ビタミンABCとグルタチオンはFoxO1とAMPKを活性化して皮脂の合成分泌と炎症をおさえます | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

青山ヒフ科クリニックではビタミンABCとグルタチオンのエレクトロポレーション導入

ドクターケイではABC-Gリペアセラムが毛穴の開き、ニキビ、赤ら顔に効果を発揮して好評です。

青山ヒフ科クリニックの外用剤ではビタミンBCとグルタチオンは毛穴レス美白ローションに

ビタミンAはレチノールセラムに配合されていますので、スキンケアでABCGを肌に供給しようと思ったら

上の二つを使用してください。 

 

なぜこんなに効果を発揮するのですかという質問をよく受けます。

簡単に説明します。

 

体内には皮脂分泌を抑える二つのセンサ―があります。

ひとつめがエネルギーセンサーであるAMPKというリン酸化酵素です。

体内のATP量をチェックしていて、ATPの量が、飢餓状態や腹八分の食事で低下すると活性化します。

その結果、ATPの産生が増加するとともに、命の維持に関係ない皮脂合成にはATPが使用されなくなり抑制されます。

貴重なATPは命の維持に必要なコラーゲン合成や表皮細胞の増殖を促進するために使用されます。

動脈はコラーゲンからなっていますが、コラーゲンが合成されなくなると、血管がもろくなり出血して死に至ります。

これを壊血病といいます。

表皮細胞の増殖は、皮膚のバリア機能を維持するために必要です。

表皮角化細胞の増殖がないと、角層のすぐしたにあるタイトジャンクションという、皮膚を覆うサランラップのような

水分を保持する組織がなくなり、陸上生物はすぐ干からびて死んでしまいます。

皮脂分泌にはアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)という酵素が必須です。

AMPKはACCの活性を抑えることで皮脂分泌を抑制します。    

 

 

二つ目のセンサーがFoxO1という転写因子です。

食事をすると血糖値が上がります。血糖を細胞内に取り込むのがインスリンというホルモンです。

血糖が上がるとインスリンが増加します。この時FoxO1は不活性化されます。

一方血糖値が下がると、FoxO1が活性化して体内の代謝を調整します。

FoxO1は血糖を制御するインスリンでコントロールされています。

血糖は体内のエネルギーのおおもとであり、これが低下すると代謝が下げります。

この時命の維持に関係ない皮脂合成も抑制されるのです。

FoxO1もAMPK同様にACCを不活化して皮脂の分泌を減らすのですが、

FoXO1は皮脂腺細胞の増殖や分化を減らして、皮脂腺細胞を細胞死(アポトーシス)という機序で

減らしてしまう作用を持っています。

FoxO1は男性ホルモン受容体に結合してこれを破壊する作用も持っています。

これらの作用はビタミンC、 ビタミンB群、グルタチオンにはない作用です。

上にビタミンAによりFoxO1が活性化して、アンドロゲン受容体という男性ホルモンに結合して

男性ホルモンのシグナルを破壊する様子を示します。

食事を摂取するとIGF-1受容体が活性化して皮脂分泌合成を促進する経路が活性化するのですが

FoxO1はこの系を抑制します。

 

ビタミンABCとグルタチオンはAMPKを活性化しますが、ビタミンAは

ビタミンBCやグルタチオンが持っていない作用、皮脂腺細胞の数を減らす 男性ホルモン受容体を抑制する作用で

皮脂分泌を減らして、毛穴の開き、ニキビ、赤ら顔に効果を発揮するのです。

これらの成分は炎症も抑えます。

これらの事実をまとめると上の図のようになります。

飢餓はサーチュインという長寿遺伝子を活性化してFoxO1を活性化しますが

非常に興味深いのはビタミンABCで活性化したAMPKもサーチュイン(Sirt1)という長寿遺伝子を活性化します。

サーチュインやAMPKはクロストークをしてお互いに活性化して、PGC-1αという転写因子を活性化して

ミトコンドリアの数を増加させ、活性を上げるとともに炎症を抑制するという

アンチエイング作用を発揮します。

 

ですからビタミンABCやグルタチオンを塗ったり導入すると高いレベルで毛穴が閉じるだけでなく

アンチエイジングも実現するのです。

 

そして大事なことはこれらの成分ひとつ、ひとつが毛穴をしっかり閉じる作用を発揮することです。

 

上は僕の肌にビタミンCを超音波導入し、さらにイオン導入したものです。

トリートメントごとに毛穴が閉じて明度が増加しています。

上の方はビタミンB3を14日間外用(写真中)したのちに、NMNをさらに7日間外用(写真右)しました。

VB3外用で毛穴が閉じて明度が増加して赤みが低下しています。ニキビあとの色素沈着も低下しています。

さらにVB3の代謝産物でNAD+の前駆体であるNMNをビタミンB3と共に7日間外用することで

さらに毛穴が閉じ明度が増加しています。

ビタミンB3投与やNMN投与にて、アンチエイジングの鍵となるNAD+が増加するが報告されています。

NAD+は長寿遺伝子サーチュイン(Sirt1)の活性化にはなくてはならない物質です。

サーチュインは上の図で示したようにビタミンAでもビタミンABCやグルタチオンでも活性化します。

これらの物質はお互いにクロストークしながら、毛穴縮小効果、アンチエイジング効果を増強しているのです。

 

 

上の方にはパルミチン酸レチノールを外用しました。

毛穴がとじて赤みが縮小しています。頬のニキビも消退しつつあります。

上のかたにはグルタチオンのイオン導入を行いました。

明度が増加してけあんが縮小しています。

 

上の方にはビタミンAのエレクトロポレーション導入を2日連続で行いました。

赤みが低下しています。

拡大では、著明に毛穴が縮小して剥き卵肌になっているのがわかります。

 

そしてこれらの成分ビタミンABCとグルタチオンを同時にエレクトロポレーションにて導入すると

著明に明度が増加して毛穴が閉じています。

眉の部分のニキビの赤みも低下しています。

 

一つ一つの成分が毛穴縮小作用を発揮するビタミンABCとグルタチオンは

AMPKFoxO1という異なるセンサーに働きかけて、毛穴を縮小し、赤みを低下して、アンチエイジング効果を発揮します。

ぜひあなたのスキンケア、トリートメントにこれらの成分を加えてください。