韓国、正式名称「大韓民国(テハンミングン)」は1948年に建国され、まだ100年経っていません。
なので、この本で扱っているのは、朝鮮半島とその周辺を含めた古代からの歴史になります。
ちなみに、サッカーの応援などで叫んでいるのは国名
だったのね。
今回初めて知りました。
どんだけ無知やねん。
熊や虎
が人間になったり、王様が卵から生まれた
という神話時代は置いといて、まずは、高句麗、百済、新羅の三つ巴状態から。
うん、薄っすら歴史の授業で習った記憶あり。
その三つの国が新羅に統一されるのですが、日本でいうと白村江の戦いの後です。
中大兄皇子の頃ですね。
この後、再び三国が並ぶ「後三国時代」を経て統一され「高麗」「朝鮮(李氏朝鮮)」
「大韓帝国」日本統治時代
連合軍信託統治期の後、「大韓民国」と「朝鮮民主主義人民共和国」の二国へと分断されます。
韓流時代劇のドラマで見たことのある名前が綺羅星のごとく出てきます。
真興(チヌン)王、善徳女王(ソンドクニヨワン)、金庾信(キムユシン)、忠烈(チュンニヨル)王、忠宣(チュンソン)王、奇皇后、燕山君(ヨンサングン)、張緑水(チャンノクス)、鄭蘭貞(チョンナンジョン)、仁顕(イニョン)王妃、張玉貞(チャンオクチョン)、延礽君(ヨニングン)=英祖(ヨンジョ)……等々。
人物だけじゃなく、権力争いを繰り広げる王の側近たちの党派:東人(トンイン)・西人(ソイン)から始まって、南人(ナミン)・北人(プギン)、老論(ノロン)・少論(ソロン)、僻派(ビョクバ)・時派(シバ)と複雑に移り変わるのを、得意のスルーで無視してただけに、先に読んでおきたかったなぁと思います。
ちなみに、先に挙げた人物も、どの人がどの時代の人なのかも知らないまま、王宮とは、いつの時代もドロドロのグチャグチャで恐いなぁ
と見てました。
そして、大韓民国となってからも、独裁政権やら、軍事クーデターに暗殺まで、なんとも物騒な歴史に唖然とするばかりです。
KCIAの絡む金大中拉致事件は覚えてますが、朴正熙暗殺事件は知りませんでした。
あれは、いったい何だったんでしょうね。
高麗
韓国の英語名:コリアとは、「高句麗」からきているそうです。
高句麗=高麗
高句麗は、貊族(ハクゾク)がつくった国で、日本では「貊」の代わりに「狛」を使い、「こま」と読みます。
狛犬のこまですね。
そして、「高麗」もまた「こま」と読みました。
両班(ヤンバン)
韓流時代劇でおなじみの高麗の官僚の総称です。
「班」は順序ないし列という意味で、王が王宮の正殿で南を向くのに対し、文臣は東側、武臣は西側に、それぞれ官位の高い順に整列しています。
そこから、文臣のことを文班もしくは東班、武臣を武班もしくは西班といい、両方を合わせて両班と呼ぶそうです。
しかし、実際に国政を担ったのは文臣で、武臣は一段低い存在だったようです。
本貫
韓国の俳優さんをウィキペディアで調べると、必ずと言っていいほど目にするのが「本貫」です。
本貫って何と、ずっと疑問に思っていました。
姓は父系の血族を示していますが、韓国の姓の数は少なくて280余りしかないそうです。
そうすると同じ姓でも祖先が違い、同族ではない場合があります。
そのため、一族の始祖とされる人物の発祥地を示すことにより、同本同姓であれば、男系の血縁で結ばれた同じ氏族だと判るということらしいです。
本貫+姓の形で、「○○金氏」とか「○○李氏」と呼ばれます。
併合
「併合」は、国内外に植民地支配という印象を薄めるために使われたようです。
「敗戦」を「終戦」と言い換えるみたいなものでしょうか。
韓国統監府の初代統監:伊藤博文がハルビンで暗殺されたことがきっかけで併合に至ったことは、授業で習いましたが、伊藤博文が併合反対
の立場だったとは知りませんでした。
この本では詳細は書かれてはいませんが、併合によって負うことになる過大な経済的負担を気にしていたのではという推測もなされています。
ちなみにお金つながりで、併合条約の締結以前に、日本から朝鮮に出店していた第一国立銀行が発行した第一銀行券は、朝鮮半島で最初の近代的紙幣で、渋沢栄一が描かれていたそうです。
武断政治と文化政治
併合により、韓国統監府は朝鮮総督府に改組され、朝鮮総督府は天皇に直属し、絶大な権限を持ち朝鮮を統治しました。
初代総督は、寺内正毅。
地税徴収のための土地調査、地方行政、インフラ整備、漢文ではなくハングルを使った教育の普及などの制度改革を行いました。
しかし、急激な制度改革は日本人に有利で、身分制度の撤廃で平民となった元両班の反発をかいます。
憲兵警察制度を導入したのは、これを取り締まるためでしたが、日本人が占める上層部には、裁判を経ずに刑を執行できる権限が与えられており、日本の統治に反発する人物は逮捕されるというような高圧的な統治=「武断政治」が行われます。
反日感情の高まりは、やがて「三・一運動」(公園で「独立宣言」を読み上げる)へとつながっていきます。
「三・一運動」は日本軍の弾圧により収束しますが、官制改革が行われ、対立をなくすための政策=「文化政治」を推進していくことになります。
言論、出版、集会、結社への取り締まりを緩和、会社令の撤廃(会社設立は許可制で朝鮮企業はなかなか許可されなかった)など。
しかし、親日じゃないと弾圧を受け、新聞や雑誌は検閲され、集会には警官が目を光らせるという、武断政治期に比べると多少ゆるくなったという程度です。
この辺りは読んでいても、へこみます。
国境
韓国と北朝鮮の間に、国境はありません。
なぜなら、朝鮮戦争は、まだ”継続中”だからです。
しかも、この休戦は、アメリカと中国、北朝鮮が調印していて、韓国は拒否したそうです。
まだ”終戦”してないのですね。
取り敢えずの平和なんだと思うと、徴兵制の意味するところが、より重く感じられます。
【おまけ】
◆ウォンは円
日本の統治時代に使われていた「圓(円)」を朝鮮語読みしたのがウォン。
朴正熙が第一次五カ年計画で経済の自立を目指し、李承晩政権まで使われていた「ファン」を「ウォン」に変え基本通貨としたそうです。
◆ソウル
朝鮮の固有語で「都」の意味だそうです。