永冬生活…発病 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)

あとから思えば、前兆みたいなものがあった。

あれは、ダーリンと付き合い始めて1~2年経った頃。

いつものよに、食後に義母と話していると

「わたし、ここにシコリがあるんだわね。」

と言い出した。

しかしこの時は

「でもねぇ。これもう、若い頃からずっとあるから大丈夫だと思うけど。」

そう言った義母に

《病院行って、調べた方が良いんじゃないの?まぁ…何年もあるなら、大丈夫なのかなぁ?どぉしても不安だったり、おかしいなと思ったら、すぐ病院行かなきゃ駄目だよ。》

そんな弱い言葉しか、掛けてあげられなかった。

あれから数年。

あの時…

あの時もし、もっと私が強く言っていたら、ここまで酷くはならなかったのではないか…

そんな風に自分を責めてみたりした。

今更…どうしようもないのに。

乳ガンだ、とわかったのに、何故だかすぐに手術という訳でなく。
検査やら何やらで、時間はあっという間に過ぎてゆく。

結局。
今後の治療方針が決まったのは、最初に検査入院してから3ヶ月以上経ってからだった。

この3ヶ月もの間に、ガンがどんどん進行していくことはないのか。
ふ、と、不安になり、それを誰かに聞いて【大丈夫だよ】と言ってもらって安心したい衝動にかられる。

しかし。
皆が不安な精神状態の中で、そんなこと言える筈もなかった。
それぞれに皆、不安に思いながらも【大丈夫だよ】と、自分で自分に言い聞かせていたのだから。

そして。
この間にある事実がわかった。

義母はちゃんと自分が【ヤバい】ことを解っていたようなのだ。

「胸のとこから汁が染み出すから、薬局行って油紙買ってきてねぇ。服の外まで染み出しちゃうから。でもそれでも駄目で。血も出てきたし…。」

なんて話しを、私はよく解らずに聞いていた。

「私なんか、どぉなってもいいやッて思ってね…。病院に行くのが怖かったのもあるけど、なんか、どぉでも良くなってね。」

解らないながらも、泣かないように話しを聞くのが精一杯だった。

《母ちゃんっ!!そんなこと言うもんじゃないよっ!!母ちゃんがどぉなってもいいなんて考えてる人、誰もいる訳ないじゃないっ。第一。結局、後で取り返しのつかないことになって苦しむのは、母ちゃん自身でしょっ。だからもぉそんなこと考えちゃ駄目だよっ。今度から、おかしいと思ったら、早めに病院行かなきゃっ。》

やっとの思いで、そう言う。

チョッといたずらをした子に【めっ】と、軽く叱るように。

【今度から…】もクソもない。
今、最悪の状態の義母に。

その後。
抗ガン剤を投与したり、治療はしていたが、思うように効果はあがらず。
少しでも成果をあげる為の手術が決まったのは、約2ヶ月後のことだった。

義母は、自分がガンだということを解っていた。
ただ、手術をすれば100%治ると信じていた。
本当に。

それが…
それが本当だったら、どんなにかよかっただろう。

しかし。
この手術で、更に深刻な事態が判明する。

手術当日。
私は仕事を休んで、ダーリンと病院へ行った。
病院へは、義父、義姉夫婦、と、私達、の、5人が集まった。

手術室へ、車椅子で向かった義母。
見送る側も、見送られる側も、笑顔がひきつっていた。

どれほど時間が過ぎただろうか。
私達の待っていた控え室に、担当医がやってきた。
手術結果の報告に来たのだが、その結果は、どれだけ楽観視しても、とても希望の持てるものではなかった。

開けてみたら、ガン細胞は思いのほか手強かった。
リンパやら、血管やら、重要な部位に絡み付くようにはびこっていたのだ。
それも、今回手術した、一番の目的であった一番大きな細胞が。

結局。
当たり障りのない部分だけを取り除き、そのまま閉じるしかなかった。
肝心な部分をそのままにして…。

結果的に、義母の手術は上手くいかなかった。
先生の話しを聞いた義姉は、錯乱状態に陥った。
激しく取り乱し、泣き叫ぶ。
泣きながら話しをし、その自分の声で更にパニック状態に。

『お姉っ!!落ち着けっ!!』

ダーリンが強い口調で諫め、部屋の外に連れ出した。
何を話したのか、暫くして戻ってきた義姉は、落ち着きを取り戻していた。

ダーリンと義姉が席を外している間、私が義兄に

《何か言っても余計なことって思われるし、言わなきゃ冷たいって言われるし…(血縁関係じゃないから)難しいですよね。》

と言うと

「そうッ!!(私と義兄は)ちょうど同じ立場だよねッ!!」

義兄は、すごくホッとした顔でそう言った。
半分泣きそうな、迷子の子どもが親を見つけた時のような顔で。

同じ立場、というのは、義兄も私も配偶者の立場ということ。
(私はまだ内縁関係だったが)

義姉夫婦は、うまくいっていなかった。
以前も述べたが、成り行きで結婚してしまった感がある2人。

特に義姉は、ごく最近も昔の彼と会っていた。
自分に借金を背負わせた、昔の男、に。

元彼は内蔵をやられ、入院していた。
その彼の病院へ行く口実を作る為、義姉は実家にお泊まり。
もちろん、義母は全て承知で協力者になっていた。
(この人は最初から義兄が嫌いだった)

義兄は義兄で、自分の好きなこと(趣味)ばかりして、家族を大事にしている感じは見受けられなかった。

そんな2人がうまくいく筈もなく。
この頃には、そのギスギスした夫婦関係に子ども達も巻き込まれ、最悪の雰囲気だった。

それでも。
義兄なりに義姉が心配だったのだ。

義兄も1年くらい前、病気で母親を亡くしていた。
だから義姉の気持ちが、それなりに解っていたのだろう。

逆にそんな気持ちを、義姉は解ろうともしていなかった。
自分のことしか見えていなかった。
見ていなかった。
見る気も更々なかった。

この日。
たまたま義姉と2人で食事に行った私は、その、義兄の複雑な心境を話してみた。

すると、それは義姉とっては、とても意外なことだったらしく。

「あ。そぉか…。」

この2人。
【通訳】がいないと、まともな会話も出来なくなっていた。