こんにちは
アンデスの世界観についての日本語サイト（Yachay Punku ヤチャイ・プンク）が出来ました。このサイトを作ろうと思いついてから一か月足らずで出来上がってしまったのは、本当に驚くべきことで、また非常にありがたいことです。また、サイトをアップした昨日、更に嬉しい知らせがありました。前のブログで触れたインカの末裔の村ケロ出身のロランド・パウカルのお父上であるセバスティアン・パウカルが来週リマを訪問するということで、初めてお会いすることができます。一緒に母なる大地（パチャママ）への捧げものをする儀式をすることができるということで、非常に感激しています。とても楽しみです。
さて、今日はエネルギーについて少し書きたいと思います。
アンデスの世界観では、エネルギーを「ポジティブなエネルギー」と「ネガティブなエネルギー」のように区別するのではなく、「洗練されたエネルギー＝サミ（Sami）」と「重いエネルギー＝フチャ（Hucha）」として捉えます。また、それぞれのエネルギーが個別に存在するのではなく、一つの生きたエネルギーが存在し、常にサミからフチャ、フチャからサミへと変化し、変換を繰り返すとされます。
つまり、全ては常に変化し、変換が可能ということです。従って、影響される前に、自分が影響を与えることができるということです。また更に意識が高まると、通常不利と見なされるものも、逆に利用して、自分自身を豊かにするために、自ら変換して有意義に使うことも可能になります。
アンデスの世界観によると、世界は天空世界（ハナ・パチャ）、地上世界（カイ・パチャ）、地下世界（ウフ・パチャ）に分かれていますが、天空世界（ハナ・パチャ）には洗練されたエネルギー、サミが豊富に存在します。地上世界（カイ・パチャ）に住む私たち人間は、天空世界（ハナ・パチャ）に敬意を示さず、天との関係が崩れると、サミを受け取ることができず、人間の行うあらゆる活動の結果、体の中には重たいエネルギー、フチャが増加していきます。フチャを溜め込んでしまうと、心身の健康に不調が生じる結果となります。フチャを体に溜めないためには、サミと交換する必要があります。
通常、私たちの体が健全な状態であれば、体のエネルギーは正常に流れ、天空世界（ハナ・パチャ）からサミを受け取り、重たいエネルギーのフチャは、自然に地下世界（ウフ・パチャ）である母なる大地に受け渡されます。また、母なる大地からは、代わりに洗練されたエネルギーであるサミを受け取ることができます。母なる大地から受け取るサミは足の裏から頭上まで流れ、今度は天空世界（ハナ・パチャ）へと受け渡されます。
フチャは母なる大地にとって必要不可欠な食べ物です。フチャを食べて消化することで、サミに変換することができます。つまり、私たち人間がフチャを母なる大地に受け渡さなければ、洗練されたエネルギー、サミを返すことができなくなります。また、母なる大地にフチャを受け渡さなければ、私たちは重たいエネルギーが体に溜まり、健康状態を維持することができません。私たちは常に母なる大地と互恵の関係にあるということです。そのことを意識し、母なる大地に感謝しながら、常にエネルギーの交換を行うことが非常に大切です。通常、私たちは主に夜睡眠をとることでフチャを母なる大地に受け渡していますが、意図的にそれを行うことも可能です。
また、意識が高いレベルに達すると、先に述べたように、「不利と見なされるものを逆に利用して、自分自身を豊かにするために、自ら変換して有意義に使うことができる」ようになりますが、外部のフチャを自分の中に取り入れて、自分で処理することができるようになります。他の人のフチャを意図的に取り入れて、自分の中に吸収し、それを消化し洗練することでサミを得ることができるようになります。これを、フチャ・ミクイ（Hucha Mikhuy）と呼びます。ミクイというのは、ケチュア語で「食べる」を意味します。
（上記は、http://yachaypunku.com/hucha_sami.htmlの内容を要約したものです）
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。