顔をなくした少年/ルイス サッカー
¥1,575
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傑作『穴 HOLES』のルイス・サッカーの作品。
恐ろしげなタイトルですが、描かれているのは心優しい少年・デーヴィッドのごく普通の日常。
普通はダサいと思ってしまうような時期の少年たちの中で、"クール"な自分を演出しようと魔女と噂されるベイフィールドさんの蛇頭の杖を盗む計画に加担した上、自分の心とは裏腹にひどい仕打ちをしてしまいます。
「おまえのドッペンゲルガーがお前の魂を吸い上げてしまうだろう!」と逃げるデーヴィッドに投げかけられた呪い(?)と「いずれ自分の顔がベイフィールドさんの居間に掛けられることになるなんて、まだ知るはずもなかった。」という著者による不気味な予告。
その後、数々の不運(といってもそれほど深刻なもんではないですが)に見舞われるうちに、彼はある決心を固めます。
学校推薦図書になりそうなストーリーなので、『穴』のサバイバルっぽい雰囲気を期待するとちょい期待はずれかもしれません。
サマンサさんのブログでチェックしたプロジェクト「ひがしにほんに本をとどけよう!」
偶然休みを利用して本を整理中に見かけたのも何かの縁、ふさわしい本があれば探してみようと思います。
汚れた守護天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫)/リザ コディ
¥777
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3/11に卒業式を迎えた娘の高校進学が決まり、今日は入学説明会に行ってきました。
本来はこの春そんな門出を迎えるはずだった若者たちが関東や東北で亡くなったり、進学の目処も立たず過ごしているのかと思うと心から喜べない部分もありますが、日々大切に生きてもらいたいものです。
毎日帰って家事を追えると放心状態になっている日が多く、記事にしないままの本を溜め過ぎてしまったので、短めに。
生活のため二匹の犬と自動車置き場の警備をしながら、その片隅のヴァンで寝起きする悪役プロレスラー、エヴァ。
現金収入のために時に胡散臭い臨時仕事もこなし、必要な車は路上から失敬する、自分なりのポリシーを持って生きるタフな彼女だが、子どもの頃に行き別れた姉への想いと、プロレスラーとしての矜持は彼女の心の中の聖域。
女性目線でクールなヒロインの中でもユニークさは群を抜く。
続編もあるようですが脇役で登場する女性私立探偵アンナ・リーを主人公にしたシリーズも気になります。
若い頃は男も女もないと粋がっていたようなところもあった私ですが、最近はやっぱり女性の活躍する本に傾倒しつつあります。
こういう自分から見て非日常の世界も楽しいですが、アン・タイラーのような日常の中のサスペンスやドラマにも心惹かれ。
住む場所や食べ物といった生活必需品が徐々に揃って、被災された方々にも好きな本が読める平穏な日が一日も早く訪れますように。
¥777
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3/11に卒業式を迎えた娘の高校進学が決まり、今日は入学説明会に行ってきました。
本来はこの春そんな門出を迎えるはずだった若者たちが関東や東北で亡くなったり、進学の目処も立たず過ごしているのかと思うと心から喜べない部分もありますが、日々大切に生きてもらいたいものです。
毎日帰って家事を追えると放心状態になっている日が多く、記事にしないままの本を溜め過ぎてしまったので、短めに。
生活のため二匹の犬と自動車置き場の警備をしながら、その片隅のヴァンで寝起きする悪役プロレスラー、エヴァ。
現金収入のために時に胡散臭い臨時仕事もこなし、必要な車は路上から失敬する、自分なりのポリシーを持って生きるタフな彼女だが、子どもの頃に行き別れた姉への想いと、プロレスラーとしての矜持は彼女の心の中の聖域。
女性目線でクールなヒロインの中でもユニークさは群を抜く。
続編もあるようですが脇役で登場する女性私立探偵アンナ・リーを主人公にしたシリーズも気になります。
若い頃は男も女もないと粋がっていたようなところもあった私ですが、最近はやっぱり女性の活躍する本に傾倒しつつあります。
こういう自分から見て非日常の世界も楽しいですが、アン・タイラーのような日常の中のサスペンスやドラマにも心惹かれ。
住む場所や食べ物といった生活必需品が徐々に揃って、被災された方々にも好きな本が読める平穏な日が一日も早く訪れますように。
RDG レッドデータガール はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)/荻原 規子
¥1,680
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RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)/荻原 規子
¥1,680
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RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた (カドカワ銀のさじシリーズ)/荻原 規子
¥1,680
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久々に手にした荻原規子の作品。
この人の本はマンガのように読んだら続編まで一気に読んでしまう引力があり、昔に読んだ『空色勾玉』のシリーズ同様、次から次へと購入。
文庫は出てないし古本でも安くないのに…皆さんとご同様、本への出費は別腹なので仕方なしでしょうか。
マンガに喩えたついでに、このシリーズは樹なつみの『八雲立つ』を連想する世界。
あんな雰囲気のお好きな方には是非おススメ。
主人公は忙しい両親と離れ、祖父が神主をする神社で暮らす少女・泉水子。
長い黒髪をお下げに編んだメガネちゃんで、内気な性格と相まって地味な女の子なんですが、メガネを取ってお下げをほどいたら超キュート、とかって話ではなくですね…
追々明らかになりますが、どうやらこのきっちり編んだお下げと警視庁の公安で全国を飛び回る母のくれた赤いメガネ、何かの封印らしいんですな。
携帯でもパソコンでも駅の券売機でも、彼女がうっかり触ると何もしてないのに壊れてしまう。
お約束の「周りは全て知ってるけど本人は何にも知らされてないよ」感が漂う中、今はアメリカに住んでいる父親の古い友人・超イケメンの山伏親子が東京からやって来て、幼なじみの息子の方はこれまた詳しくは知らされてなかった"役割"を無理やり父親に押しつけられて、反発しながらも泉水子と同じ中学に転入。
やがてはいわくありげな全寮制の東京の高校に一緒に通うことになる…ってのがここまでの大まかな筋書き。
何やら国家レベルのプロジェクトを暗示しながら、高校の中では"優秀"な生徒同士の勢力争いがあるのですが、ここの生徒たちも代々の神社や陰陽師の家系とただ者ではない。
この先の出来事が学園の中だけで収まるはずもなく、まだまだお話は序盤から中盤戦にってとこでしょうか。
どうなっていくのか気になること気になること。
またまた続編の発売を涎を垂らして待つ本が増えてしまいました。
ハリー・ポッターを読めるくらいに育った物語好きのお子さんがいらっしゃれば、一緒に読めばお得かも。
子どもをダシに思い切って大人買いいかがでしょうか(笑)
¥1,680
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RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)/荻原 規子
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RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた (カドカワ銀のさじシリーズ)/荻原 規子
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この人の本はマンガのように読んだら続編まで一気に読んでしまう引力があり、昔に読んだ『空色勾玉』のシリーズ同様、次から次へと購入。
文庫は出てないし古本でも安くないのに…皆さんとご同様、本への出費は別腹なので仕方なしでしょうか。
マンガに喩えたついでに、このシリーズは樹なつみの『八雲立つ』を連想する世界。
あんな雰囲気のお好きな方には是非おススメ。
主人公は忙しい両親と離れ、祖父が神主をする神社で暮らす少女・泉水子。
長い黒髪をお下げに編んだメガネちゃんで、内気な性格と相まって地味な女の子なんですが、メガネを取ってお下げをほどいたら超キュート、とかって話ではなくですね…
追々明らかになりますが、どうやらこのきっちり編んだお下げと警視庁の公安で全国を飛び回る母のくれた赤いメガネ、何かの封印らしいんですな。
携帯でもパソコンでも駅の券売機でも、彼女がうっかり触ると何もしてないのに壊れてしまう。
お約束の「周りは全て知ってるけど本人は何にも知らされてないよ」感が漂う中、今はアメリカに住んでいる父親の古い友人・超イケメンの山伏親子が東京からやって来て、幼なじみの息子の方はこれまた詳しくは知らされてなかった"役割"を無理やり父親に押しつけられて、反発しながらも泉水子と同じ中学に転入。
やがてはいわくありげな全寮制の東京の高校に一緒に通うことになる…ってのがここまでの大まかな筋書き。
何やら国家レベルのプロジェクトを暗示しながら、高校の中では"優秀"な生徒同士の勢力争いがあるのですが、ここの生徒たちも代々の神社や陰陽師の家系とただ者ではない。
この先の出来事が学園の中だけで収まるはずもなく、まだまだお話は序盤から中盤戦にってとこでしょうか。
どうなっていくのか気になること気になること。
またまた続編の発売を涎を垂らして待つ本が増えてしまいました。
ハリー・ポッターを読めるくらいに育った物語好きのお子さんがいらっしゃれば、一緒に読めばお得かも。
子どもをダシに思い切って大人買いいかがでしょうか(笑)
万寿子さんの庭〔文庫〕 (小学館文庫)/黒野 伸一
¥650
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読み終えた後この本を押し売りならぬ押し貸し?した友人と先日ランチに出かけた時に面白かったといわれて気を良くしていたら、ちょうど買い物ついでに寄った梅田地下街の旭屋書店で店の"売れ筋№1"として紹介されていてへぇ~と。
読んだ時には知る人ぞ知るいい本を見つけたと思ったのに、ちょっと複雑な気がします(笑)
20歳のOL・京子が何となく決めて引っ越した部屋からの出勤途中に見かける気になる年輩の女性。
毎朝花の手入れをする彼女に思い切って挨拶をした京子に返された言葉はなんとも意外なものだった…。
洒落た見た目や細やかな植物の手入れからは想像もしなかった「意地悪ばあさん」のような言動の万寿子さん。
仕事という仕事があるワケでもない気楽なだけの職場に勤め、一方で気になる男性ができても斜視がコンプレックスになってなかなか正面から向き合えずにいた京子は、万寿子さんと年の差を超えた友情を育みながら少しずつ変わっていくのですが、やがて万寿子さんには時の無情な仕打ちが…。
京子の自分探しの物語であり、脳死や心臓停止という肉体の死ではない人の心の死について想う物語でもあり。
女同士の友人や家族という微妙な関わりをこんな風に描ける男性ってすごいなぁ~と。
ミステリの大作の合間に是非一読を。おススメです。
¥650
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読み終えた後この本を押し売りならぬ押し貸し?した友人と先日ランチに出かけた時に面白かったといわれて気を良くしていたら、ちょうど買い物ついでに寄った梅田地下街の旭屋書店で店の"売れ筋№1"として紹介されていてへぇ~と。
読んだ時には知る人ぞ知るいい本を見つけたと思ったのに、ちょっと複雑な気がします(笑)
20歳のOL・京子が何となく決めて引っ越した部屋からの出勤途中に見かける気になる年輩の女性。
毎朝花の手入れをする彼女に思い切って挨拶をした京子に返された言葉はなんとも意外なものだった…。
洒落た見た目や細やかな植物の手入れからは想像もしなかった「意地悪ばあさん」のような言動の万寿子さん。
仕事という仕事があるワケでもない気楽なだけの職場に勤め、一方で気になる男性ができても斜視がコンプレックスになってなかなか正面から向き合えずにいた京子は、万寿子さんと年の差を超えた友情を育みながら少しずつ変わっていくのですが、やがて万寿子さんには時の無情な仕打ちが…。
京子の自分探しの物語であり、脳死や心臓停止という肉体の死ではない人の心の死について想う物語でもあり。
女同士の友人や家族という微妙な関わりをこんな風に描ける男性ってすごいなぁ~と。
ミステリの大作の合間に是非一読を。おススメです。
夏光 (文春文庫)/乾 ルカ
¥610
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今頃になって今年初更新m(__)m
ようやくなんとか仕事にも慣れ、社内外の資格試験なぞもそろそろ同期の間で話題になってたりしますが…
本も読むだけはぼちぼちと読んでいるもののブログの更新となるとまた別の話で(^_^;)
タイトルやペンネームから受ける感じで青春小説か?と思いつつ、解説・香山二三郎の文字が目に留まり手にしてみました。
私はホラーも書く女性作家といえば篠田節子を愛読していますが、イメージは朱川湊人に近い雰囲気でしょうか。
「め・くち・みみ」と「は・みみ・はな」の二部構成で、ストレートに「は」と題された短編含む8つの話を収録。
"め"に当たる表題作「夏光」の舞台は敗戦前の日本、海岸の村。
疎開先の伯母の家で体の不調といじめに耐える少年と、地元に暮らしながら顔の痣を死んだ母親が神の使いであるスナメリを食べた呪いだと村八分にされている少年の交流を、狭い村の大人や子どもがそれぞれに持つ残酷さの中で切なくも美しく描いた作品。
北海道帝国大学の学生で病気静養中の私と"少女"の出逢い「夜鷹の朝」、気持ちも姿も美しい妹への嫉妬に苦しむ姉「百焔」とも一部は昭和初期を時代背景にした物語。
二部は児童虐待や臓器売買を絡めた「Out of This World」「風、檸檬、冬の終わり」など時代は変われども残酷な現実の中でも生まれ持った凛々しさを失わない人を描きますが、異色は先に触れた「は」。
描かれないものの嫌でもその先の出来事を想像してしまうラストが印象的。
自ずと私の好きな海外作家のアノ話を想像しますが、書くとネタバレだからね。
この人が長編を書くとどんな話になるんだか気になるところです。
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今頃になって今年初更新m(__)m
ようやくなんとか仕事にも慣れ、社内外の資格試験なぞもそろそろ同期の間で話題になってたりしますが…
本も読むだけはぼちぼちと読んでいるもののブログの更新となるとまた別の話で(^_^;)
タイトルやペンネームから受ける感じで青春小説か?と思いつつ、解説・香山二三郎の文字が目に留まり手にしてみました。
私はホラーも書く女性作家といえば篠田節子を愛読していますが、イメージは朱川湊人に近い雰囲気でしょうか。
「め・くち・みみ」と「は・みみ・はな」の二部構成で、ストレートに「は」と題された短編含む8つの話を収録。
"め"に当たる表題作「夏光」の舞台は敗戦前の日本、海岸の村。
疎開先の伯母の家で体の不調といじめに耐える少年と、地元に暮らしながら顔の痣を死んだ母親が神の使いであるスナメリを食べた呪いだと村八分にされている少年の交流を、狭い村の大人や子どもがそれぞれに持つ残酷さの中で切なくも美しく描いた作品。
北海道帝国大学の学生で病気静養中の私と"少女"の出逢い「夜鷹の朝」、気持ちも姿も美しい妹への嫉妬に苦しむ姉「百焔」とも一部は昭和初期を時代背景にした物語。
二部は児童虐待や臓器売買を絡めた「Out of This World」「風、檸檬、冬の終わり」など時代は変われども残酷な現実の中でも生まれ持った凛々しさを失わない人を描きますが、異色は先に触れた「は」。
描かれないものの嫌でもその先の出来事を想像してしまうラストが印象的。
自ずと私の好きな海外作家のアノ話を想像しますが、書くとネタバレだからね。
この人が長編を書くとどんな話になるんだか気になるところです。