【娘と向かう長崎世界遺産巡り 前編】
2018年(平成30年)9月23日(日)、曇り
この日は三連休を利用して一時帰省してきた娘が、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を見たいと言い出したので～
この頃は皆さまもご存知の通り、所用で散々訪れていたので、正直『え～っ』と思ったものの、可愛い娘の頼みならばと二人で長崎市に向かいました
向かった先は「隠れキリシタン」で有名な「外海(そとめ)地区」
外海地区には、かつて5000人近い隠れキリシタンが暮らしていたといわれており、キリスト教徒だった遠藤周作は「沈黙」を執筆中に何度もここを訪れ、外海を第二の故郷とするほど愛するようになったことでも知られています
この日は雨がポツリポツリと降るあいにくの天気だったものの、外海地区に向かうと～
最初に「カトリック黒崎教会」を訪れました
「黒崎カトリック教会」は1897年にド･ロ神父の指導で敷地が造成され、1899年から建設計画が進行、1920年に完成した遠藤周作の小説『沈黙』の舞台ともなった黒崎の地に建つ教会で～
小高い丘にある教会に向かい、急階段を上りました
当教会は、信徒が奉仕と犠牲の結晶として一つひとつ積み上げたレンガで造られていて～
中に入ると、江戸時代から隠れて信仰し続け、漸く教会を建設することができた信徒の方々の大きな喜びが伝わってくるような気分になりました
その後、山道に車を乗り入れ～
車を降り、山道をヒィヒィ言いつつ上っていくと～
「枯松神社」にたどり着きました
「枯松神社」とは、日本人伝道師バスチャンの師であるサン・ジワン神父を祀る日本に三ヶ所しかないキリシタン神社で～
ここは隠れキリシタンが密かに集まり、オラショ(祈り)を捧げ伝習してきた聖地と言われています
また、ここに来る途中には「祈りの岩」と呼ばれる大きな岩があり～
「祈りの岩」には大人が数人隠れることができ、潜伏時代にはキリシタンが年に一度、復活祭前の「悲しみの節」の夜にオラショを唱えたて言われています
普段は声に出してオラショを唱えることはなかったが、この日だけは見張り役を立て岩陰に隠れるようにしてオラショを唱えたそうで～
この場所にいると、神聖で厳かな雰囲気が伝わってきて、キリシタンでない僕でも心が洗われる気がしました
その後、「道の駅 夕陽が丘そとめ」を訪れて～
車を停め、テクテク歩き～
「外海地区観光案内」をしげしげ眺め、隠れキリシタンに関する文化遺産を確認すると～
『あはは･･･
』
ここでは「厳選いちごソフト」を購入し、娘と一緒に～
『美味しいね～
』
』と言いつつ、あっという間に食べちゃいました
実はここには「遠藤周作文学館」があり、本当は時間をかけて見学したかったものの、時間がなかったので泣く泣くスルー
ま、次回訪れればいいもんね～と思いながら、次の場所へと向かいました
その後、「旧出津救助院」を訪れて～
ここは「マカロニ工場」や「ド・ロ塀」などもある遺産施設
「旧出津救助院」とはフランス人宣教師のド・ロ神父が1883年に女子養成のために建立した仕事場と言われており～
この日は残暑でムシムシしていたので、「ド・ロさまの青いお茶」をじっくり味わうと～
さっそく施設見学を始めました
ここはシスターが案内してくれたけど～
ド・ロ神父が女性が働ける場として当院を建立し、働く場所や～
教会を作り、大変喜ばれたそうです
ここではシスターがオルガンを弾き、讃美歌を歌ってくれたけど、またまた心が洗われるような気がしました
ド・ロ神父の思いは現在まで続き、今でも人々の心に深く染みわたっているようでした
その後、車を少し走らせ、再び歩き出すと～
アップダウンを繰り返し～
さらに歩くと～
国指定重要文化財にもなっている「出津教会」に到着しました
当教会は明治12年にド・ロ神父により設計・施工されたもの
出津集落は、禁教期に小規模な潜伏キリシタンの信仰組織が連携し、聖画や教義書、教会暦などを密かに伝承し、自分たち自身で信仰を続けた世界でも稀な地域として称賛されていて～
明治時代に入り、キリスト教の信仰が認められると、段階的にカトリックへ復帰し、この教会で祈りを捧げたそうです
その後、「大野集落」にやって来て～
「大野集落」とは、禁教期に潜伏キリシタンが自分たち自身で組織的に信仰を続けている中で、氏子となった神社に密かに自分たちの信仰対象を祀り、オラショを唱えるなど在来宗教と信仰の場を共有していたと言われています
ここには彼岸花が咲いていて～
(繰り返しますが、この記事は平成30年9月の出来事ですよ～
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（）1893年に出津教会堂の巡回教会として、ド・ロ神父によって建立された「大野教会堂」に到着しました
先ほどから訪れる施設は全て明治時代以降にド・ロ神父により建立されたものだけど～
ここにもド・ロ神父の思い、250年もの間、日本人のみでキリスト教を継承した人々の思いを感じることができ～
とても有意義な時間を過ごすことができたと思いました
この時代のことは遠藤周作の「沈黙」に書かれていますが～
棄教するのか、殉教するのか･･･
『踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている』
この地にいると、「沈黙」の中でのイエスキリストの言葉が蘇って来るようでした
本編は大変な長文になり、書いてる僕も疲れましたが、読まれた方もお疲れだったことでしょう
この場を借りて感謝の言葉を申し上げます
本当はもっとゆっくり２話に分けて書きたかったのですが、9ヶ月も遅延している状況なので無理してまとめちゃいました
当地は1日かけるとじっくり観光できるので、長崎に来られた際には是非お立ち寄りいただき、往時のことに触れてみてはいかがでしょうか
次回は後編、長崎市に移動しますよ～
