第1話はこちら↓
「何が…あったの?」
「…理由を答えたら、さっき俺の言ったことをちゃんと考えてくれる?」
「さっきの話って…」
「俺がネズミのそばにいるって話」
私は数分前の出来事を思い出して、ボッと体が熱くなるのを感じた。私がカズナの言動に反応するたび、携帯が激しく振動する。
「そ、そばにって…今もいるじゃない」
「俺が言っているのは、そういう意味じゃない。ネズミの心に深く入りたいって意味だよ」
カズナは立ち上がり、ゆっくり私の前まで歩み寄ってくる。そして脚絆から携帯を取り出すと、私に画面を見せた。
切ったと言っていた電源が入っている。
「トキメカシを辞めた俺が、こうしてまたトキメカシに戻った。何故だかわかる?」
つづく