文明のレシピ
原材料
●労働者 ●芸術
●文字 ●政府
以上の材料をすべて混ぜ、
数千年ほど煮立たせればできあがり。
ということで、先史時代から現代までを、ざっくり駆け足で学べます。
ほんとにざっくりですが、言葉の定義とか、ちょっと難しい語彙とかでてくると丁寧に説明してくれていて、わかりやすいです。
重要な人名、地名、日付、用語は文字の色を変えたり、太字にしてマーカーで囲むなど、まるで女子高生のノートを見てるみたいで楽しいです。
文字も丸文字っぽいフォントを使っていて、かわいい。
地図が豊富なのも嬉しいです。
国境って、情勢によって刻々と変化していくので、合わせて見ると理解の助けになります。
特に陸続きの国は戦ばかりで、人類の歴史=戦争の歴史なんだと、いまさらながら呆れます。
ようこんだけ飽きもせず次から次へと……。
各章の終わりには、「理解度チェック」なるQ&Aがついていて、復習もできちゃいます。
図書館本なので、表紙に「書きこみしないでください」の文字が貼ってあるのですが、納得です。
アメリカの中学生対象ということだからでしょうか、合衆国本国はもちろんですが、南アメリカの国々についても、日本の授業では、たぶんスルーだろうなという内容もあって、新鮮に感じました。
ざっくりな世界史を、ざっくり読んで、ざっくり感想(というか、個人的に興味深かったこと)を残しておきます。
ざっくり × ざっくり × ざっくり
無きに等しい歴史かも。。。
暦
古代エジプトの人々が、周期的に洪水を起こす川を把握するために作ったのが1年365日の暦です。
『三体』読んだ後だから、地球が、不規則に乱紀と恒紀を繰り返す惑星なら、暦もつくれなかったんだと思うと、なんだかこの星が愛しくなります。
まねっこ?
◆3人以上子どもを生むと。
ローマ法では、家庭を支援するような仕組みになっていて、女性が3人以上の子どもを生むと特典が得られたそうです。
どういう特典かまでは書いてないけど。
◆ヨーロッパ中を震撼させた腺ペスト。
ペストを神による罰だと考え、ユダヤ人が井戸に毒を入れ、ペストを発生させたと言う人がいたそうです。
ん?
どっかで聞いたようなお話ですね。
所変わっても、人間、考えることは同じということなんやろね。
コロンブス交換
コロンブスの航海によって、動物や植物がヨーロッパとアメリカ大陸を往来することにより、お互いの食生活が豊かになったと同時に、ウイルスや細菌も運んでしまい病気も共有してしまいました。
功だけでは済まないんですね。
このことを”コロンブス交換”、または”おおいなる生物学的交換”と言うのだそうです。
そんな名前がついているとは知らんかった。
エンコミエンダ制
「エンコミエンダ」とは、先住民たちが奴隷となって鉱山の採掘や農作業をおこなう、小さな土地のことを言います。
スペイン人が王令により、アメリカ先住民に強制労働をさせた制度のことで、労働の見返りとして食事
などの手当てを受けることになってはいたけど、実際は推して知るべしです。
徴兵制度
1871年に帝国陸軍創設と同時に、徴兵制度が導入され、日本人男性の多くが、3年間の兵役義務を負うことになります。
徴兵制は戦争中だけだったと思っていたので、それ以前からあったことにちょっと驚き。
この後、1984年に日清戦争がはじまり、「1905年の日露戦争以前の国境」と題された地図が載っているのですが、ロシア・樺太・満州・朝鮮・中国・台湾と日本の位置関係を改めて確認することができました。
樺太近っ! 満州広っ! 台湾、以外と遠い。
と、ほんまにざっくり確認です。
パリ条約
◆1763年 七年戦争(フレンチ(仏)=インディアン(英)戦争)を終結させた
◆1783年 アメリカ独立戦争を終結させた
◆1898年 アメリカ=スペイン(米西)戦争を終結させた
三つともパリ条約。
条約問題は、アメリカが関わっていたら、とりあえず”パリ”と書いとけば正解確率高いかもね。
いいえ、きちんと勉強は、いたしましょう。
ロマ
第二次大戦中、「ジプシー」と呼ばれていたが、人種差別的な中傷と見なされ、現在は、ロマの人々が自身のことを呼ぶ「ロマ」または「ロマニー」と呼ぶのだそうです。
「ロマ」というのは知ってましたけど、今どきの流行りの言い換えなんかなと思っていました。
知らんかった、気を付けよう。