こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

 

円形脱毛症にまつわる話の中で『何かがあって3か月後に抜ける』だとか『3か月前の状態が今に反映している』などというお話を聞いたことはないでしょうか。

本日の記事はこの3か月前とは一体何なのか。

これを検証してみたいと思います。

 

 

 

と、その前に大前提として円形脱毛症の基本事項を確認しておきます。

基本事項と云っても色々あるのですが今回の記事の内容的に押さえておきたいポイントは一つ。

円形脱毛症において脱毛部の種類を大きく括ると単体とびまん的な抜け方があります。

びまん的なものは境界不明瞭な範囲で頭皮の髪が少なく成ります。言い換えれば髪の密度が低くなり頭皮の肌色が露出してしまいます。

ADTAFS(アタフス)などはこちらと言えそうです。

 

そしてもう一つの単体で現れる場合なのですが単発性から多発性・蛇行性・汎発性のどれにも当てはまります。しかしこれらの脱毛型で見受けられる大きな脱毛部の殆どの場合が多発融合であると思います。

これは大きな脱毛部は単体の脱毛部では無くて複合体である意味です。

どのような事かといえばいかに大きな脱毛部で頭皮の半分以上が抜けてしまったとしてもたいていの場合はいくつかのそれよりも小さな脱毛部が融合して大きな脱毛部を形成しています。たった一つの毛分かれ部分が徐々に大きくなって頭皮の半分程度の大きさに相当する脱毛部が形成される事は非常に稀であります。実際に治る様を見てみると小さな脱毛部の境目と思われる部位に産毛が生えてきて当初現れた脱毛部の形を再現する事が頻繁に見受けられます。

本日の記事はこの面積的に最小単位を形成する脱毛部の話です。

 

 

では話を進めます。

本日はとりあえず3つのケースを見てみたいと思います。


まずはケース1。

位置は後頭部左側。ここもよく脱毛部が発生する場所です。

患者様は多発型です。大き目な脱毛部がいくつも存在していたが経過も良くそれらの大部分から発毛して治る最中に現れた小規模な脱毛部です。当初は皮膚科でステロイド注射の治療を受けていましたが画像1撮影の2か月ほど前に自主的にお止めになっています(私がそうお勧めしたわけではありません)。

それでは見てみましょう。

この小さな脱毛部は毛分かれしていた状態の時から9週間後まで拡大していましたが、画像3の時以降は大きくなっていません。よって9週間で拡大が止まったと言えます。

蛇足ですが様々な治療をして功を奏している状態でも画像1のような小さい脱毛部が発生する事は誰でも普通にあります。調子が良いから「治った」と云うわけではないのです。あくまでも現在調子が良いというだけです。それは逆に調子が悪い時もいえることです。あくまでも現在調子が悪いというだけ。もう「治らない・回復しない」という事ではありません。この様なせめぎあいをしながら全体として脱毛面積が減少していくのが通常の治る過程です。

ちなみに画像3撮影の5か月ほど後にすべての脱毛部が消失しています。頭皮のどこを分けても脱毛部が無い状態です。

 

 

 

ではケース2

こちらも多発型です。左側頭部に生じた脱毛部です。

ケース1よりもずっと小さいプチトマト大の脱毛部が全頭に散在している状態です。15年程度そのような状態が続き、以前は皮膚科でステロイド内服などの治療をされていたようですが当院へご来院された際には既に何も治療はされていませんでした。

こちらのケースは

当院で施術中に新たに発症した脱毛部です。

画像5は脱毛部全体から産毛が生えだしているが面積的には画像4が最大だった。画像3と画像4の違いは脱毛部生え際より内側の数本の髪の有無である。細かい事だが面積的には画像4が最大といえる。画像1から画像4に至るまでに要した期間は12週間で3か月である。

ちなみにケース2の患者様は脱毛部が増えたり減ったりしながらもご来院より2年半程度で全頭における脱毛部なしの状態に至った。

 

 

ケース3

こちらは蛇行型に成りかけの状態でご来院されました。画像1はご来院2回目に撮影したもの(当院では基本的に2回目から画像撮影します)です。画像は左の耳上です。この他にも耳の後ろと襟足に大きめの脱毛部があり、そして頭頂部もびまん的に抜けだしている状態でした。治療は皮膚科でセファランチンとグリチロン、塗り薬はデルモベートを処方されていましたが画像2と画像3の撮影時の間に思うところあり、お薬はお止めになられました(私が勧めたり誘導したわけではありません)。

耳の上も蛇行型では必ずと言っていいほど抜ける部位です。しかも耳前方の上部に生じる脱毛部の形は誰の頭でも脱毛部の形が非常に酷似します。蛇行型はネットの情報からとても治りにくい等の思い込みをされる方が多いです。もちろん手強い事に変わりはないのですが治らないわけでは無いと強く思います。

そしてこちらの脱毛部の最大面積に達するまでの期間は画像の通り2か月程度でした。

ちなみにケース3の方は初来院から9か月で全頭において一つの脱毛部も無い状態になりました。

初来院された時はなかなか激しい抜け方をされていましたが結果としては随分早い回復だったと思います。

 

 

 

ケース1から3までで観察した結果は

1つの脱毛部が発生して最大の面積に達するまでにかかる期間は

凡そ2~3か月である事でした。

本日の記事ではたった3ケースしかご紹介していませんが(画像を探すのが思いの外大変だったから)、普段多くの円形脱毛症に接している身としては感覚的にも合致する結果です。

 

 

 

 

 

こうなると冒頭の世間で言われる『3か月前の原因が云々』という話はあながち間違いではないと言えそうです。しかし世間で言われている『3か月』のイメージとしては主に強いストレスがあった3か月後に円形脱毛症が発症し始めるという意味で語られる事が多いように思えます。

この件について私の見解は『それは無い』です。

これはどうしてかというと本日の記事同様に過去記事『潜在的脱毛部』でも明らかにしましたが一つの脱毛部が頭皮に現れる際、どのような脱毛部も必ず最初は小さいものから始まります。急か急でないかはそれぞれですが、脱毛部の最初は必ずやや広い分け目のように見えるものです。その分け目がジワジワと広がって一つの脱毛部の形を形成していきます。そうしてある一定の安定感のある形に落ち着くのに要する時間が今回検証したように2~3か月なのです。

何かがあってから暫くは何も無いが3か月目に時限装置が起動するように髪が抜け(切れ)始めるわけではないのです。

誰でもそうなのですがまだ脱毛部が生じて間もない太い分け目状態の時はほぼ誰もその存在に気づきません。小さすぎて触ってもわからないし、前髪のど真ん中のように余程目立つ場所でもない限り見つけ出すことも無いでしょう。2~3か月経過して脱毛部の大きさがある程度目に付くようになって初めてその存在に気付けるのです。その時に2~3か月前に何かあったと思うのは間違いではないと思います。


実際にケース1とケース2の画像1撮影時にはご本人は気づいてない状態でした。ケース3はこのあたりの抜け毛が多いと感じられてはいました(頭皮全体からも抜けていた為)。

誰でも特に初めて円形脱毛症に罹った時は『見つけた時点が発症した時』と思い込みがちですが、実際はそれ以前に既に症状が小規模ながら存在していたのです。ただ、見つからなかった。

 

何度も繰り返しますが何か大きなアクシデントがあって「3か月後に抜け始める」は間違いに思います。怖い話ですが経験則として抜け始めるのはアクシデントから遅くても数日以内だと思います。

 

  • 小規模な脱毛症が発症してから大きく成長しきる迄に凡そ2~3か月の時間を要する
  • またその位の時間が経過しないと大きさ的に脱毛部の存在に気づく事が少ない
この様に結論づけたいと思います。

良ければ参考にしてみて下さい。

 

 

 

<参考過去記事>

 

 

 

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