こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
円形脱毛症の一つの特徴として発症した脱毛部の頭皮の色調が赤っぽくなる事があります。
本日の記事はこれに関して私の最近の仮説を書いてみたいと思います。
※記事は炎症をテーマに書いていますがあくまでも円形脱毛症について私の思う特殊な可能性であり、他の様々な病気について一般論的に論じているわけでは無い事を大前提に読んでみてください。
世間一般的には円形脱毛症はまだまだ免疫異常説が主流です。
免疫が異常を起こして髪を攻撃してしてしまうから切れる、抜ける、生えない。という一連の現象が生じるとされているわけです。
私のブログを読んでいて下さる方々は私の主張として円形脱毛症の主な原因は免疫異常ではなく髪本体(毛包や毛母のある毛根)の不具合であり、免疫が関わっている側面は代謝過程において異常が生じている異常毛髪を処理する免疫の当初からのまっとうな役目の一部が病気(異常)として人の目に捉えられているか、本当に免疫が異常な場合も有るかも知れないがそれはマイナーなケースであると私の書いた様々な記事で読んだ記憶があるかも知れません(あって欲しいです~)。
ではどうして免疫が毛根を攻撃していると世間で考えられているのか。いくつかの理由があるとは思いますが今回の記事のテーマに絡めた部分をその中から1つ書けば、それは頭皮の『赤み・発赤』からだと思います。
免疫が一生懸命に身体の一部を直そうとしている反応を「炎症」と呼びます。そして起きている事が炎症と認定されるためには以下の条件が必要なのです。
1つ目は発赤。その部分が赤くなる事です。
2つ目は疼痛(とうつう)。痛みの事です。
3つ目は発熱。その部分が熱を帯びるわけです。
4つ目は腫脹。腫れます。
5つ目は機能障害。シッカリと働かなくなります。
この5つをもって炎症の5兆候と呼びます。
さて、円形脱毛症はどうでしょうか?
1つ目の発赤は本記事のテーマでもあり条件クリアですね。2つ目の疼痛はある人と無い人がいますから△です。3つ目の発熱はむしろ逆?実は直接計った例が少ないのです(恥)が頭皮の皮膚温は他の頭皮よりも低いと言われたりしていますね。よって△とします。4つ目の腫脹はマイクロスコープで観た時に皮膚が突っ張っているケースがある場合とない場合がありますのでこれまた△。5つ目の機能障害は髪が生えてきていないのですからクリアです。
5つの内2つがクリアで他3つは不明です。他3つが全部ない場合もあるし1つ2つまたは全部ある場合も有る。
ここから脱毛部に生じている現象は炎症と呼んでも良いように思えます。
ではこの炎症、消炎すべきなのか否か。
これを考える際に免疫異常説の罠があるのです。
免疫異常説の場合はとにかく免疫がオカシイ。そのオカシイ免疫が引き起こしている炎症なのだから即刻消炎(免疫抑制)すべきだ!と成ります。
ですが本来炎症ってどうして身体に生じるのでしょうか。
身体を治す為に免疫がわざわざ体力を消費して引き起こしているのが炎症なのです。
どこか損傷した部位を治す為に血管を拡張して(発赤)、意識に損傷したことを知らせ(疼痛)、細胞の修復作業効率を高める為免疫が体温を上げます(発熱)、修復材料の流通をよくする為血管が拡張し(腫脹)て身体を治します。その間はそこの組織がまだしっかりと働きません(機能障害)。
先ほどの炎症の5兆候です。
あまりにも強すぎる炎症は生命維持に問題が生じたり逆に治癒を遅らせてしまう事もありますが、基本的に炎症は身体を治す為に生じているのです。
wikipediaの炎症を読んでみてもそう書いてあります。
ここでもし免疫が異常なのであれば、炎症の5兆候が現れている間は悪い免疫が攻撃を続行している事に成るのですから何が何でも炎症を鎮めなければなりません。
ところが過去記事『逆である』で書きましたが脱毛部から髪が生えてくるとき、皮膚の色は赤い状態で生えてきます。青白くなるのは生えて来た産毛がドンドン成長し始めた後なのです。脱毛部の発赤が鎮まって頭皮が青白くなってから髪が生えだすわけではありません。過去記事『逆である』を書いた以前も現在も変わらない事実です。
ココから分かる事は炎症中に髪が生えだす事。免疫異常説では異常な免疫がバンバン髪を攻撃している最中(頭皮が赤い)に髪が生えだす事に成ります。
アレッ?何か変じゃない??
つまりは赤い頭皮から髪が生えだす事実を鑑みると免疫異常の可能性はグッと低く成ります。
やはり炎症は身体が治ろうとしている現れだったのです。
炎症は免疫異常とは限りません。炎症が悪い事と断定してしまいやすいのは従来からのイメージの問題です。
記憶として昭和の頃は風邪で発熱すれば些細な熱でも解熱剤などが使われていました。現在ではどうでしょう。特に子供の発熱などの場合でも40度を超して初めて解熱剤が考慮され始めるように思えます。それまでは免疫が戦っている証拠として手出ししない事が多いのではないでしょうか。良く成る為に敢えて身体に任せているわけです。炎症に対しての意識の変化と云えそうです。
そこから私の思う事として大半の場合、
円形脱毛症≒炎症≠免疫異常
が言えると思います。
ここで当院にご来院いただいている方の貴重なケースをご紹介いたします。
この方は多発型円形脱毛症の鍼灸治療中の方です(こちらは経過良好です)。
そして普段の生活の中で足を強打されました。当然強打した部分は赤く腫れました。腫れた部位は組織が強打したことによって壊れたのでしょう。
この画像は強打した1週間程度後の経過です。強打した部分が赤くなっています。
炎症しているとみました。
足の体毛の処理をされているのですが発赤した部分のみ体毛の伸びが良いのです。周辺をカミソリで同じ時刻に処理をされるので、どこも一様な伸び方を予測しますが、画像の通りです。
発赤した部分のみ体毛の伸びが良いし太くもなれる。
強打した患部は発赤しているので炎症したとみて良いと思います。炎症の5兆候で見たように炎症は身体の修復のためにおこなわれるのです。その流れでこの画像の現象は血流が良くなって体毛の伸びが良くなったと解釈できますし、逆にそれ以外の理由が思いつきません。湿布もされていません。
この足の発赤部と円形脱毛症の発赤部の違いは毛根(毛包や毛母細胞)が健全か否かなのだと考えています。
あなたはどのように思いますか?
実際頭が痒くてで頭皮を掻き壊してしまったりした場合、掻いたことで髪は爪によって物理的に切られてしまいます。ですが掻き壊した傷の周辺から髪が生えだしたりするケースは時折見受けられます。程度問題なので掻き壊しましょうとは言いません。ですが掻く事をはじめとする刺激は血流の刺激と成り髪の成長に何らかの影響を与える事はありそうです。
こうなってくると鍼灸での梅花鍼など昔ながらの刺激療法のエビデンスとしても発展しそうです。
ちなみに炎症の5兆候を先ほど書きましたが、血管拡張の発赤の前には逆に血管が収縮する事も確認されています(出典:wikipedia炎症)。
脱毛部が現れだす前に頭皮が痛むケースがあります。これなどは既に成長しなくなった毛根周辺(まだ抜けていない)で炎症が始まりだし、血管収縮で虚血をおこした部位の痛みを感じているなどという現象なのかも知れません。
脱毛部の発赤は悪い現象では無かった。
むしろ身体が治ろうとして起こしてくれた現象だった。
カラダ、ありがとう!
……、このようなオチの可能性も考えられます。
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どうでしたでしょうか。
円形脱毛症に成ると自分の意に反して髪が抜けて行ってしまいます。
そうなると、どうしても自分の身体はダメダメだ、身体に裏切られたと誰もが思ってしまいがちです。
ですが自我ではそう思っていても最大の協力者、理解者は実はダメだと思っていた自分の身体だったのです。
最後の最後まで自分に寄り添ってくれるのは自分の身体だった。
このような事も本日の記事で読み取っていただけると嬉しいです。
そして今回の記事は基本的に西洋医学的な視点で書いています。
東洋医学上では少しだけ視点の位置が異なるかと思います。
東洋医学的視点からの考察については時期は未定ですが改めて書きます。
良ければ参考にしてみて下さい。
参考過去記事
えっ?でもステロイドで発毛するじゃん。
そう思われた方には↓
えっ?頭皮が赤いのはダメんじゃないの?
と思われた方は↓
円形脱毛症って代謝異常なの?
と感じられた方は↓
最後の部分で少し良かった(笑)と思われた方は↓
↓日々のケアに
届いたら油を指すことをお忘れなく!
↓古典的伝統的な頭皮施術用具です
↓頭皮が荒れて痒い時にも良いと当院で口コミあり
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此方も見てみてください!
円形脱毛症の事がまとめてあります。
そしてあおい堂鍼灸院は
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