察せない母親(私) | しるし〜先天性巨大色素性母斑・神経皮膚黒色症、自閉症スペクトラムとともに〜

しるし〜先天性巨大色素性母斑・神経皮膚黒色症、自閉症スペクトラムとともに〜

2014年のクリスマス。難病と大きなアザを持って、可愛い可愛いお姫様が生まれてきました。病院探しからの記憶を辿って、日々の成長を交えながら少しずつ綴っていきます。そして、息子とオットに発達障害が発覚。難あり⁈訳あり⁈家族ですが、楽しいお気楽生活エンジョイ中です!

 

前回の記事→ついに最後の手術で、

 

 

私のせいでヒメのメンタルがちょっとやられているということについて触れましたが、今日はそのお話を。

 

 

 


 退院の日、「さくら」の前で。

 


 

ワンピースが大好きなヒメは、

 

退院の日にはこれを着る!と決めていた服がありました。

 

 

 

帽子も被りたくないというので、

 

もう日差しも強くないし、

 

じゃあお気に入りのゴムでもしようか!

 

って身支度を整えて、晴れやかな気持ちで病棟を後に。

 

 

 

 

 

 

 

一年ぶりの手術。

 

その一年のあいだにただひとつ大きく変わっていたことがあります。

 

 

 

 

それは、

 

ヒメがもうベビーカーに乗っていない

 

ということ。

 

 

 

 

直接的な原因ではないけれど、

 

その違いに気が付くのが遅かったために、

 

ヒメを傷つけてしまうことになったんです。

 

 

 

 

 

 

 

急遽、足の裏のサテライトを大きく切り取ったので、

 

歩くのも違和感あってしんどそうだったし、痛かっただろうに、

 

それでも自分の荷物をリュックに入れて、

(荷物というか、おもちゃですがw)

 

病院から新幹線の駅までの乗り継ぎもある長い道のりを、

 

一生懸命歩いてくれました。

 

 

 

 

 

やっと駅に着き、

 

歩くの頑張ったしジュースでも買ってあげよ!とスタバへ。

 

 

私が支払いをしているあいだ、

 

いつもならベタベタくっついてくるのですが、

 

よほど疲れたのか、足をブラブラしながらソファでひとり待っているヒメ。

 

 

 

 

 

 

そのヒメをジロジロと見ていく大人たち。

 

 

 

 

またか。

 

まぁそりゃそうか。

 

あんな小さい子が頭に大きなテープ貼って、

 

足にも小さいテープたくさん貼って、

 

何事?!って感じなのかな。

 

早く戻ってあげなくちゃ。

 

 

 

そう思って急いでヒメの元へ。

 

 

 

 

 

 

そしてヒメがジュースを飲んでいるあいだ、

 

すぐ隣のお土産やさんに美味しそうなケーキがあったので、息子に買って帰ろうとちょっとだけ覗きに行ったんです。

 

 

売り場のスイーツ担当のおばちゃんに持ち歩き時間など尋ねてると、トコトコとヒメが歩いてきました。

 

 

 

そしたらそのおばちゃん。

 

 

 

 

ヒメを見るなり、

 

「あんたどないしたん?!」

声がでかいww

 

 

 

そりゃそーなるわな。

 

これもあるあるだわ。

 

 

 

 

と思い、簡単に事情を説明すると、

 

 

 

「ほーなんかー。そりゃ頑張ったんやなー。」

 

「ほらほら、試食いっぱい食べ!」

 

「涙出てくるわ。うちにも孫がおるから分かるねん。」

 

「気をつけて帰ってなー!頑張るんやでー!」

 

って、何度もヒメを褒めてくれたんです。

 

 

 

 

私はただ単純に嬉しかった。

 

興味本位で「かわいそう」とか言ってくる人とは違ったから。

 

なんか親戚のおばちゃんみたいで、あったかかったんです。

 

 

 

 

 

そのほっこりした気持ちを持ったまま、

 

今度は新幹線のホームへ。

 

 

 

そしたら今度は、

 

お隣に座ってた老夫婦のおじいちゃんが話しかけてきました。

 

 

 

「どっか悪いんかー?大丈夫かー?」って。

 

 

 

 

その聞き方がものすごく優しくて、

 

全然嫌な気がしなかったので、

 

またも簡単に説明。

 

 

 

 

もう説明する頻度が高すぎて、

 

頭の中にテンプレ出来上がってます笑

 

 

 

 

そのご夫婦もすごくヒメを褒めてくれて、

 

 

「今の時代に生まれて良かったねぇ。」

 

「お母さんも大変やったな。」

 

 

って、私にまで気遣いの言葉を…涙

 

 

 

 

 

数時間でこんなに話しかけられることは珍しいんだけど、

 

嫌な気分になることもなかったし、

 

ジロジロ見られるより100倍マシだし、

 

あんなに褒めてもらって嬉しいねー♪

 

なんてヒメに話しかけながら車内へ乗り込みました。

 

 

 

 

 

 

 

よーーーーーーーーく考えれば、

 

老夫婦に話しかけられた時からすでに様子がおかしかったんです。

 

でも私は全然気がつかず。アホです。

 

 

 

眠たいんだろうなぐらいにしか思ってませんでした。

 

 

 

 

 

 

駅弁を食べ、さぁそろそろお昼寝だよ、ねんねしようか、

 

と話していると、、

 

 

 

 

ヒメが横になるのを嫌がって、

 

必死にスカートで足を隠しはじめました。

 

 

 

 

 

ん???????

 

何だこの行動?????

 

 

 

 

 

「どうした?お傷見えたら怖いの?」

 

「ちがう…」

 

「じゃあどうしたの?裾が伸びるからやめて笑」

 

「だって…ヒメみんなにだいじょうぶっていわれたくないんだもん。」

 

「テープみえるのいやなんだもん!スカートいやだ!」

 

 

 

 

 

涙ぽろぽろ。

 

 

 

 

 

…………………

 

 

 

 

あちゃー。やってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

どうして気がつかなかったのか…。

 

 

 

 

 

 

ベビーカーに乗っているときにはいつもタオルをかけてたから、スカートを履いていても、足にある無数のテープを見られることがなかったんです。

 

 

 

だいたいベビーカーのホロを下ろしていたので、

帽子をかぶっていなくてもおでこのテープにもあまり気がつかれませんでしたし。

 

 

 

 

 

そして何より、

 

一年の月日の中でヒメの心が成長していたんですよね。

 

 

 

 

 

女の子の特性なのか、ヒメが年齢のわりに早いのか、

 

人から見られることに対する意識も高い方だってことはわかっていたのに…。

 

 

 

 

自分のおでこを鏡でじーっと見たりしているときもあります。

 

 

手術は怖いけどアザも取りたいから最後に頑張る!って、今回はヒメなりに心の準備をして一生懸命頑張ってくれたんです。

 

 

 

 

 

 

なのに、私ときたら。

 

母親のくせに一体何をしているのか。

 

 

 

 

 

脳内お花畑か?

 

 

 

 

 

 

そうだよね。

 

ヒメは褒められたからって別に嬉しいわけじゃないよね。

 

 

傷を見て、声をかけられること自体が嫌なんだよね。

 

 

 

いろんな人からの視線にも、

 

ヒメは気がついているのかもしれません。

 

 

 

 

 

この三年半の中で、

 

声をかけられることにすっかり慣れてしまっていました。

 

完全に私のミスです。

 

 

 

 

 

 

状況判断ミス。

 

ワンピースを着たいと言っても、

 

ちゃんとズボンやレギンスを履かせるべきだった。

 

 

 

 

そしてヒメの気持ちを察せなかったこと。

 

いつも人からだいじょうぶ?って聞かれて嬉しいわけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒメのアザも、傷も、

 

隠さなくちゃいけない

 

ものじゃない!

 

 

 

 

 

っていう私の思いを、

 

無意識にヒメに押し付けていたのかもしれないです。

 

 

 

 

 

そこには、ジロジロ見てくる世間への反発心や意地みたいなものすらあったように思います。

 

 

 

 

 

私は私。

 

ヒメはヒメ。

 

 

 

 

娘はつい自分の分身のような気がしてしまいますが、

 

そうではないんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

手術が終わって2週間。

 

 

 

 

 

 

幼稚園に復帰していますが、

 

ヒメは今ずっと、制服の下にレギンスを履いて登園しています。

 

 

 

 

こちらとしては雑菌から守れて、

 

テープが剥がれるのも防げてありがたいのですが、

 

実際のところ履いている理由は、

 

 

 

「おともだちにどうしたのってきかれたくないからズボンはいていきたいな。」

 

 

とヒメから要望があったからです。

 

 

 

 

 

プライベートでは、

 

ハイソックスを履いてスカートを履いたりしていますし、

 

もうすぐタイツの時期ですし、

 

やっぱり家族とか、前から知っている人の前だと気にならないようです。

 

 

 

 

いつもの明るさや元気さはあるのですが、

 

 

やっぱりあの小さな体の、

 

 

小さな心を傷つけてしまったのかと思うと胸が痛いです。

 

 

 

 

 

 

母、猛省中です。