【最新動向】統一教会の解散命令請求(3/19) ~手続き、要件、命令の結果、過去の経緯など~ | 波立つ海に沈みゆく月 ~旧統一教会さよならブログ~

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統一教会は、だいぶ前から衰退している。二世の未来は全体として明るくない。
これに最後に責任を持つのは、本人と社会だと思ふ。(しばらくブログの本説明文をいじります)

旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の解散命令請求に関連し、3/1に統一教会に対する4回目の質問権が行使され、約110項目について報告を求めましたが、3/15の教団からの返事は封筒1通のみだったとのことです。現在、5回目の質問権行使の可能性があるとのことであり、解散命令請求の可否判断は4月以降にずれ込む公算とのことです。

 

以下、統一教会の解散命令請求に関連するこれまでの情報を集め、まとめておりますので、ご参考ください。もし抜けている情報や誤りがあれば、遠慮なくご指摘ください。

 

前回の記事から、主に12/9以降の動き(初回から4回目までの質問権の行使、12/8の解散命令請求を求める署名提出、統一教会側からの意見書や嘆願書の提出、2/3の教団財産保全のための野党法案作成の動きなど)、今後のスケジュールを追加しています。今後も不定期で、追加情報をアップデートしていく予定です。

 

 

[目次]

  • 宗教法人解散命令の手続きと要件
  • 統一教会の解散命令に関する主な経緯
  • 宗教法人解散命令の結果・影響
  • 宗教法人の調査(報告・質問)制度
  • 宗教法人の税制優遇(作成中)
  • 宗教法人法とその改正議論(解散命令関連)

 


  • [法令違反] 法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと(宗教法人法第81条第1項)。
  • [目的逸脱行為] 宗教法人法第2条(注1)に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと(宗教法人法第81条第2項)。

 

【解散命令請求の要件】は、文部科学省(9月12日など)の説明によると、具体的には「役職員が刑事罰を受けたこと」と解釈されるという。

(※統一教会について、2009年の新世事件があって懲役刑(注2)が出ているが、販売会社は宗教法人とは別法人のため、上記の解散命令の要件を満たさない。)

 

ただし、上記の条文にはそのような限定は一切なく、解釈の余地がある。これまで、解散命令請求について刑事事件の判例しかないのは、文化庁が刑事事件の事例(オウム真理教と明覚寺)でしか解散命令の請求をしなかったためと考えられる(注3)。

 

これに対し、岸田首相(10月19日)は、解散命令請求の要件に「民法上の不法行為」(民法709条(不法行為責任)および715条(使用者責任)を含む)も入り得るとし、そうした違法行為として認められるために「組織性・悪質性・継続性」を要件として述べた。

(※統一教会の問題は、すでに教団の組織的不法行為を認めた民事裁判例が多数(政府が確認したのは22件)ある。統一教会の事案は715条違反も多い。一方、問題の多くが家族間で起こっており、警察は積極的に立件しない。)

【請求人】について「利害関係人」も解散命令を請求できるが、これには信者が含まれるというのが通説である。国も含まれるという議論もある。債権者も含まれるが、教団が借金を返済すれば債権者でなくなるため、利害関係人ではなくなる。

 

【信教の自由との関係】については、宗教法人の解散命令は宗教法人格を剥奪するという重い結果をもたらすため、信教の自由を保障する観点からは慎重に判断すべきものである。

ただし、1996年のオウム真理教事件最高裁判決によると、解散命令は「信教の自由」の直接的な侵害にはあたらないとされる。宗教法人を解散したとしても、信教の自由は保たれる。その論理としては、宗教法人法は、団体が施設などの財産を所有して維持するために法律上の能力を与える目的であり、法による団体への規制は、精神的・宗教的側面は対象外で「信教の自由」に介入しようとするものではないからという。

 

注1:宗教法人法第二条 この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。
一 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
二 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体

注2:「新世」事件の論告。「新世以外の教区や全国の統一教会の物販店舗にまでその手法を広めていたことが認められる」「犯行の動機・目的は極めて反社会的で悪質である」「統一教会の組織を背景に同種手口で信者や献金の獲得のために活動している他の会社にも多大な影響を及ぼした点も悪質である」

注3:オウム解散の理由は 「本件プラントによるサリンの生成は、...殺人予備行為に該当することが明らかであるのみでなく、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為であり、また、宗教法人法2条の定める宗教団体の目的を著しく逸脱した行為であることはいうまでもない」(参考:判決文)

 

 

■統一教会の解散命令に関する主な経緯

  • 【参考資料集】統一教会の解散命令請求~これまでの経緯と参考記事~→こちら

 

2022年10月19日、岸田首相は参議院予算委員会で、統一教会の解散命令請求の要件に関連して「行為の組織性や悪質性、継続性などが明らかになり、宗教法人法の要件に該当すると認められる場合には、民法の不法行為も入り得る」と述べた。

 

2022年10月24日、岸田首相が参議院予算委員会で、統一教会への質問権行使に当たり、被害者らから直接話を聞く考えを表明した。 

2022年12月9日 初回質問権行使(11月22日)に対する回答が、文科省に届く。段ボール8箱分の文書。

 

2022年12月9日 解散命令請求を文化庁に求める署名20万超筆が、文科省に提出。

 

2022年12月10日 統一教会が「質問権行使は違法」とする意見書を文科省に提出していたことが分かる。

 

2022年12月14日 文科省が統一教会に対して2回目質問権を行使し、高額献金を巡る22件の民事判決など、より焦点を絞った報告を求める。

 

2022年12月21日 統一教会が、解散請求をしないよう求める信者約2万3千人分の嘆願書を、岸田首相宛で文化庁に発送。


2023年1月6日 2回目質問権行使(12月14日)に対する回答が、文科省に届く。段ボール4箱分。

 

2023年1月18日 文科省が統一教会に対して3回目質問権を行使し、信者からの献金や韓国本部への送金といった指揮命令の仕組みや資金の流れなどについて、約80項目について報告を求める。

 

2023年2月3日 立憲民主党と日本維新の会の幹部が、解散命令が請求された場合に教団の財産を別の団体や個人に移すことを禁じる法案を共同で作成する方針で一致。

 

2023年2月7日 3回目質問権行使(1月18日)に対する回答が、文科省に届く。段ボール2箱分。

 

2023年3月1日 文科省が統一教会に対して4回目質問権を行使し、教団の組織運営や各地教会の管理、信者団体の信徒会と教団の関係などについて、約110項目について報告を求める。

 

2023年3月15日 4回目質問権行使(3月1日)に対する回答が、文科省に届く。封筒1通

 

2023年3月16日 教団側の弁護士が文科省に申し入れ書を繰り返し送り、ほかの宗教団体で起きた事件の裁判例などをもとに解散命令請求をしないよう求めていることがわかる。

 

 

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