もう2週間も前のネタなんで、鮮度落ちどころか賞味期限切れな感じも強いですけれど、
今更ながらの記事UPでございます。
やっぱりあたしが愛してやまない我らがしな鉄の一大イベントでしたからねぇ。
今年3月15日をもって定期運用から引退していた169系。
その後は毎週末、手を変え品を変え色んな臨時列車や団臨で楽しませてくれましたけれど、
4月末の3連休、ついにラスト・ランを迎えました。
初日27日と最終日の29日に沿線へ出撃して、最期の雄姿をこの胸に刻み込みましたわ。
まずは初日、4月27日の午前中の部。
S51編成とS52編成、オール湘南色6両で運転された上り臨時急行「志賀」号。
上り列車、それも6両編成を狙うなら「御代田の大カーブ」しかないってコトで、
まずは御代田を目指したのですけれど、沿線には早くもファンの群れが!
現場に到着するとすでに大勢の同業者さんたちが集まっていてビックリ!
これまで多くてもあたしを含めても5~6人が目いっぱいだった「御代田の大カーブ」。
この日、最終的には40人を超えるくらいの同業者さんがこの場所に集いましたわ。
平原 - 御代田 (2013/4/27)
大勢の同業者さんで賑わった「御代田の大カーブ」ですけれど、
みなさまうまい具合に散開していてくれたおかげである程度、理想的なポイント確保に成功。
やがてほぼ定刻通りにファイナル運転の1番列車、急行「志賀」号がやって来ました。
同じスジで3日間走るとは言っても、まさに一期一会。
それはまるで、“叶えば失う交換条件の夢”のように、
1/12との邂逅と同時に二度とは戻らなぬ1/12が過ぎ去ってしまう瞬間・・・
急行「志賀」号を見送った後は、軽井沢駅から折返しの急行「信州」号を待ち伏せるべく、
次なるお立ち台へと移動します。
途中、馬瀬口の陸橋はかなりの同業者さんに占拠されていて初日からして激パの様相。
この場所が2日目の4月28日、撮り鉄が暴徒と化したスポットに他なりませんが・・・
そんなきな臭い、一触即発なスポットを横目に小諸を目指します。
小諸 - 滋野 (2013/4/27)
軽井沢駅からの下り列車を待ち伏せると言ったら、あたし的定番スポット「小諸の大カーブ」でございます。
下りの6両編成をびしっと狙えるお立ち台と言ったらやっぱココでしょ。
御代田駅周辺の激パぶりからの予想に反して、この絶好のポイントには最近ご一緒する機会の多かった、
動画メインの蒼久保さんだけがスタンバイ中。
同業者さんが少ないに越したことはないんですけれど、ちょっち淋しい感じも・・・
それでも大勢のみなさまと同じ画を作るよりも、その日その瞬間、あたし達だけの画の方が断然、
良いよねって感じもしなくもないですけどね。
同じ場所でぎゅうぎゅう詰めになって、他のみなさまと同じ画を作ってもねぇ・・・
春まだ浅いしなの路を駆け抜けてゆく湘南色の169系6両。
急行「信州」全盛期の半分の長さの車列とは言っても、さすがに風格と雰囲気を醸し出していますよね。
この後、午後の9両編成の往復も撮影したのですけれど、思ったような画にならず。
2日目の28日は前夜、ふらふらと夜の街に遊びに出ちゃったあたし。
出れば当然、はしゃいじゃったのは言うまでもなく、終日、部屋から出る気になれず・・・
まぁ、画にしたいと思っていた場所では初日にみんな撮影しちゃったし・・・なんて負け惜しみ。
それでもだる重なカラダをおして、夕方の下り9連団臨を小諸駅で見送ります。
今思えば、やっぱカメラ持っていけばよかったかな・・・みたいな。
最終日の4月29日。ホントにホントのラスト・ランを迎える169系。
この日はお仕事だったのですけれど、幸運にも夜のお仕事になったので、勇躍、出撃でございます。
泣いても笑ってもあと2往復。
“いつでも撮れる”列車が、“もう撮れない”列車へと変わってゆく瞬間に立ち会いたいと言うか、
最期のその瞬間を見届けたいと言うか・・・そんな複雑な感情で心が一杯でございました。
午前中の1往復は往路復路ともに「小諸の大カーブ」で撮影したあたし。
午後の9連、その上り列車は滋野駅で、そして最期の下り列車は小諸の芦中の裏で・・・
なんて思っていたのですけれど、事前に芦中裏を再確認に訪れると、
同業者さまが1名、てか、カップル? もしかしてお若いご夫妻なのかしら・・・? が、スタンバイ中。
下見程度に訪れたあたしに気さくに声をかけてきて、聞けば蒲田からの遠征だとか。
何のかんのと言いつつも、袖振りあうも他生の縁・・・てことでご一緒することに。
急行「ありがとう・さようなら169系」 9604M
滋野 - 小諸 (2013/4/29)
芦中裏も結構良いカーブきてるんですけれど、9両は絶対に入らないって断言しちゃったあたし。
それでも結果はご覧の通り。見事に9両ぴしゃりと収まっちゃいました。
ノーヘッダーに急行幕。これぞ往年の急行列車の再来ですよね。
あたしも蒲田さんご夫妻(?)も9両は入りきらないって思っていただけに、
列車通過後にお互いの戦果を見せ合いながら大喜び。ホント、カーブの底知れぬ奥深さを感じましたわ。
架線柱のスパンだけで数えたら、絶対に9両なんてムリな計算でしたからね、芦中裏は。
ホント、お若いのに気さくで気持ち良い蒲田さんご夫妻(?)でございました。
その後、ホントにホントのラスト・ラン、軽井沢駅からの折り返しの9連を撮影する場所をお尋ねすると、
お仕事の都合でラスト・ランを見送ることなくご帰宅されると仰る蒲田さんご夫妻(?)。
“169系最期の雄姿はお願いします”なんて仰って、一足先にご帰宅の途に。
そう言われてしまっては、例えご一緒した時間が1時間半とは言っても気合入っちゃうあたし。
当初は芦中裏で狙おうと思っていたのですけれど、思うところがあって、再び小諸の大カーブへ。
169系 S53 + S52 + S51
団臨「ありがとう・さようなら169系」 9663M
小諸 - 滋野 (2013/4/29)
6両編成の列車を画にするのにぴったしのポイント「小諸の大カーブ」ですけれど、
今回狙う列車は9両編成ってコトで、いつもよりもずいぶんと後ろに下がった場所から狙います。
“アウトカーブ0角度”で先頭車両が正面向いた瞬間も良いのですけれど、
せっかくの9両と長編成ですもの、首降り過ぎるくらいの位置の方がさまになりますよね?
泣いても笑っても最後の1/12・・・
12/12が今、万感の想いを込めて目の前を駆け抜けて行きます。
春まだ浅いしなの路を最期の花道にして駆け抜けてゆく169系・・・
その誕生から40年余。頑なにしなの路を走った名優が今、最期の瞬間を迎えました。
まるで光のように走り去るその姿をあたしはただただ、言葉もなく見送るだけが精いっぱいで・・・
そこには“ありがとう”も“さようなら”も、そして“お疲れ様”もありません。
最期のその雄姿を見送った、そして見送られたあたし達の間に言葉は必要ありませんでした。
16年前、最期の特急「あさま」37号を見送った時のように、
心に込み上げる万感の想いだけが全てを物語っているような、そんな春の夕暮・・・
あれから2週間。
屋代駅に169系が留置されてる・・・なんてそんな噂も耳にしますけれど、
あたしはそれを見に行こうとは思いません。
あの日、2013年4月29日、春の夕陽に包まれた午後4時51分。
目の前を光のように走り去った瞬間があたしの中で、
169系、その最期の姿が永遠の記憶としてこの胸に焼き付いているから・・・
“Adieu, Exprimez-169 Series・・・”