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逢海司の「明日に向かって撃て!」

ご注意下さい!!私のブログは『愛』と『毒舌』と『突っ込み』と『妄想』で出来上がってます!!記事を読む前に覚悟を決めてくださいね(^^;。よろしくお願いします☆

『リボルバー』(著/原田マハ)

 

 

「アート史上最大の謎に迫る、著者渾身の傑作ミステリ」という評価に惹かれて手に取った。

以前から原田マハ氏が美術に造詣が深いということは聞いていたし、美術に特化した専門的な著作が多いことも知っている。

過去に一度読んだ原田氏の作品はアットホームな家族の物語で居心地よく読みやすい作品だったので、そこまで美術に詳しくなくても読めるかなと油断した。

 

読んでみて美術やアートに詳しいというより、美術やアートを愛している方なのだと考えを改めた。

美術に疎い私には知らない言葉・用語が多く登場したが、通して読めば意味を察することが出来るように描かれている。

読み物としては読みやすいが、美術への愛の熱量が違った。

 

本編はゴーギャンとゴッホの関係性と、ゴーギャンの隠された子供や孫たち血流の物語であった。

ゴッホが自死に用いたリボルバーがあるオークションハウスに持ち込まれたことから物語が始まる。

このリボルバーの真偽を追い掛けているうちに過去に何があったのか明らかになっていくのはミステリーと言えるけど、殆どがゴーギャンの曾孫にあたる人物の独白で暴かれるのは私が求めてるミステリーと違った(^▽^;)

(それと過去の人物の告白部分が長い)

 

またゴーギャンがタヒチでまだ少女のような年齢の現地妻を何人も娶っていたことに幻滅した。

先日読んだ『しあわせガレット』にもゴーギャンが登場して、そのときは鷹揚としたイメージを抱いたがこの事実を知って鼻白んだ気分になった。

当時の常識が今とかけ離れているから仕方ないと言えばそうなのだが…。

 

美術史やゴッホ、ゴーギャンが好きな人には面白い作品だと思う。

終わり方も綺麗に纏っていて読後感は清々しい。 ぼんやりとしかポスト印象派のことを知らなかった私には大変勉強にもなった。

何より、美術を愛する人達の真摯な想いが伝わる一作である。

じっくりとアートの歴史に向き合い方はぜひ。

 

コンビニのクイニーアマンパンの食べ比べを到達したつかささんです。

全種類制覇したので次は特に気に入ったパンを購入しようと自宅近くのファミマに行きました。

ルンルン気分でパンの棚を見たのですが、食べたかったアップルパイ&クイニーアマンパンがありません!

それどころかクイニーアマンシリーズがメロンパン一つしか残ってないのです。

 

嫌な予感がします。

 

人気があり過ぎて売り切れ、なら良いのですが、棚には他の菓子パンがビッチリ並べられクイニーアマン&メロンパンは端っこに追いやられているではありませんか。

ここで悩んでいても仕方ないのでラストのメロンパンを購入して店を後にしました。

 

そして今日。

職場の都合でファミマに行く用事があったのでついでにパンの棚を覗いてみたのですが。

やはり、ここでもクイニーアマンシリーズは一つも並んでいませんでした_| ̄|○ il||li

 

そうだよね、CMでは3つの食感のチョコパンを大々的に宣伝してたもんね〜〜😢

短い付き合いだったけど、美味しい時間をありがとう、ファミマのクイニーアマンパン。

明日からはローソンに行くよ(←ヒドっ)

 

というわけで、最後になんとか購入できたメロンパンがこちらです。

ゆっくり味わいながらたべたよ(´;ω;`)

 

 

 

 

 

(でもファミマのアップルパイ&クイニーアマンは格別に美味しかった。アレだけでも再販してくれー!)

週末は久しぶりに渋谷にお出掛けしました。

土日だし人は多いだろうと予測はしてましたが、湧いてるのかと思うくらいの人混みにタジタジ。

しかも日本語より外国語のほうが多く聞こえてくる!

勤め先付近も外国人観光客が多いけどそれ以上の頻度でしたよ。


で、人混み苦手なのに渋谷に出て来た理由はコチラに行きたかったからなのです。




アニメグッズやキャラクターグッズのお店がこぞって入ってるMAGNET。

ここに期間限定で三十年以上前のアニメ作品の新グッズが並ぶのです。

知ってる人は知ってると思いますが私、昭和のオタクなんですよ(*´艸`*)

昔ド嵌りしていたアニメのグッズを求めてやって来ました。

入り口にもポスターが出てます!



あ、通行人が被った。

もう一度。



ちょっと、手、邪魔!!

気を取り直して再チャレンジ!!





…………。

外で撮るのは諦めました。


売り場入り口を改めて撮影させて頂きました。




中学生くらいの時に毎週欠かさず見てました😍
私の青春の1ページ。
どういうわけか本編終了して三十年以上経ってから続編が放送されるそうで、その記念で新グッズが発売になったようです。
続編なので主人公たちメインキャラクターは一新されます。
寂しいけどそのほうが有り難いかな(^_^;)
今更イメージ違うことされてもショックだし。

事前にリサーチしてあった商品だけ買うつもりでしたが、現物見たら他のも欲しくなっちゃってそれなりの額を購入。
5桁いかなかったから良識の範囲よね。

懐かしのキャラグッズを抱え、滞在時間わずか30分で渋谷を後にしました。
少し渋谷を見て回ろうかと思ったけど、あの人混みは無理😅
歳取ると苦手なものが増える一方だわ…。

『江戸美人捕物帳 入船長屋のおみわ 夢の花』(著/山本巧次)

 

 

入船長屋の大家の娘・お美羽は面倒見の良い容姿端麗のしっかり者。

しかし少々威勢が良すぎるせいか二十歳を越えても嫁入り先が決まっていない。

また熱血漢で不条理なことが許せないタイプでもある。

店子の一人、指物師の長次郎が十日も家を空け、心配してきたところにひどくやつれて帰って来た。彼は人を殺したと言うのだが・・・。

 

またも店子が事件に巻き込まれて物語が始まる。(前作の感想はこちら

入り待ちが出るほど人気の長屋だが、こうも続けて店子が事件に遭遇するのでは大家商売に支障が出るのでは?と心配してしまう。

お曲がったことが嫌いで物事に白黒付かなくてはすっきりしないお美羽は、またも事件に首を突っ込んでいく。

前回に引き続き、頭脳も剣の腕も頼れる山際が登場してくれたのは有り難い。

お美羽の行動力は素晴らしいが、機転と腕のある山際が居るといないとでは読み手の安心感が違う。

十手持ちの喜十郎も頼りにはなるが、しっかとした証がないと動いて貰えないのが難点だ。

 

なかなか面白い切り口で事件が始まり、事件に絡む人間関係も複雑そうである。

ただ、やはりというか物語の進み方が予定調和の内にあるような気がしてしまうのだ。

今作のほうが思わせぶりな行動があったりするのだが、大筋が美羽の謎解き通りに事が運んでいるように感じてしまう。

目の前のことに熱中してしまう美羽にはもっと迷走して貰いたいと思うのは意地悪なのか。

 

ところで前回の感想で美羽の恋心の扱いが雑に感じる、と書いたが、その理由が分かった。

失恋したばかりで、しかも失恋した相手と事件の捜査をしているのに、色男が現れたらすぐに目を奪われてしまった。

なるほど、お美羽は惚れやすいのか。

 

お美羽の人柄と行動力はとても魅力的である。

まだしばらく嫁には行かず、長屋の謎解きに力を注いて貰いたい。

 

 

 

秋も深まって食欲全開となってきました。

皆様、美味しいものは食べてますか?

 

先日の『ファミマのクイニーアマン食べ比べ』に引き続き、ローソンのクイニーアマンのパンの食べ比べです。

自分から新商品を積極的に手にすることってあまりないんですが、クイニーアマン系は別のようです。

そもそもローソンのバター香るクイニーアマンを食べてから嵌ったので今回の新商品にも並々ならぬ期待を抱いております。

 

まずは『ショコラクイニーアマン』

 

 

 

 
 

 

 

表面はパキッとしつつ、本体は濃厚なチョコの風味を受け止めるどっしりボディです。

チョコのビターさが全体を引き締め、甘ったるくならないバランスが流石です。

ショコラパンとしての完成度が高いのですがその分クイニーアマンの存在感が薄くなり、ショコラパンを飴でコーティングしただけ、というふうにも感じました。

ただ食べ応えがすごい。

カロリーが『バター香る』379kcalに対し、こちらは421Kcal。

ご飯一膳が約250Kcalなのでどれだけすごいかお判りいただけるでしょう。

夕飯時になってもお腹が減ってませんでした(^▽^;)

 

 

続いて『お芋のクイニーアマン 紅はるか』

 

 

 

 

 

中にたっぷり包餡された紅はるかが秋を感じさせます。

もっともったりするかと思ったのですが、パンの生地とも馴染んで食べ進めやすかったです。

何よりゴマの風味が効いている。

胡麻とサツマイモの組み合わせが本当に相性良いのだと実感できました。

ただまあこれも、おさつデニッシュに飴掛けしたパンって感じちゃいましたね。

私自身がクイニーアマンの正解を知らないので偉そうなことを言うのはアレなんですが。

ちなみにKcalは一番ヘルシーな377kcal。

こちらも腹持ちは良かったです。

 

 

純粋にクイニーアマン感を求めるなら『バター香るクイニーアマン』に勝る者は現れませんでした。

とはいえ、どのパンも美味しくパンとしては優越付けがたい完成度です。

販売期間中はファミマのクイニーアマンと合わせてリピしまくりそうです。

 

ただ、このパン一個で食パン一斤買えちゃうんだよな~、と考えると頻繁に手を出せないかも(;^_^A

懐と体重と相談しながら頂きたいと思います。

『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』(著/標野凪)

 

 

カフェ好きで連作短編集選びがちの私なので、いつか読むだろうなと思って敢えて今まで見送っていた一冊。

根は単純ですが天邪鬼なところもあるんですよ(;'∀')

 

 

住宅地の奥、木々に守られるように(隠されるように?)佇む『喫茶ドードー』はおひとり様専用カフェだ。

店内にはカウンター席が5席とテラス席が一組しかない。

あまり目立たない店構えのようだが、何故か心が疲れてしまった人は惹き寄せられるらしい。

店主そろりの用意するメニューは『雨の日のサンドイッチ』『目に効くスペシャルメニュー』など独特だ

しかも二度目に来店するとメニュー名がちょっと変わっていて、さらにその人の心にぴったりなモノに進化している。

『雨の日のサンドイッチ』は『心が雨の日のサンドイッチ』、『目に効くスペシャルメニュー』なら『ゆめにきくスペシャルメニュー』というふうに。

ちょっと意地悪だなと思ったのは、心身疲れて喫茶ドードーに辿り着いたお客さんが特別メニューで癒されたのに、その後さらに面倒事に襲われてしまうことだ。

せっかく上向きになりかけた気持ちを潰されるように切ない。

くるりの救済メニューが待っていると分かっていても、同じ働く女性としては優しくしてよ~と作者様に抗議したくなる。

 

物語の時代はコロナ禍の最中で、様々な制限があったり人との距離が難しかったりした時期だ。

各話の主人公たちは悩みの原因はそれぞれだが、今までの自分に自信が持てなくなり混迷しそうになっている。

そんな、急激に変化する日常に翻弄され疲れた人たちに、くるりのお茶目な心遣いと美味しいメニューが寄り添う。

くるりは教えてくれる。

自分を大事することや目先をちょっと変えるだけで生き方が随分と楽になることを。

知らずに凝り固まった心や思考を解してくれる、なんて有り難いカフェ。

しかもおひとり様専用なんて願ったりかなったりだ。

実在するなら常連になりたい!

 

五話収録されているのだが、別の話に登場した人物が他の話にゲスト出演することもあり、気になっていた人のその後を知れる嬉しい展開もある。

ただ今回お客としてやってきたのが女性ばかりだったので、私としては男性客が来るところも読んでみたい。

 

『四百三十円の神様』(著/加藤元)

 

 

七つの日常を切り取った話から成る短編集。

巻末に作者自身のあとがき解説があるのだが、別の話のオムニバスだった話や、本人の体験が元となっている話などがある。

これを読むと知らなかった事情が知れるのだが、知らずに読んだ方が先入観なく読めて良かったと感じることもある。

私は作者の私念を知ってある話の読後感が気まずいものに変わってしまった。

なので作者のあとがきは最後に読むか、いっそ無視することをお勧めする。

 

表題作となっている『四百三十円の神様』は行きずりに牛丼を奢った相手から『神様』と感謝されることから物語が始まる。

また『ヒロイン』は一人の少女が古い銀幕スターの女優に強い憧れを抱く話だ。

他にも不眠症に悩まされる男性の話などがあるが、小さなきっかけで新しく一歩を踏み出す、そんな瞬間が時には淡々と、時には力強く描かれている。

様々な時代の『九月一日』を巡る話は、教訓めいてはいるが大人の醜悪な差別意識が子供に感染する様に胸が苦しくなる。

最終話の『鍵は開いた』も自分の身近にもこのように話が通じない人がいる、と誰しも共感するだろう。

個人的には『いれずみお断り』の獣医と巳之吉さんとの事務的かなやりとりが好きだった。事務的なのは表面だけで、胸の内では様々なことを考えている。型どおりに進んで行く事態を仕方ないなとゆるく受け止める感じが好きだった。

 

どの話の主人公も特別な人ではない。

そんな人たちが日常に起こったささやか出来事から自分を見直す瞬間が切り取られている。

詠み手も読むたびに身近な誰かを、そして我が身を振り返る地に足着いた短編集だ。

 

ただし、途中で挟まれる『腐ったたぬき』だけは異質な存在である。

どう異質かは読んでご確認頂きたい。

『腐った』の意味が分かる人はお友達だ。

 

ファミマで発売されている、ひとつで二度美味しいクイニーアマンパン。
先日チーズケーキデニッシュ&クイニーアマンは頂きましたので(ファミマまで出したのね!! | 逢海司の「明日に向かって撃て!」)この週末は残りのアップルパイタルト&クイニーアマンとメロンパン&クイニーアマンを頂きました。
 
まずはアップルパイタルト。
 
 

 
 

 
アップルパイタルトの林檎の自然な酸味が、クイニーアマンのはっきりした甘さと良く合いました。
この林檎の風味がシールドを思わせるほど芳醇でそれだけでも美味しかったです。
アップルパイタルトの生地がクイニーアマンとの相性もよく、最初から一つのパンのようでした。
これはリピート確定ですね照れ
 
 
そしてお次はメロンパン。
 
 

 
 
 

 
コレは食べやすい。びっくり
元々のメロンパンが柔らかい甘さのパンなので、クイニーアマンの砂糖感強めの甘さ&歯応えが良いアクセントになってました。
パンの生地もデニッシュ生地よりでザックリしてて、これもまた重くなりすぎなくて良いおねがい
 

 
食べかけの断面で申し訳ないですが、実物を見て頂いたほうが良いと思いまして(;´∀`)
 
こうしてファミマのクイニーアマンシリーズ食べ比べを終えたわけですが、なんとローソンからクイニーアマンパンの新商品が出るというではありませんか!
私のクイニーアマンを求める旅はまだまだ終わらないようです。

『江戸美人捕物帳 入船長屋のおみわ』(著/山本巧次)

 

 

 

悔しいことに、感想記事を一度書きかけたのだが、パソコンがバーンして全部消えてしまった。

モチベーション駄々下がりの自分を励まして頑張って書いてる。

 

入船長屋の大家の娘・お美羽は面倒見の良い容姿端麗のしっかり者。しかし少々威勢が良すぎるせいか二十歳を越えても嫁入り先が決まっていない。

また熱血漢で不条理なことが許せないタイプでもある。

店子の職人にケチを付けてきた小間物屋に腹を立て、探りをいれているうちに何故か事件に巻き込まれていってしまった。

 

お美羽は持ち前の度胸と浪人・山崎の手助けを受けて事件を解明しようと奔走する。

一つ事件が片付いたと思う度にまた不可思議な事件が。

お美羽は連鎖する事件を解明できるだろうか。

 

お美羽の気風の良さは読んでいて気持ちが良い。そこに山崎の機転の良さが加わり、危機を乗り越えていく。

事件がキチンと解決していくのは読み手としては気持ち良いが、一つ一つの出来事が筋通り順々に片付いていくようで物足りなさも覚える。

あとお美羽の恋心の描き方がイマイチ雑と言うか、突然すぎるというか。

 

この事件の担当した八丁堀のお役人の青木さまは、きちんとした証を得てから捉えた者の有罪無罪を判じるお人であった。

岡っ引きの喜十郎がこのことを何度も口にしながら「運が良い」と言っていた。

当時は怪しいと狙いを付けた者を引っ立てて、過酷な拷問を加え無理に自白させて犯人とすることが横行していたのである。

このシリーズくらいは青木さまに正しい犯人捜しの旗振りをして貰いたい。

『三毛猫ホームズのクリスマス』(著/赤川次郎)

地元の図書館には利用者が読まなくなった本を置いていける本棚がある。

この本はそこに置かれており、懐かしくて思わず手に取った。

平成初期に学生時代を送った同輩なら知らない人はいないだろう、三毛猫ホームズシリーズ。

奥付を見たら発行が昭和62年だった。

平成飛び越えて昭和!

しかもシリーズ10冊目、赤川次郎氏の百冊目の単行本だったそうだ。

あの時すでに百冊ということは、今現在どれだけの本を執筆されているのやら…(;´∀`)サスガデス


私も学生時代には好んで三毛猫ホームズシリーズを読み漁った。

この本も一度は読んでいるのだが、なにせ三十年以上も前の記憶、ほぼ初見と変わらない気持ちで読ませて頂いた。

私が当時の人間だからか、今読んでも違和感なく(時代錯誤感なく)読める。

こういう現代小説を読むと女性の社会進出もそうだが煙草の扱いで時代が透けて見える。

しかし本作のメインキャラクターである片山刑事や石津刑事が吸わないから煙草があまり出てこないし、この二人を顎で使っているのが妹の晴美とホームズという女性陣なので、女性の立場が弱いと感じない。

勿論、携帯電話やスマホは出てこないが、ストーリー展開上あまり気にならない。Z世代の人が読んだら変だと思うかも、だけど(笑)

ただ国鉄の二文字が出て来たときは「おぉ!」と反応してしまった。


本作は五編からなる短編集だ。

赤川氏特有の思わせぶりな展開や軽快な推理など、懐かしがりながら楽しませもらった。

無意味な登場人物を増やして読み手の推理の幅を広げさせるのも常套手段。

ただ、本格的推理を短編に押し込んだせいか、ストーリー展開が性急だったり解説が簡潔過ぎたりと急ぎ足な印象が残る。

特に表題作の『三毛猫ホームズのクリスマス』は特殊な場所に舞台を移しているので状況説明に字数を取られ、肝心の謎解き場面がサササーと片付けられてしまった。

大人になって読むと勿体ないなぁと思う。

同じネタで、細部まで膨らませて書き込んだ小説ならもっとワクワクしながら読めたのに!

それだけ赤川氏が短編と言えど手の抜かぬややこしい事件を扱っていた、ということである。

近著も読んでみたいと思わせる懐かしい本との再会だった。