『江戸美人捕物帳 入船長屋のおみわ』(著/山本巧次)
悔しいことに、感想記事を一度書きかけたのだが、パソコンがバーンして全部消えてしまった。
モチベーション駄々下がりの自分を励まして頑張って書いてる。
入船長屋の大家の娘・お美羽は面倒見の良い容姿端麗のしっかり者。しかし少々威勢が良すぎるせいか二十歳を越えても嫁入り先が決まっていない。
また熱血漢で不条理なことが許せないタイプでもある。
店子の職人にケチを付けてきた小間物屋に腹を立て、探りをいれているうちに何故か事件に巻き込まれていってしまった。
お美羽は持ち前の度胸と浪人・山崎の手助けを受けて事件を解明しようと奔走する。
一つ事件が片付いたと思う度にまた不可思議な事件が。
お美羽は連鎖する事件を解明できるだろうか。
お美羽の気風の良さは読んでいて気持ちが良い。そこに山崎の機転の良さが加わり、危機を乗り越えていく。
事件がキチンと解決していくのは読み手としては気持ち良いが、一つ一つの出来事が筋通り順々に片付いていくようで物足りなさも覚える。
あとお美羽の恋心の描き方がイマイチ雑と言うか、突然すぎるというか。
この事件の担当した八丁堀のお役人の青木さまは、きちんとした証を得てから捉えた者の有罪無罪を判じるお人であった。
岡っ引きの喜十郎がこのことを何度も口にしながら「運が良い」と言っていた。
当時は怪しいと狙いを付けた者を引っ立てて、過酷な拷問を加え無理に自白させて犯人とすることが横行していたのである。
このシリーズくらいは青木さまに正しい犯人捜しの旗振りをして貰いたい。
