2014年12月の読書 | あんずの⁑S★L Life⁑

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学校司書の仕事の記録と日常ブログです。
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2014年12月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:2576ページ
ナイス数:413ナイス

ぼくと戦争の物語 (ものがたりの庭)ぼくと戦争の物語 (ものがたりの庭)感想
戦争のために歪められた人生がどれほどあったのだろう。この物語もその一つ。おそらくは、戦災孤児となった作者の経験をもとに語られた物語なのだろう。こういう戦争にあった人びとの話をもっと語り継いでいくべき。それを子どものうちから、読んだり、聞いたりしておく。それらのたくさんの物語によって、より深く心に刻まれることだろう。
読了日:12月3日 著者:漆原智良
風船教室風船教室感想
ちょっと不思議な転校物語。転校した学校には、変わった風習が…一人にひとつずつ、ふわりふわりと教室に浮かぶ風船たち。それはずっと子どもたちを見守っていた。風船に意思があったり、自由に追いかけてきたり、ファンタジーではないけどそれに近いような?不思議な感じ。転校して、以前の学校の友だちと疎遠になってしまって、その葛藤が描かれるかと思いきや、それほどでもなく転校先の子どもたちともすぐに仲良くなる。きっとそういうところに主眼がないのだろう。読みやすいが、あまり残らないかも。風船のように飛んでいってしまいそう…。
読了日:12月3日 著者:吉野万理子
なきむしオバケ5つのお話 (ぞくぞくびっくり箱)なきむしオバケ5つのお話 (ぞくぞくびっくり箱)感想
低学年向け。かわいいオバケのおはなし5編…表紙イラストもかわいく、中身もスラッと読めてしまうので、低学年から中学年までいけるだろう。この中では、「おばけまんじゅう」が好きかも。江戸が舞台と、何かの話を彷彿するようだった。
読了日:12月4日 著者:日本児童文学者協会,後藤みわこ,寺島ゆか
カッパも やっぱり キュウリでしょ? (講談社の創作絵本)カッパも やっぱり キュウリでしょ? (講談社の創作絵本)感想
なぜキュウリが!?あんなことになるの?へ?なんで?って感じだが、でも何かヘーン!で、おもしろい。ナンセンス絵本。
読了日:12月4日 著者:シゲタサヤカ
としょかんねずみ2 ひみつのともだちとしょかんねずみ2 ひみつのともだち感想
本が好きで、物語を書くのが大好きなねずみサムのお話、第2弾! 図書館から借りた本で慌ただしく返却してしまったけれど、こういうえほんはゆっくりと楽しみたい。今回、勤務校にシリーズまとめて購入しました。子どもたちの反応が楽しみです。
読了日:12月4日 著者:ダニエル・カーク
としょかんねずみ3 (サムとサラのせかいたんけん)としょかんねずみ3 (サムとサラのせかいたんけん)感想
シリーズ第3弾では、サムに友だちが!行動力ピカイチのサラはサムにお似合い。夜の図書館を探険するのは楽しそうですね。本だけじゃなくて、関連するオブジェ?も飾っているだなんて、この図書館は相当いいですね!本もいいけど、実際に行動することはもっといい!このことに子どもたちが気づいてくれるとよいです。
読了日:12月4日 著者:ダニエル・カーク
怪談えほん (6) かがみのなか怪談えほん (6) かがみのなか感想
話はそれほどでもないが、絵が怖い。とくに目が…おしまいの見開き1ページのところ、ぞっとする。こういうことは、だれでも一度は考えることかもしれないが、じっさいに絵にして見ると。鏡が怖くてしぱらくトラウマになるかも?
読了日:12月4日 著者:恩田陸
オウリィと呼ばれたころ―終戦をはさんだ自伝物語オウリィと呼ばれたころ―終戦をはさんだ自伝物語感想
戦中、戦後と大変な時期につねに創作のことを忘れず、書き続けてこられた佐藤さん…すごいことと思う。生きていくだけで大変だろうに。キチンボーイからルームボーイ、そしてカレッジボーイへと移り変わっていく人生の変転。とても興味を惹かれました。日本のフェアリー・テールズを創ろうとされていたこと、本当によかったと思います。おかげで様々な物語が生まれました!
読了日:12月6日 著者:佐藤さとる
明日は、いずこの空の下明日は、いずこの空の下感想
上橋さんの本は久しぶりに読みました。初のエッセイよかった!好奇心旺盛な高校生のころから、上橋さんは上橋さんだったのですね!女子校の楽しさも伝わってきます。ボストン夫人と会ったエピソードもよかったです。
読了日:12月10日 著者:上橋菜穂子
ふゆのよるのおくりもの (ポプラ社のよみきかせ大型絵本)ふゆのよるのおくりもの (ポプラ社のよみきかせ大型絵本)感想
勤務校にあるので、ちょっと読んでみました。読み聞かせしてあげたい!!大きくて大変だけど。シリーズとは知りませんでした。
読了日:12月11日 著者:芭蕉みどり
キャロリングキャロリング感想
最近の有川さんの本は少し違う感じ。前回の養護施設の話もそうでしたが。心がじんわり温もるようなそんなお話。よかったです。まさに、キャロリング。聖なる夜にふさわしい。
読了日:12月18日 著者:有川浩
ぼくのニセモノをつくるにはぼくのニセモノをつくるには感想
自分らしさってなに?ぼくのニセモノをつくるには、ものすごいたくさんの情報がいる。その複雑な情報を使ってぼくのニセモノをつくるのは、限りなく不可能に近い。…ってことがよくわかるだろう。ひとにはさまざまな可能性がある。どんな木を育てるかもわからない、そんなただひとりのぼく。そのことを大切にしていくこと、それがいちばん大事。
読了日:12月18日 著者:ヨシタケシンスケ
サンタの友だちバージニアサンタの友だちバージニア感想
「サンタクロースっているんでしょうか?」アメリカ、ニューヨークの街に住んでいた8歳の少女バージニアの疑問に答えてくれた新聞記者チャーチさんのからの手紙と、質問をした少女のその後の人生を伝記ふうに紹介。目に見えないものを信じることは大切で、サンタクロースを信じないのは、妖精がいること、神様がいることを信じないのと同じこと、目に見えないものを信じる気持ちこそが人間にとって大事なことなのだ。人を愛する気持ち、思いやる気持ちがここから生まれてくる。バージニアは学校の先生になって子どもたちを教え導く人生を歩んでいく
読了日:12月18日 著者:村上ゆみ子
遠い日の呼び声: ウェストール短編集 (WESTALL COLLECTION)遠い日の呼び声: ウェストール短編集 (WESTALL COLLECTION)感想
やはりよかった。ウェストール短編集。どの話も味わい深く、愛すべき作品ばかり。どれも好きだが、とくに忘れがたいのは猫の登場する話。愛情のこもった作品だった!ウェストールの猫に対する愛情がよくわかる!子どもだけでなく、もっとたくさんの人に読んでもらいたい。宮崎駿の表紙画も素晴らしい。
読了日:12月22日 著者:ロバートウェストール
シャイローがきた夏シャイローがきた夏感想
何か後味の悪い話だった。犬を虐待したり、密猟期にはシカを打ってはいけない法律があるにも関わらず、自分の欲求のためにやってしまうジャドという人間にはよくない面がたくさんあったのに。マーティー少年はただ犬を救いたい一心で、取引をしてしまった。報酬のために働くのはいい、その熱心さにジャドが根負けしたのか?最後には約束を守ってくれる点はいい。だけど、このジャドはきっとこれからも似たような行為を繰り返すだろう。法律をおかすことをしたジャドは罰せられなくていいのか?しっかりと決着をつけてほしかった。児童書なのだから。
読了日:12月23日 著者:フィリス・レイノルズ・ネイラー
きみは知らないほうがいい (文研じゅべにーる)きみは知らないほうがいい (文研じゅべにーる)感想
学校という狭い箱のなかで生きていくのは、さぞつらいだろうな。いくら、学校なんてすぐに終わってしまうと言ったって。当事者にしてみれば永遠のようにも思えてしまうんだろう。携帯、LINEなどなど、今の時代の子は昔よりもさらにいろいろなツールが増えているだけに、疎外感も酷いだろう。この作品は小学校だけども、小学生の世界も相当シビアだ。君は知らないほうがいいと、知らなければ知らないですんでしまうのかもしれないのに。読み手に沿った話の展開はさすがだ。作者はどうしてこんなに彼らの心がわかるんだろうと思う。
読了日:12月23日 著者:岩瀬成子
トマス・ジェファソン 本を愛し、集めた人トマス・ジェファソン 本を愛し、集めた人感想
勤務校に購入。アメリカ独立宣言を書いたトマス・ジェファソンの伝記絵本。絵本とはいえ、読み応えがある。彼がこんなに本好きで、一生の間にたくさんの本を集めたことを知り、感動すらおぼえた。何回も戦火に焼かれ消失したのに、また当時は本は今よりも貴重なもので、作るのにも相当な努力がいることを思っても彼の無償の行為には驚きを感じずにいられない。アメリカの議会図書館に寄贈したことなどジェファソンがどれだけ本が好きかというエピソードは本好きにはたまらない。本が貴重だった時代は今よりもずっとずっと喜ばれていたんだろうな。
読了日:12月24日 著者:バーブローゼンストック
としょかんねずみ4 はくぶつかんのひみつとしょかんねずみ4 はくぶつかんのひみつ感想
勤務校に購入。としょかんねずみ第4弾では、初めて図書館を飛び出し、博物館へ!図書館もいいけど、博物館もね。小さなねずみにとっては大冒険でしょう!サラの絵が気に入られてよかったね♪
読了日:12月24日 著者:ダニエル・カーク
ゆうぐれゆうぐれ感想
夕ぐれから、だんだん町に灯がともっていき、クリスマスの夜を迎えるまで。しんみりしますね。
読了日:12月25日 著者:ユリ・シュルヴイッツ,さくまゆみこ
ムーン・ジャンパームーン・ジャンパー感想
月には人を惑わせる魔力がやどっているのかな?夜に外に出て、月を愛でる習慣があるのはちょっといいな。小さなムーンジャンパーたち…ほんとに月にジャンプできたら、楽しいだろうな!と、子どもだからこその発想。小さな子どもならだれもが経験あるだろう。不思議で美しい絵本。
読了日:12月25日 著者:ジャニス・メイ・ユードリー
落っこちた!落っこちた!感想
おばあちゃんがやって来たときから、大騒ぎ。金ののべぼうをさがして、家族だけじゃなくて、町じゅうの人々が公園を掘り返して穴だらけに。おかげで町の人たちは仕事もほったらかして、金ののべぼう探しに没頭したため、町の機能がゼロに!人騒がせなおばあちゃんだが、憎めない。最後の最後には、ちゃちゃとお宝発見して!?でも、ただひとりおばあちゃんを追い出さないで!と訴えたヘンリックだけには……ラストでは家族も元通り、いやそれ以上にいい感じに。コメディタッチが心地よい作品。
読了日:12月30日 著者:ザラー・ナオウラ
ヨコちゃんとライオンヨコちゃんとライオン感想
(三越前の)ライオンの銅像と小さな女の子ヨコちゃんとの触れ合い、とても可愛いお話でした。発行元も三越伊勢丹ホールディングスだから…ちょっと宣伝も入ってる?女の子がいつか成長した女の人になって結婚して子どもが生まれて、その間ずっとライオンさんは待っているって、歴史的時間の流れを描いてもいるようです。
読了日:12月30日 著者:文:角野栄子
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂3ふしぎ駄菓子屋 銭天堂3感想
第3弾では願い事をかなえてくれる不思議な駄菓子屋さんにライバル店あらわる。悪意ばかりを売るたたりめ堂。店主はよどみ。いかにもな感じだが、紅子さんは気にもしない。今回のはみな残念な結果に終わるものばかりだったが、しわとり梅干しとか、ミイラムネとか何とか挽回しようとするものがあって、そこは和んだ。便利な道具に頼ってばかりではよくない結果を招いてしまう。紅子さんもそこんとこわかってていろんな人に売っているんだろう。選択次第で、運命なんていくらでも変えられる?怖くて楽しいお菓子…目の前に差し出されたら断れないね。
読了日:12月31日 著者:廣嶋玲子

読書メーター


12月は絵本や軽く読める児童書ばかりでしたね。でも楽しく読めました。
この中では、ウェストールの短編集が秀逸でした。どの話も面白くて飽きません。
まだ読んでない作品もたくさんあるので、機会をとらえてまた読んでみたい!!

2014年も忙しい日々が続くかたわら、充実した読書ライフを送れたことに感謝します!!