- 天地明察/冲方 丁
(2009.11) - ¥1,890
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なんとまあ、こんな贅沢な小説があっていいものか!!
475ページの残り10分の1くらいになった時には読み終えるのが惜しいと心から思いました。
読み終えていうのもおかしいですが、歴史小説の中でも、戦をする武将よりも、学問や芸事のプロフェッショナルの話が殊に好物な私には垂涎モノ。
これを己の天職と定め、心の奥から湧き出でるような欲求に任せるまま、その職分を全うするそんな男たちの生き様に、羨望とともに涙を禁じえない、そんな傑作です。
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「は……春海様……。い、いよいよです。こ、この日本の改暦の儀が、いよいよ決します。」泰福が言った。
将軍家出入りの碁打ちの安井家で、養子にとった兄の後に生まれた安井算哲。
しかしながらこの安井算哲という名は、碁打ちとしての安井家の家督を継ぐものの名前であり、碁の名手である兄を慮るとともに自ら思うところあって、碁打ちとしての公式の場以外では好んで渋川春海と名乗ったという。
算術が学問としてよりも知識人の趣味のような趣もあったこの頃、江戸は金王八幡の境内に座り込んだまま絵馬に掲げられた算術の難問を解こうとする春海がいた。
登城の時刻が迫り、境内を掃除する美しい娘・えんに箒で追われ、慌ててその場を離れた春海が腰に差し慣れぬ両刀を取りに戻った間にすれ違うようにして、一瞥にしてその難問の数々に正答した男がいた。
絵馬には解答と"関"という署名のみ。
これが後に鑑みて世界でも卓越した数学者であった関孝和と渋川春海の間接的で運命的な出会いであった。
やがて時の大老となる酒井忠清から水戸光国を通じ、会津藩主であり、将軍家の御落胤で陰の大立者・保科正之公の引き立てで、800年を経ての改暦という大事業を背負って立つ渋川春海の生涯を賭けた勝負がここに始まる…。
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登場人物のそれぞれが皆かっこよくて、好きな登場人物のアンケートを取ったら10人以上に意見が分かれるんじゃないの?と思います。
反面、なんだか大好きなおもちゃで遊んでる大きな子どもたちの姿を見るようでもあります。
滅多に買わない新刊ですが読んでよかった~
男も女も、いい男に惚れたい歴史小説好きのア・ナ・タ(笑) 是非に読んでください。
そういや、先月絶賛したのも算術・算額絡みの話でしたねぇ。(『烏金 』)





