短編 41.弟みたいなキミにときめくなんてありえない | 「蒼い月の本棚」~小説とハムスター(ハムちゃん日記はお休み中)~

「蒼い月の本棚」~小説とハムスター(ハムちゃん日記はお休み中)~

趣味で小説を書いています。絵を描いたり写真を撮ったり、工作をしたり書道をしたり、趣味たくさんです。古典で人生変わりました。戦国時代&お城好き。百人一首とにかく好き。2016年、夢叶って小説家デビューできました。のんびり更新ですが、どうぞよろしくお願いします。






第1話はこちら↓




私はわからないと首を振る。
「じゃ、教えてあげる」
カズナは困惑する私の視線を捉え、私の呼吸に合わせて話し始めた。
「ネズミと一緒に元に戻りたいからだよ。だから、トキメカシに戻った」
「私と…一緒に…そんなことでき…」
途中まで言ってハッとした。カズナと一緒に元に戻る方法は…ある。
「方法があるのは知ってる。なぜなら、俺と一緒に来たトキメクは、その方法で元に戻っていったから」
つまり、カズナのペアであったトキメクは、新しいトキメカシに変更して、その人と一緒に元に戻ったということだ。自分の携帯の画面を見た。右下の数字は減り続けている。



「ネズミのトキメカシは見つかってない。このままだとネズミも、探しているトキメカシも、揃って死ぬ」





つづく