- シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人/レジナルド ヒル
(1998 原書房) - ¥1,890
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来年の話をすると鬼が笑うといいますが、今頃去年のクリスマスの話をすると何が笑うのでしょうか…
トナカイ?それともエルフ?(笑)
クリスマスの依頼人 エドワード・D・ホック
クリスマス・ツリーの冒険 ウィリアム・L・デアンドリア
過去のクリスマスの探偵 バーバラ・ポール
冬の醜聞 ギリアン・リンスコット
クリスマスの幽霊事件 ビル・クライダー
クリスマス・シーズンの出来事 ジョン・ステースル
犬の腹話術師 ジョン・L・ブリーン
イヴの鐘 アン・ペリー
笑わない男の事件 J・N・ウィリアムソン
三人の幽霊 ローレル・エルスマン
十二夜の盗難 キャロル・ネルソン・ダグラス
国境地方の冒険 グウェン・モファット
天使のトランペット キャロライン・ホイート
イタリアのシャーロック・ホームズ レジナルド・ヒル
さて、年末結局記事にできなかった昨年の自分へのクリスマスプレゼントはこのホームズ・パスティーシュ・アンソロジー14編。
私は初めて作品を読む作家も多いですが、みなさんならお好みの作家が何人も見つかるのではないでしょうか?
私も子どもの頃から人並みに親しんできたホームズ&ワトソンの活躍で、それぞれ違う作家の書いた話のはずなのに、コナン・ドイルの書いた物語の続編のような番外編のような気持ちで読んでしまいました。
ただし決して同一人物が書いたのではない証拠に、クリスマスストーリー限定ということでディケンズの『クリスマス・キャロル』への二重のパスティーシュになっている作品が複数あったり。<クリスマスの幽霊事件、三人の幽霊>ほか
あのドアノブや過去・現在・未来の"三人の幽霊"の秘密の作者なりの種明かしがあったりして、それはそれで愉快ですし、また、かの宿敵モリアーティの暗号めいたメッセージを解読する巻頭のクリスマスの依頼人などお楽しみ満載の1冊。
個人的に印象に残ったのは、兄・マイクロフトも登場しスコットランドの公爵の森番の依頼で消えてまた現れたツリーの謎を明かすクリスマス・ツリーの冒険。
父を亡くした娘があわや婚約者の裏切りに?と気をもませる過去のクリスマスの探偵もいいな。
過去の事件の目撃者である少女がホームズに"銀のステッキ"、ワトソンに"角ばった熊さん"という愉快なニックネームをつける冬の醜聞。
そしてホームズとワトソンが聖歌隊に参加するという珍事が起こる笑わない男の事件。
イタリアのホームズ気取りがホームズを自分が追い詰めた犯人の公開処刑に招待するイタリアのシャーロック・ホームズ なんかも趣向はおもしろいかもしれません、私は題材が題材だけにあまり好きでは…。
筋金入りのホームズファンから見ればまた違う意見があるでしょうが、クリスマスといったお祝い事にクールなホームズと食いしん坊のワトソンが過ごすベイカー街221Bの様子には、やはりハッピーエンドが似合います。
訳者は昨年話題をさらった『荒野のホームズ 』シリーズの訳者でもある日暮雅通さん。
日本シャーロック・ホームズ・クラブの会員だそうで、ホームズものといえばやはりこの方?
続編も買いましたが、また今年のクリスマスまで寝かせますか(苦笑)
シャーロック・ホームズ四人目の賢者―クリスマスの依頼人〈2〉/ピーター ラヴゼイ
¥1,890
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訳者のあとがきによると、イギリスでクリスマスツリーを飾る習慣は1860年代にドイツから持ち込まれたもので、1月6日がホームズの誕生日らしいです。
一日遅れましたが、ハッピーバースデイ