ここ数回、「穀物」について書いています。
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「穀物」は、何故か「黄泉の国」「冥界の神」「死者」・・などと関係があるのですが、それについて考えてみたいと思います。
「日本書紀」
アマテラスがツクヨミに、葦原中国にいる神ウケモチを見てくるように命じます。
ツクヨミがウケモチの所へ行くと、ウケモチは、口から米飯、魚、獣を吐き出し、それらでツクヨミをもてなします。
ツクヨミはそれを見て「吐き出したものを食べさせるとは汚らわしい」と、怒ってウケモチを斬り殺してしまいます。
ウケモチの死体の、頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦・大豆・小豆が生まれました。
アマテラスは、民が生きてゆくために必要な食物だとして、これらを田畑の種としました。
「古事記」
空腹のスサノオを、オオゲツヒメは様々な食べ物でもてなしました。
スサノオがオオゲツヒメの様子を覗くと、鼻、口、尻から食材を取り出し、それを調理していました。
スサノオは「そんな汚い物を食べさせていたのか」と怒り、オオゲツヒメを殺してしまいます。
死んだオオゲツヒメの、頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生まれました。
・・多少違いはありますが、どちらの神話も「穀物が死体から生まれた」ということになっています。
そして「穀物=死体」に関係する話がもう一つ。
お寿司のご飯のことを「シャリ」と言いますね。
これはもともと仏教用語で「遺骨」を意味する「舎利(シャリ)」が由来という説があります。
火葬され細かく砕かれたお釈迦様の骨(仏舎利)の形と白さが、米粒に似ているからだそうです。
また、仏舎利には、土にかえり、めぐりめぐって「穀物(五穀)」となり人を助けるという「輪廻(りんね)」の教えがあると言われます。
そして、お寿司の材料のことを「ネタ」と言います。
これは寿司種(すしだね)の「種」が語源で、タネを逆さに読んだ隠語が「ネタ」とされています。
穀物の「種」とも関係があるでしょうか?? ( ゚д゚)
(米(穀物)の上に、種が乗っている?)
ギリシャ神話の「農耕神クロノス」が持つ「アダマスの鎌」は、「死神の大鎌」の起源とも言われます。
そしてその鎌で、父親ウラノスの男根を切り取ります。
ここにも、「種を刈り取る」? 因果応報の意味が隠れているような気がします。
なぜか「死」のイメージがつきまとう「穀物」・・ ( ゚д゚)??
そして、さらに「輪廻」や、種を蒔き刈り取る「因果律」・・そんな印象が感じられます。
「穀物」「死者」「種」「輪廻」「因果律」
このようなワードで、これからも考えてみたいです・・ (・∀・)