この日は平日。
つまり、娘は学校のはずだった。
聞けば、2時間目まで授業を受け、早退させられて来たらしい。
娘に【逢わない】と、言わせる為だけに。
そんなやり方をする、元ダンが、元ダン側が許せなかった。
最終的にどうするにしても、私が逆の立場なら、出来るだけ子ども本人には解らないように話しを進める。
少しでも子どもに、精神的負担をかけたくないから。
それが親ではないだろうか。
それを。
わざわざ学校を早退させて、娘本人に言わせるなんて。
娘にあんな仕打ちをした私が言える立場じゃないが…
それでも…
それにしても…
娘が【私が自分で言う】と、言わざるを得ないようにされている様子が目に浮かんだ。
これ以上コチラの意地を通したら、ますます娘を苦しめることになる。
調停員さんは、よほど私を気の毒に思ったのか、それとも、あれだけ【大丈夫】と言った手前、良心が痛んだのか、せめて、と、代案を出してくれた。
卒業式、入学式などの行事の時や、誕生日などに撮った写真を送る、と。
そんな条件、【解りました】と答えておいて、絶対に守らないのは解りきっていた。
たとえ地球が滅亡したって、あの元ダン側が、守る訳がなかった。
でも…。
調停員さんの気持ちが身に染みた。
それで充分だった。
今回。
娘本人が担ぎ出されることになってしまったのは、本当に申し訳なかった。
おまけに、結局は逢うことも叶わず。
でも逆に。
調停を申し込んででも、娘に逢いたい、と思った私の気持ちが伝わっただけでも良かったかな…
そう思ったりした。
ただのエゴかもしれないが。
【もちろん】その後、写真が送られてくることはなかった。
実はこれには後日談がある。
調停の日。
元ダン側は【元ダン】【娘】【再婚嫁】【再婚赤ん坊】だけだと思っていた。
ところが。
元ダンの両親も一緒に来ていたらしいのだ。
ご一家総出とは…ご苦労なことです(苦笑)。
しかも。
元義父が、こっそりコチラの控え室を偵察に来ていたらしい。
(よく偵察されるな、私;)
元ダンにしてみれば、大勢の【味方】を引き連れて意気揚々だったろうが、私には、だだの情けない男にしか映らない。
いや、決して強がりなんかではなく。
それと。
私の予想通り娘は、自分で言う、と、言わざるを得ないように追い込まれていた。
「このままだと、向こうの家にさらわれるんだぞッ!!それでもいいのかッ!?」
と、皆に詰め寄られたらしい。
さすが元ダン一族。
こうして私の【娘に逢えるかも…】という、ささやかな夢は、本当に夢で終わってしまった。
母に、娘本人まで引きずり出されたことを言うと、もう、
「何が何でも会えッ!!」
とは言わなくなった。
さて。
会社の方はどうなったか。
【辞めたい】
そう言った私に、多少は事情が解っていた派遣会社の上司は、もう一度軽く私の意思確認をすると、派遣先に【辞めたいと言っている】と伝えてくれたようだ。
(といっても辞めると言ってから、この時点で1ヶ月ほど経っていたが;)
ところが
「2~3日、待って欲しい。」
そう言われたそうだ。
それも【あの】ブヒ太郎に。
はっ!?
あなた、私を辞めさせたくてウズウズしてたんじゃなかったのか?
訳が解らない。
翌日。
検査のことで品管に行くとブヒ太郎でなく、違う上司のメガさんに呼び止められた。
私が【辞めたい】と言ったのを聞いたらしく
「あそこの検査は、チビロンさんじゃなきゃ駄目だよッ!!」
と言って下さった。
それで。
オセロのことなど、今回のことを話した。
すると
「おしッ。僕が話してあげるからッ。」
と。
しかし結局。
メガさんの話しは通らなかったらしく。
メガさんは、ブヒ太郎よりもずっと年上だったが、ブヒ太郎の方が上の立場だったので。
それでも。
チャンと私のことを正しい目で見てくれてる人がいた…それだけで嬉しかった。
そしてブヒ太郎は、いつまで経っても私の件を返事せず。
そうこうしているうちに、また1ヶ月が過ぎてしまった。
そしてオセロ。
私への不満をぶちまけた中に【雑用など、なんでも1人でやってしまう】というのがあった。
それであの話しがあった翌日、パレットを1階から2階へ移動させなくてはならなかったので、オセロにやって貰おうと思って言うと
「私がやるよりも、チビロンさんが【1人で】やった方が早いと思うよッ!!」
とほざきおった。
他の人に言ってることと、私に言うことが、全く違いますよねっ#
その後もやはり、検査以外の仕事はやりたがらず。
やっても、めちゃめちゃ嫌々やってます、て感じで。
それらを総合すると、オセロにしても、ブヒ太郎にしても、もちろん、その他大勢の連中も、憂さ晴らしをする対象が欲しかったってだけなんじゃないのか!?としか思えず。
いや、オセロの場合。
今だから思うのだが、やはり自分をよく見せたいが為の言動だったのかな、と。
雑用をやれば、どうしたって2階でジッと検査をしているだけの人よりも目立つ。
つまり、皆の目につくような仕事をしてるのと、見えない所で仕事をしているのでは、周りへの心象が違う。
なので【自分はやりたいのに、全部あの人がやってしまうから】とアピールしておけば、私が全部勝手に、彼女の仕事を取り上げてるだけで、【やりたくないわけではないアピール】出来るわけで。
まぁ実際は、やりたくなかったわけだが。
ともかく。
時間が経てば経つほど、嫌悪感は強さを増すばかりだった。
とはいえ、あの居酒屋の時のよにブッチする訳にもゆかず。
(変な所はマジメ;)