夫婦や親子で二人並んで使える洗面カウンターが欲しい!
でも予算はなるべく抑えたい!
そんな時、こんな風にしてはどう?という話。
前回の記事で、Y妻さんちの洗面化粧台付近の話をした。
あれこれ踏まえY妻さんちは、巾75㎝の洗面化粧台の横に巾1.3mの造作カウンターを提案したんだけど…
今回は、この洗面横のカウンターについて掘り下げてみようかと。
幅広の洗面カウンターが欲しい場合、カンタンに言うなら…
- 巾75㎝(または90㎝)の洗面化粧台+造作カウンター(サイズは自由)
- 巾160~180㎝程度の幅広洗面化粧台
ざっくり分けるとこの2択かな、と。
それぞれ良し悪しがあるし、何を判断基準にするかなど好みもあろうかと。
今回は、これらの参考になれば…と、掘り下げた話である。
本題に入る前に…
間取り相談で拝見する間取りの大半は「既製品の洗面化粧台」で、時々「造作の洗面化粧台」という感じである。
既製品の洗面化粧台は、洗面ボウルだけでなく、ミラー収納(不要ならミラーだけにもできる)、照明器具、コンセントまで、すべてセットになっている。
子供から大人まで家族が毎日何度も使うし、今後使う年数を思うと、メンテナンス性に優れる既製品がいいんじゃない?と個人的には思っている。
今どきの既製品は、一昔前に比べオシャレで、パーツごとの種類も豊富で組み合わせも自分流にアレンジできるものが多い。
プライベートな場所に置くことが多いので、ここであえて個性をアピールするより掃除のしやすさやメンテナンス性を重視した方がいいのでは?…と思う派である。
一方、造作も「メンテナンス目線」で見た場合、「木製のカウンター板に洗面ボウルを載せたのもの」なのか?「カウンターとボウルが一体になった半分規格品」なのか?で差がある。
また、造作洗面は、カウンターに加え、水栓、鏡周り、照明器具などが「セット品」ではないため、個々にどれにするか?決める必要がある。
いずれにせよ「長期的なメンテナンス目線」で自分が「問題ナシ」と思えるなら、どちらでもいいんじゃない?と、私は思っている。
…が、今回は「既製品の洗面化粧台」の話。
今回、Y妻さんちの洗面台には、巾75㎝の洗面化粧台+巾130㎝のカウンターとしてはどうか?と提案した。
Y妻さんちではないが、ほぼ同じように作った別物件の画像がこちら↓(前回も貼ったけど)
↑この画像の洗面台は巾75㎝で、造作カウンターの巾は135㎝なので、ほぼY妻さんちと同じである。
このような「巾75㎝の洗面化粧台」に「カウンター板1枚(別途「受け材」必要)」を足すだけで比較的お値打ちに施工できる。
が、欠点が1つ。
洗面台とカウンターに「継ぎ目」ができること
「洗面台」と「横に足すカウンター」との間には当然ながら継ぎ目ができる。
継ぎ目には水が入るのを防ぐためコーキングを打つが、両者を同じ高さにすると、ここに水が載った状態になりやすい。
↓こんな感じで…
水が載った状態が続くと、ピンクのヌルヌルが付いたり、カビの原因となる。
我が家にも類似の場所があるが、イラっとするポイントの1つだ。
水なんて拭けばいいじゃん!と思うかもしれないが、
自分以外の家族が同じように拭いてくれるか?
そもそも自分も毎回拭くか?
という部分もある。
しばらくぶりに…ふと気づくと「彼ら」は鎮座しているものである
もし、コーキングのカビ問題を少しでも回避したいと思うなら、「洗面台と同じ高さ」を避けるとよい。
少し低い位置にカウンター(または高くする)とするなどして、コーキングの位置をズラすとよいかと。
または、あえて少し離してカウンターを設けるという手もあろうかと。
そうはいっても…
高さも揃えたいし、コーキングもイヤだ!という場合はどうしたらいいのか?
ビルダー標準品である洗面化粧台に「カウンター板を足すだけ作戦」は、比較的安価でいいかもしれない。
が、コーキングや段差があるのはイヤだ!と言う場合は、幅広の洗面化粧台になろうかと。
当然、洗面台の幅が大きくなるのでコストアップにはなるが、カウンターとボウルが一体なので継ぎ目問題はなくなる。
例えば、間取り相談で「ビルダーの標準品」としてよく選択されている物のひとつにリクシルの「ピアラ」がある。
↓リクシルの洗面台一覧表をみると価格帯がわかりやすい。
【リクシル 洗面化粧台】
一番お値打ちなピアラは、↑この表の一番右↓(←ちなみに我が家もコレ)
価格帯は比較的安価だが、メンテナンス性がよく、パーツごとの組み合わせもいろいろ選択できる優れものだ。
ただし、最大横幅は90㎝までとなり、それ以上の幅広には対応していない。
「幅広の一体カウンターが希望」となると、最大幅185㎝まで設定のある「ルミシス」。
ただし、価格も最大級である
予算にゆとりがあるなら、巾だけでなく各所に高級感も兼ね備えた、これらの製品も選択肢になろうかと。
が、予算に限りのある場合、価格はなるべく抑え気味ですすめたい…
こういった場合、最近おすすめしているのがパナソニックの「シーライン」という商品である。
パナソニックには、メインの洗面台向け製品は4つのグレードが存在する。
↓シリーズごとの価格帯を示す
↑シーラインはこの位置づけ。比較的安価な価格帯だ。
おすすめポイントは、比較的安価な価格帯の割に「幅広のカウンター」にも対応している部分。
カウンターの最大寸法は1,700㎜。
ただし1,700㎜の場合、ボウル巾は90㎝(900㎜)となるので、ボウル巾75㎝(750㎜)とするなら、カウンターの最大幅は1,625㎜である。
仮にY妻さんちにコレを入れた場合、提案した「+造作カウンター」と、どんな違いが出るか比較してみる。
Y妻さんちに提案したモノはこれ↓
洗面ボウルの幅は同じ75㎝のままで、一体カウンターの最大1,625㎜巾の「シーライン」にすると↓こんな感じになる
Y妻さんちに限っての話だが、カウンターが一体なのは魅力的だが、カウンター部分の幅が小さくなる部分はちょっと減点ポイントかと。
カウンター下に置けるものが少し減ってしまう。
とはいえ元々の計画が、カウンター全体の幅で160㎝前後のケースなら、かなりいい感じだと思う。
定価で…となるが、参考までに価格のお知らせを。
仮に「75㎝洗面台+造作カウンター」と「75㎝洗面台ベースの一体カウンター」で比較してみると…
まずはおさらいで↓価格帯の確認から…
【パナソニック 洗面化粧台】
一般グレードで巾75㎝なら、エムラインあたりが標準品になるかも…と↓
↑これに造作カウンターの分を足すだけ。
カウンター板1枚がどのくらいするか?は材質や設置方法にもよるけど、数万円程度で済むんじゃないかと。(←引出などを付けると一気に高額になるので注意を!)
巾75㎝洗面台ベースの一体カウンターとしたシーラインだと↓
↑写真は全体巾120㎝だけど、現場で不要な部分をカットして使うので、金額は同じかと。
当然ながら、そこそこの金額になるけど、継ぎ目なしの一体カウンターの割にお値段は抑え気味かと…(ビルダーさんの値引きに期待!)
ちなみに…最上級グレードのラシスの場合、サクッとこのくらいかな↓
さすが最高級グレード、ちょっとした車なら買えるかも
ビルダー標準品の洗面化粧台、巾75㎝(90㎝)よりも少し巾を広げたい!
ただし、なるべく安価に、メンテナンス性もよく…と思う場合の提案2つ。
①ビルダー標準品の巾75㎝(90㎝)洗面化粧台+造作カウンター(サイズは自由)とする案
・メリット…比較的安価で、好きなサイズのカウンターが設置可能。
・デメリット…洗面台とカウンターとの継ぎ目問題アリ。
②巾75㎝洗面ベースの最大巾162㎝のパナソニック「シーライン」を採用する案
・メリット…ボウルとカウンターが一体とでき、継ぎ目問題がない。
・デメリット…幅162㎝(←ボウル75㎝の時)または170㎝(←ボウル90㎝の時)が横幅の限界。
あなたの間取りで、洗面まわりを少し広くしたいなとお思いの場合、これらが判断材料の一つになれば幸いです。