永冬生活…伏事 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)

肝心のガン細胞が取りきれぬまま手術を終えた義母。

でもそのまま閉じたからといって、治療の術がなくなった訳じゃない…
私は、そう楽観的に考えていた。

しかし。

『一度開けてガン細胞が外気に触れると、ガン細胞が活発になって進行が早くなるんだよ…。』

沈んだ声で、ダーリンが絞り出すように呟いた。

以前。
親戚の叔母さんが似たような状態で。
その時、そんな話しを聞いたらしいのだ。

ガン細胞を取り除く為に手術をした筈だった。
少しでも治療の効果を高める為、治療の成果を高める為に。

それが…。

確かに治療法がなくなった訳ではないが、やはり、現実は厳しかった。

翌日。
実家に電話をかけると、母が心配してくれていた。
手術の様子などを報告。

「なんとか回復してくれたら良いね…。」

と言ってくれた。

ところが。
その後、電話に出たkusoおやじ。

「どぉせ駄目なんだから、手術したって仕方ないだろ…。」

と、おほざきになりやがりなさった。

ほんとにムカつくっ。

お前が死んでくれっ。

最低最悪な奴だっ。

自分が性的悪戯された時のことよりもむかついた。
しかしこれが私の父なんだ。
どんなに落ちぶれてもこんな人間にだけはなりたくない。

暫くして退院した義母。
しかしその後も、ガンとの闘いはまだ続くのだった。
退院後の検査で、進行の早いものだとわかったのだ。

そういえば以前、こんな話をしていた。

義母が自分の体の異変に気付いたのは、前の年の春頃だった。
検査入院した年の、だ。
数年前に私に話してくれたシコリとは、明らかに違うシコリが出来ていた。

しかし【自分なんてどうなっても良い】と、病院へ行かなかった。

それから数ヶ月後。
義母の体は、ただの【異変】では済まない状態になっていた。
胸から染み出す体液を抑える為云々の、あの、話しだ。

胸から染み出していた【汁】…

あれはガン細胞が大きくなり、胸の表皮を喰い破って出てきたから、出ていたものだった。
表皮の細胞が壊れた為に染み出していたのだ。

転んだ時など、皮膚が傷つくとチョッと黄色がかった透明の体液が出る…
あれと似た原理だと思うが、その質は全く違う訳で。

ガン細胞は、何にも阻まれることもなく成長し、今度は出血まで。

医者でもなく、もちろんガンに関する知識もなくとも、転んだ訳でもないのに染み出す体液・血液を見れば、自分の体に、なんらかの大変なことが起きているのは解る訳で。

どうなっても良い…
なんて強がってはいても、その得体の知れぬことに対する恐怖たるや…。

誰にも、経験者以外の誰の想像をもはるかに超えたものだったろうに。

だから独りで抱えきれずに、とはいえ、はっきりと口に出すことも出来ず。
義姉が気付いてくれるように、サインを送っていたのだろう。

最初に、なんとなく本人が自覚したのが春頃。
出血したのが秋頃。
わずか数ヶ月で、ガン細胞は大きく、非常に大きくなっていた。

このことからも、進行の早いガンであるのは想像に難くない。

しかし、それがわかったからといって、どうなるもんでもなく。
治ることを願って、治療を進めてゆくしかなかった。

そして。
闘いはそれだけじゃなかった。

義母の、ガンとの闘いが続く中、私の、あの女との闘いも続いていた。

そう、ダーリンの【メル友】だ。

ダーリンは、お弁当やら会社の書類やらを、大きなスポーツバッグに入れて毎日持ち歩いていた。
何度も同じことを繰り返される中で、私は、携帯チェックのみならず、カバンチェックもするようになっていた。

一度そういう物を発見して以来、不安で、やらずにいられなくなってしまったのだ。

初めて【物証】を発見したのは、一番最初に繰り返された時だった。
妙な胸騒ぎを感じ、携帯とカバンの両方をチェック。

すると。
【やっぱりダーちゃんと一緒だといいな♪】などという携帯メール。
更にカバンの中からは、ラブホのスタンプラリーのカードなどが出て来たのだ。

スタンプラリー。
そこにはすでに、いくつかのスタンプが押してあった。

この頃。
ダーリンの仕事は、やや変則的なことがあったので、私は彼の仕事の時間を正確に把握するのが困難だった。

日付入りのそのスタンプをチェックしてみると、幾日かは、急に仕事が入った、だとか、会社の連中と話しをする、だとか言った日が含まれていた。
それ以外の時は、仕事と仕事の間に行ったのか。

私は怒りに震えながらも、なんとか自分を抑え、本人には何も告げずに、自分の気持ちを書いた手紙をカバンへ忍ばせた。

一度ならず、二度までも嘘をつかれ、同じことを繰り返されたこと。
それは、どんなに謝られても許せることではなかった。

彼は、前回同様、謝った。

ただ。
スタンプラリーは違う、と。
それは仕事仲間の物で【預かっているだけ】だ、と。

おぃおぃ;

この期に及んで、そんな言い訳ですか。

何処の世界に、自分の【ラブホのスタンプラリーカード】を、同僚に預ける人間がいるのか。

【ダーちゃんと一緒だと…】
あの女だって、ハッキリとそう書いてあったじゃないか。
あれは、そういう意味だろ。
ただ茶店で話しをしたりするだけに、そんな表現はしなかろう。

結局。
その件に関しては最後まで認めず。

私も私で、前回同様、根負けしてしまった。
(惚れた弱味か;)

ところが。

それから1週間もしないうちに、また…。