肌にはレチノイン酸、ピュアレチノールではなくパルミチン酸レチノールを塗りましょう。 | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

青山ヒフ科クリニックでは開業以来酢酸酸レチノールを使用してきたましたが

最近安定性が高く室温で使用可能なパルミチン酸レチノールに変更しました。

ドクターケイで今年発売したABCGリペアセラムにもパルミチン酸レチノールを配合しています。

ビタミンAは皮膚ではパルミチン酸レチノールの形で表皮内に存在しています。

皮膚のレチノールの90%以上がパルミチン酸レチノールの形で存在しています。

 

パルミチン酸レチノールはレチニルパルミチン酸エステラーゼ酵素の作用でレチノールに変換します。

レチノールはレチナールを経てレチノイン酸になります。

レチナールからレチノールに戻ることは出来ますが、レチノイン酸からレチナールに戻ることは出来ません。

パルミチン酸レチノール-レチノール-レチナール-レチノイン酸と進むにつれて効果が増強しますが、

外用した際の刺激性が増加することは周知の事実です。

 

レチノイン酸はレチノールの100倍以上の効果を発揮するけれども刺激性が強い

 

ということになっています。

 

A comparative study of the effects of retinol and retinoic acid on histological, molecular, and clinical properties of human skin . 2015

 

今回僕が注目した論文は上の論文です。これは0.1%レチノールと0.1%レチノイン酸を6人のヒトに外用して

表皮の厚さ、角層の厚さ、コラーゲンの量を組織学的方法も含めて検討しました。

 

 

この論文では6人の人にレチノイン酸とレチノールを外用して表皮と真皮の厚さを比較しました。

右下の(f)という人ではレチノールとレチノイン酸の外用後の組織検査では

レチノール後の表皮の厚さとレチノイン酸後の表皮の厚さはほとんど同じです。

(a) (c) (d)の人ではレチノイン酸外用のほうが明確に表皮が厚くなっています。

 

ちなみに皮膚のコラーゲンの量は6人の平均で、レチノール外用で1.3倍、レチノイン酸外用で1.5倍に増加しています。

この実験結果よりレチノールはレチノイン酸とほぼぽなじ濃度で、人によっては同等の効果を示す

ことがわかりました。

 

青山ヒフ科クリニックやドクターケイのパルミチン酸レチノールの濃度は平均的な0.1%という濃度の

数十倍濃度が濃くなっています。

その結果スキンケアやエレクトロポレーション導入で極めて強い効果が発揮されますが、

肌荒れなどの副作用は出現しません。

 

導入では外用に比して極めて大量のパルミチン酸レチノールを皮膚にいれることができます。

上の方は青山ヒフ科クリニックのパルミチン酸レチノールをエレクトロポレーションで導入しました。

右頬の明度指数は64.7から66.3に増加して、赤み指数は11.3から9.8に低下しました。

 

次の日に再びエレクトロポレーションを行ったところ右頬の明度は68.1まで増加しました。

2日連続で導入することにより皮膚のパルミチン酸レチノール濃度が増加しますが、

皮膚が赤くなったりひりつくことは全くありません。

 

2回目導入の2日後は最初の導入前にに比して明度指数は約4.0増加しています。

2回導入2日後には毛穴の開きがほとんどないむき卵のようなツルツルの肌になっていますが

レチノールやレチノイン酸外用後の肌荒れは全くありません。

 

肌に刺激を生じやすいピュアレチノールやレチノイン酸より

肌に刺激を生じることのない 高濃度パルミチン酸レチノールにチェンジしませんか?

レチノールはビタミンC、ビタミンB群、グルタチオンやレーザーとの相性も抜群です。

 

青山ヒフ科クリニックのパルミチン酸レチノールの日々のお手入れ

パルミチン酸レチノール単独導入、ビタミンBCとグルタチオンとの混合導入をぜひお試しください。

  上の方はパルミチン酸レチノールの単独導入をしました。

 上の方はビタミンABCとグルタチオンの混合導入をしました。 

共に赤ら顔、毛穴の開き、ニキビ、アンチエイジングに効果を発揮します。