日本は新年度が始まりましたね~。
また仕事が忙しくなる前に、前回の続きを、書いておこうと思います。
興味深いと思うことも、モヤモヤすることも、時間が経つと「ま、いいかっ!」って忘れちゃうノーテンキな前向きな性格なのでね
【注:またまたガチな少年高校野球のお話です。ご興味あるお方だけ。どうぞ。】
(12歳の夏。NYのクーパーズタウンでのトーナメントにてホームラン♪)
アメリカの高校で野球をやろうって子は、おおむね2つのグループに分かれます。
グループ①は「地元高校で野球出来たらいいな♪」という感じの子達。
グループ②は「大学でも野球をやりたい!→高校野球は、その準備期間!」と考える子達。
グループ①の子達は、すでに自分の限界を自覚してる子や、別のスポーツを本命にしている子や、大学行ってまで野球をできる・やりたいとは思わない子達。
この子達は、自分の行く高校の野球チームのトライアウトを(毎年)受けて、受かったらやる。落ちたらやめる。のが一般的。
トライアウトに受かるかどうかは、実力や、学校のレベルや、トライアウトを受ける人数や、コーチの方針(部員数)や、コネとカネなどによって決まります。
アメリカの一般的な高校は、
FROSH(1年生チーム)、
Junior Varsity(2・3年生チーム)、
Varsity(一軍=3・4年生チーム)の
3チーム構成が基本です。
うちの地元高校はじめ、この界隈の高校は、FROSHチームが20名前後、JVとVarsityが25名前後の人数のところが多いようです。
(12人前後のリトルリーグや少年野球に慣れていると、すごく多く感じますが、高校性になるとピッチャーオンリーの選手もいるのでね。それでも多いですけど。)
チームの方針や部員数にもよりますが、際立って上手い子は本来の学年より上のチームに入れてもらえることもあります。
(メジャーリーガーの高校時代の記録をみると、1年生または2年生から4年生までずっとVarsityという人が多い。)
日本の高校野球のように、何十人も部員が居て、3年間一度も公式戦に出ずに終わるとか、部員がダグアウトに入り切れなくて応援はスタンドから、なんていう理不尽な?非合理的な?カンドー青春物語はアメリカにはありません。
グループ①の子達は、高校のトライアウトに受かったらやる。落ちたらやめる。といういたってシンプルな話なんですけれど。。。。
まぁ、実態を知ればしるほど、いろいろありますわ
高校受験のないアメリカでは、公立高校は、原則、住んでいる家の住所に基づく学区内の高校へ行くことになるので、自分のレベルや求めるものにぴったりあう野球チームがある公立高校を選べないわけです。
すると、発生するのが。。。
その①地元公立高校の野球部が強すぎて入れない問題。
その②地元公立高校の野球部が弱すぎてつまらない問題。
その③地元公立高校の野球部員が多すぎて、あまり試合に出られない問題。
以前、「子供の習い事にどこまでお金をかけるか」という話にも書きましたが、高校で野球チームに入ることを目指して、5歳くらいからリトルリーグやポニーリーグを始めて、10歳前後から15歳まで年間何十万円もかけてクラブチームに入れて野球を続けても、進学する高校によって、明暗が分かれることもあるわけです
例えば、
うちの息子が以前所属していたクラブチ―ムは、去年の9月に高校1年生になった1学年上の選手が9人いたのですが、そのうちの5人が、野球が強くて有名な、生徒数3,000人超の、大規模公立高校へ進学しました。
今年のFROSHチーム18人の枠をかけて、60人が5日間のトライアウトを受けたそうです。
そして息子の元チームメイト5人のうち、ひとりが落ちてしまいました。
確かにチーム内では下位の選手でしたけど、それでもずっと比較的強いクラブチームでやってきたのに。。。。
そして、その強豪高校の方針は、「1年生でトライアウトに落ちた子は、2年生以降もトライアウトを受けられない。」
学校によっては、毎年受けられるところもあるのですが、その高校はもう選手が余るほどいるので(多すぎて保護者からクレームがくるほど)、1年生の時点で落ちるようでは、翌年までに大幅な成長は見込まれないのでトライアウトも受けさせないとのことです。キビシ~
つまり、その子は「地元高校での野球」をあきらめるか、どうしてもやりたければ、転校(私立高校へ転校か、家ごと引っ越して別の公立高校へ)するしかないという。。。。
シビアな世界ですね~。
まぁ、でも、早めに自分の才能の限界を見極めて、ムダに長い時間しがみつかず、もっと自分に向いていることを探すのに高校時代を使えるという意味では、アメリカらしいというか、合理的というか、親切な仕組みなのかもしれませんね。
でも、もし、その子が、もう一つとなりの学区に住んでいたら、その高校の野球部はそんなに強くないので、たぶん、高校4年間野球できただろうに。。。その間に、体格も野球技術もあがって、その先があったかもしれないのに。。。とも思いますが、それは「たられば」論ですね。
そして、早々と意に反して野球あきらめなきゃいけない我が子をみるのは親としても辛いですよね。我が子が地元高校の野球部に入れるかどうかのボーダーラインだからって、家ごと引っ越すわけには、そうそういきませんもんね。。。。フツーは
そして、この強豪高校のFROSHチームに無事入れたもう一人の元チームメイトは、早々と「PO(ピッチャーオンリー)」にされてしまったそうです。 これもキビシイ~。
少年野球には、ピッチャーで、強打者で、守備もできて、脚も速い、エンジェルスの大谷翔平君みたいな選手が沢山いますが、高校生にもなると、ピッチャーはできるけど打撃や他の守備がイマイチという子が出てきます。ピッチャーは故障も多いので人数が必要ですし、いいピッチャーは価値が高いので他の面が弱くてもPOとしてトライアウトに受かったりします。
その息子のお友達は、まだ、ちょと、複雑な心境だそうです。強豪校のピッチャー(3番手)になれたのは嬉しいけど、まったく打てないわけではなくて、たまに打つと長打だったりするので、あきらめきれないというか。登板のない日はずっとベンチという状況にまだ慣れてないようです。
そして、1年生でPOになると、打者としてアピールする機会が激減するので、それ以降もPOになりがちだそうです。ピッチャーとして大成すればいいですけど、そうでなければ、後がない…的な。
住んでいる学区の高校の野球部が強いと、こういうキビシイことが起こりますが、逆に、弱すぎると、シーズン中ほとんど勝てなかったりして、つまらない アメリカ人(スポーツ選手は特に「勝つこと」に執念を燃やす人が多いので、弱すぎるチームに所属するのも、苦痛。
でも、こればっかりは、学区にそういう選手が住んでいなかったということで、どうすることもできませんね~。フツーは。
ここまでは アメリカ(南CA)の高校野球の仕組みや一般論で、私もこれまでにググったりして、こんな感じかなぁと予想していたのですが、
数か所で出てくる「フツーは。」がヒントですが、カネとコネにものを言わせて、フツーじゃないことをするご家庭もちらほらあって、それに惑わされて、中流家庭の我が家はちょっとモヤモヤしてしまうわけです。。。
=つづく=
グループ②の大学とその先を目指す選手には高校での野球とはまた違う、別の道がありますので、そのお話もまた次回。
こちらも、かなり、モヤモヤします