こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

 円形脱毛症は形成された脱毛部の数や形によって単発や多発性、汎発性などの名称で呼ばれています。その中でも比較的有名なのが蛇行性(だこうせい)です。これは脱毛部の形成される場所が基本的には生え際になるものです。下の図の黄色く塗られている部分の大半が抜ける円形脱毛症です。黄色く塗られている部分の一部が抜けただけでは蛇行性脱毛とは呼びません。初めて円形脱毛症に成られた方で蛇行性の範囲内に数個の脱毛部が出来たことで自分は蛇行性だと思い込まれている方も多いのですが、その時点ではまだ蛇行性と決まったわけではありません。

そしてこの蛇行性脱毛なのですが様々なケースを見ていくと結構共通している事が多いと感じます。蛇行性はこう言っては何なのですが、抜け終わった後は良くも悪くも症状が安定しやすいのです。上記の黄色部分が抜けた後は頭頂部に新しい脱毛部が形成されにくい様に思えます。この点は異議を持たれる方も多いと思いますがあくまでも不規則な脱毛部が多発性のような感じで頭頂部に形成される事が少ないという意味です。特に前頭部に関しては蛇行性の生え際は最終的に定規で線を引いたように真っすぐな生え際を形成します。そしてその状態で安定しやすいのです。これは良い意味でとらえれば頭頂部の髪は無くなりにくい事ですし、悪い意味では単発などに比べて症状が固定してしまい、改善し始めるまで時間を多く要する傾向が有ると言う意味でもあります。

 

このような蛇行性脱毛症ですが、私の経験から言えば特徴があります。そもそも蛇行性という特徴的な脱毛部の形成なのですが、その後の経過にも案外共通項があるように思えます。本当は良い事を書きたいのですが良くする為には悪い事の観察から研究を始めなければならないので知識として知っておく事も必要だと感じ、敢えて書きたいと思います。

 

蛇行性の悪化兆候についてです。先ほども書きましたが蛇行性は脱毛面積は大きいながらも症状は比較的安定していると思います。しかし何かのきっかけで悪化し始める事があります。その時、多くのケースでは以下の様な経緯を辿ります。

前頭部の直線的な生え際がだんだんと崩れていきます。左側頭部は比較的お顔に近い部分にお顔の方からつむじ方向を目指すように曲線的なえぐれが生じます。右側頭部は左側に比べて後方の耳の上辺りからお顔の有る前方へ向かって直線的なえぐれが生じてきます。

これが悪化兆候の第一段階です。えぐれが大きく成り続けるケースもありますし、ある程度のところで止まることもあり予後が良いか悪いかは残念ながら個別判断に成ると思います。

 

そしてまだ悪化兆候が止まらない場合はどうなるか。今度は髪の毛の有る正中線上に脱毛部が生じ始めます。これもおおよその出現部位の傾向があります。以下の図の場所です。

上図の1,2,3の部分です。順番としては1が最初、次が3番、そして2番の順番に小さな脱毛部が形成されて行くように思えます。そして悪化が止まらずにいた場合はこの123が融合して馬蹄脱毛(過去記事参照の事)が形成されていくのが蛇行性脱毛のテンプレートであるように思えます。

 

なぜこうなるのか?

西洋医学ではどのように解釈するのか分かりませんが、東洋医学的には理由をつけることが可能であると思われます。それはやはり経絡(けいらく:気の流れる道筋)であります。この蛇行性脱毛を考えるにあたり一度症状の特徴を整理してみましょう。

 

まず蛇行型最大の特徴は側頭部が大きなダメージを受ける事です。側頭部を流れる経絡は足の少陽胆経(あしのしょうようたんけい)、手の少陽三焦経(てのしょうようさんしょうけい)が有名ですがそれだけではありません。経別(けいべつ:気の流れの一種)や経筋(けいきん:東洋医学上の筋肉的な気の流れ)も含めると足の太陽膀胱経や足の厥陰肝経も含まれます。つまり蛇行性脱毛はこれらの気の病変の一部と捉えて差し支えないと感じます。では病んでいるのは一体どの気か。蛇行性脱毛はもともと側頭部が中心なので少陽経である事は分かりやすいですが胆経か三焦経かが問題です。

……と、ここまで書きましたが結論は少陽胆経です。1から書くと記事として長くなり過ぎるので、この辺のところは下の過去記事を読んでみてください。

 

 

 

そして少陽胆経に最も深い関連性のある期の流れは肝経です。つまり先ほど蛇行性脱毛の悪化兆候の第一段階として書いたものは厥陰肝経の流注(るちゅう:気の流れる通過点)と考えます。

(臓腑経絡学:アルテミシア出版 藤本蓮風著と経絡流注講義 医道の日本社横田観風著より抜粋)

上の図から言えば目の際を通過した厥陰肝経が頭頂部の百会(ひゃくえ)と呼ばれるツボに至る道筋は悪化兆候の第一段階、特に左側頭部の部分と一致すると私は思います。では右は何か。こちらはまだ良く分かりません。候補としては少陽胆経の経筋か少陽三焦経の経別、または厥陰肝経の勢い余った場所か、……など候補はありますが現時点ではまだ分からないのが正直なところです。

 

そして悪化兆候の第二段階です。今度は正中線上に脱毛部が発現します。場所はツボで言うところの上星
(じょうせい)、前頂(ぜんちょう)、百会(ひゃくえ)の少し左側です。これらは督脈(とくみゃく)と呼ばれる経脈上にあるツボです。督脈と言うのは陽気(ようき)と呼ばれる気の中でも身体を温めるような、身体の外側に関わるような気の種類を統括するとされる気の流れ道です。そこに脱毛部が出現するという事は気の中でも陽気が損なわれていることを暗示します。ここらに脱毛部が出現するという事は気虚(ききょ:気の不足)と捉えて良いと思います。つまり先ほども参考過去記事で出ましたが馬蹄脱毛の形成理論で言うところの気の落ち込みが生じた結果と捉えています。

 

 

 

蛇行性脱毛はこのような感じで進行します。

さんざん悪い事、怖い事を書きましたが、ではどうすれば良いのか?

どうすれば良くなるのか?

手は無いのか??

 

 

 

 

 

 

 

あります。

 

 

 

 

 

 

それは、お灸です。

 

私の経験上、今はかなりの確信を持って言えます。

上記悪化の第二段階で抜けるとされた場所にごく少数のごく弱いお灸を据えます。

今のところ、これに尽きます。

 

 

 

頭にお灸を据えると気が突き上げます。蛇行性脱毛は過去記事でも気の突き上げと書きました。それを読んで気を突き上げたらいけないんじゃないの?と疑問を持たれた事でしょう。その通りです。お灸を頭にすれば基本的に気を突き上げる結果に成ってしまいます。なのでごく少数ごく弱いお灸なのです。専門的に言えば糸状灸(しじょうきゅう)です。私はせんねん灸は使用していないのでこの場合の効果の程は分かりません。私のオススメは点灸でしかも糸状灸です。これを全部で10壮以下です。これ以上すれば気が突き上げ過ぎです(勿論、弁証によった体質改善の上での施灸です)。

 

お灸を脱毛部に据えるとお灸の周りが発赤します。これはお灸の熱によって気が来て、血(ケツ)も来た結果です。以前何処かの記事で書きましたが『気(キ)は血(ケツ)の師(シ)なり』です。意味は血が来る前には必ず気が来ている、言い換えれば血が来るためには気が来ていないとダメ、です。督脈上に気虚が生じているならば気を呼ばなければならない、同時に髪を生やすならば血も必要。この二つを同時に満たすものは弱いお灸がうってつけなのです。

 

 

 

どうでしたか?

良ければ参考にしてみてください!

 

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