報道発表資料「例外なき屋内全面禁煙の法制化を求めます」ほか(5/24) | 青森県タバコ問題懇談会BLOG

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                 2017年(平成29年)5月24日
報道発表資料

青森県内の大学・短大・私立高校の禁煙化状況調査結果2017 および
世界禁煙デー記念フォーラム in 八戸(5/28)、受動喫煙防止法案について

               青森県タバコ問題懇談会代表世話人
                 山崎照光・鳴海 晃・久芳康朗
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1. 青森県内の大学・短大・私立高校の敷地内禁煙化調査2017
                         …別紙資料①

 当懇談会では2015年より毎年4月に標記の調査を実施し、大学11、短大5、高専1、私立高校17、合計34校全校より回答をいただきました。ご協力に感謝いたします。調査の趣旨、項目については別紙資料①を参照して下さい。

 2015年と2016年の結果はすでに公表してあり、私立高校で敷地内禁煙の学校は17校中10校、学外も含めた全施設敷地内禁煙は8校、大学・短大・高専で敷地内禁煙の学校は17校中13校、学外も含めた全施設敷地内禁煙は12校で、この2年間で進展はなく、また、私立高校における敷地内禁煙の実施率が低いという問題が明らかになりました。

 本年の調査ではわずかな進展があり、私立高校で敷地内禁煙の学校は17校中13校(76.5%)、学外も含めた全施設敷地内禁煙は12校(70.6%)、大学・短大・高専で敷地内禁煙の学校は17校中15校(88.2%)、学外も含めた全施設敷地内禁煙は14校(82.4%)となりました。

 大学等で敷地内禁煙化100%に近づいたことはある程度評価できますが、私立高校の敷地内禁煙化率が大学等よりも低いという状況は変わっておりません。2003年の健康増進法施行後、2004年には県立高校が敷地内禁煙になったにも関わらず、その後13年も経って私立高校の禁煙化が進んでいないことは、深刻な事態であると考えます。早急に全校で敷地内禁煙を実施することを強く要請します。私立高校のうち1校では建物内での喫煙が可能となっていました(県内の小学校から大学までの全ての教育機関においてこの1校のみ)。

 なお、結果の詳細および資料については、5月28日世界禁煙デー記念フォーラムにて発表し、その後ホームページにも掲載する予定です。

2. 国際条約に則った「罰則付きの例外なき屋内全面禁煙」を規定した受動喫煙防止法制定を求めます

 現在、厚生労働省が提出を準備している受動喫煙防止法案が、与党内の反対により骨抜きとなり、法案提出すらできないのではないかと危惧されています。メディア等でもその内容について賛否両論が報じられていますが、この議論は世界的には2006年の米国政府報告書で決着しており、2007年のWHOタバコ規制枠組み条約(FCTC)ガイドラインにおいて「例外のない屋内全面禁煙」が求められているのです。当然のことながら、日本政府もこれに賛同しており、国際条約を遵守する義務があります。

 厚生労働省案は世界的には認められていない分煙を残した不完全な対策であり、これを「厳しすぎる」として反発している国内の状況は、世界の常識とかけ離れたガラパゴス状態にあると言えます。

 昨年公表された厚生労働省の『たばこ白書』において、受動喫煙による死亡が年間約1万5千人にのぼり、日本の受動喫煙防止対策は世界最低レベルだとWHOが評価していることが明記されました。家庭や職場などの身近な環境において毎年これだけの犠牲者が出ていることに対し、国際条約の求める有効な対策を実施してこなかった政府の責任は免れません。受動喫煙死は限りなくゼロ近づけることが可能であり、また、その義務があります。

 私たちは、利用客のみならず従業員の健康と命を守るために、例外のない屋内全面禁煙を定めたに法律の制定を求めます。

 日本医師会でも、例外なき屋内全面禁煙を求める署名活動を開始しています。 …別紙資料②③

3. 世界禁煙デー2016記念フォーラム in 八戸(5/28)を開催します
                        …別紙資料④

 5月31日はWHO世界禁煙デーです。本年度の世界禁煙デー記念フォーラムは「タバコの煙のないまちで おもてなし を 受動喫煙死1万5千人の衝撃」と題して、八戸市公会堂で開催します。これまで青森、弘前、八戸の各市で開催してきましたが、八戸市では7年ぶりの開催となります。

 今回は、三沢市における小中学生への喫煙防止教育、八戸市の喫煙防止対策、当懇談会が県内で継続してきたタバコのない青森を目指す活動の紹介に加えて、兵庫県タバコフリー協会副会長(日本タバコフリー学会理事)の薗はじめ医師による「世界はタバコゼロ社会へ 市民が政策を動かした韓国に学ぶ」と題した特別講演を予定しています。

 薗はじめ氏は青森県出身で、当懇談会(旧名・青森県喫煙問題懇談会)の創始者であり、県内における禁煙活動、禁煙治療のパイオニアとして活動を続け、その後も県外から青森県の禁煙活動を指導、助言してきた女性医師です。更に、国際学会への出席や、2016年の日本タバコフリー学会学術総会(神戸市)会頭を務めるなど、国際的な活躍を続けております。

 すでに、世界的には受動喫煙防止対策は過去の議論となり、現在は世界各国でタバコゼロ国家を目標とした包括的な対策(タバコ税大幅増税、画像警告、プレーンパッケージ、子どもが同乗した自動車内での喫煙禁止など)へと完全にシフトしています。

 最短命県で喫煙率男性1位・女性2位という青森県の状況から脱却するためには、包括的なタバコ規制政策により喫煙率を激減させることが最も優先順位の高い課題です。

 八戸市において国際スケート大会を開催するためには、グローバルスタンダードである「例外なき屋内全面禁煙」を定めた法律・条例が必要です。受動喫煙の残る飲食店・ホテルで国内外からの選手・観客をお迎えすることはできず、また、そのような都市では大会の招致すらできません。

 日時 2017年 5月28日 (日) 10:00〜
 会場 八戸市公会堂 大会議室(2階リハーサル室) 参加無料
 プログラム詳細 別紙資料④(チラシ)参照

 なお、フォーラム終了後、八戸市三日町で開催される「はちのへホコ天」において、肺年齢の測定、禁煙太郎飴・禁煙うちわの配布などの街頭活動を実施することになっております。いかずきんズも賛助出演の予定です。

連絡先 〒030-0813 青森市松原1-2-12
    青森県タバコ問題懇談会事務局
    TEL : 017-722-5483 FAX : 017-774-1326
    E-mail:kinen.aomori@gmail.com http://aaa.umin.jp/

別紙資料

①大学・私立高校アンケート2017
 http://aaa.umin.jp/data/2017/201704daigaku.pdf

②日本医師会 1. 署名趣意書 2. 署名用紙
 http://www.med.or.jp/people/info/people_info/005096.html

③日本医師会パンフレット「禁煙は愛」
 http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20170322_1.pdf

④世界禁煙デー記念フォーラム2017 in 八戸(チラシ)
 http://aaa.umin.jp/data/2017/20170528hachinohe.pdf

想定される質問と回答

大学の敷地内禁煙は実際に守られているのか。違反者へのペナルティはあるのか

 この調査では実施状況の詳細な情報を求めておらず、規則が制定されていること自体が重要と考えております。2011年にキャンパス内全面禁煙を実施して注目を集めた東北大学でも、隠れ喫煙者は完全にゼロではないが、趣旨は着実に浸透してきているとのことです。大学の禁煙化は違反者を罰することが目的ではなく、全国的にも入学時に誓約書を提出している一部の大学を除けば、強制力を伴うものではありません。

教職員への禁煙を強制するものではないか。一律の禁煙化ではなく喫煙者への配慮が必要ではないか

 大学の禁煙化は単に受動喫煙を防止するだけでなく、学生の喫煙開始を防止し、更には教職員の喫煙率の低下を目標とすべきものです。勤務時間外、大学敷地外での喫煙を禁止することは当然できませんが、ニコチンという薬物の依存症であり、死亡原因のトップであるタバコに対して、学生のみならず教職員の健康と命を守るために、各大学・短大・高校が率先して積極的な取り組みを実施することを期待しています。

飲食店を全面禁煙にすれば客が減るのではないか

 世界中の国や州で「例外のない全ての飲食店の全面禁煙」が問題なく実施されており、飲食店業は繁栄を維持しています。タバコ産業から資金提供を受けていない研究において「飲食店を全面禁煙にすれば客が減る」というデータは得られておらず、WHOでも同様の結論を公表しています。

 喫煙者は今後も減り続けます。客は禁煙店を探していますが、見つからないため止むを得ず喫煙店を利用しているというのが実態です。飲食店を含む職場の全面禁煙は健康増進法(2003年)および労働安全衛生法でも実施が求められており、年間1万5一千人もの死者が推計されている現在、客や従業員に受動喫煙を強いている状況は人権侵害、労働者の健康と命を守る義務違反と言っても過言ではありません。