっ。母ちゃんに心配かけたくないからそうしてよっ。》

家を出る時、私は確かにそう言った筈だった。

((この馬鹿っ!その顔じゃきっと、母ちゃんに変な心配かけないよぉにとか、なんも考えずに来たなっ。ほんッとに馬鹿な奴っ!女にうつつ抜かしてるんなら、それぐらい周りに気を配れやっ。っとに使えねー。))

ココに来るまでの間、どう言ったら怪しまれずに済むか、色々シミュレーションしてきた。

極力、怪しまれないようにする為、必死に考えてきた。

それが、だ。

このバカのせいで全部台無しである。