ただ見つめ合うだけで幸せなんて。
そんな事あるんだなあと、食事を口に運びながら、相葉は心密かに思う。
少しだけ垣根を取り払った関係は、相葉に安らぎと居心地の良さを与えてくれた。
ヒートが起る前、それなりに気の置けなかった頃の二人より、更に一歩、前に進んでる。
気持ちを隠す必要が無いと言うのは、なんて自由なんだろう。
恋人同士って思っていいのかな?
でも、ちょっと恥ずかしい。
櫻井の目力で見つめられてしまうと、つい、色んなことが疎かになってしまうのだ。
だって、あまりにもカッコイイので……。
淀みない会話には、ちらほら、二人の未来があって、そんな事にもドキドキさせられる。
幸せな空間。
自分の作った料理を、如何にも美味しそうにガツガツと食べている様子に、相葉は思わず顔がにやけてしまうのだ。
「雅紀。あんま、食べないね。腹減ってないの?」
いつの間にか箸の止まってる相葉を気遣う櫻井。
そんな優しい思いやりに、相葉の胸がきゅんとしてしまう。
でも、櫻井の豪快な食べっぷりに見惚れていたなんて言えない。
「う、うん。昼が遅かったからかな」
実は、そんなには食欲の湧かない相葉であった。
身体が疲れていないと言えば、嘘になる。
それだけ、アルファとの行為は、ヒートでなければ負担が大きいという事だ。
しかし、そんな身体の不調だって、愛される歓びを知った今の相葉には嬉しいだけ……。
ふと、行為の断片を思い出しそうになって、慌てて話題を変えた。
「そう言えば、翔さん、今日、お仕事は?」
すると、櫻井はばつの悪そうな顏で頭を掻く。
「断りも無しで、勝手に早退しちゃったもんな。会社には連絡したよ、体調不良だったって、嘘吐いちゃったけど」
「でも、どうして?責任感の強いあなたが、いきなり仕事を放ったり、……したの?」
「いや、昼に、大野さんと会ってさ……」
「先生と?」
相葉は自分の主治医でもある大野の穏やかな瞳を思い出す。
「大野さんがさ、俺と雅紀が、特別な関係じゃないかって……」
「特別な関係?それって……」
やっぱり、大野には自分の本当の気持ちを見透かされていたのかと相葉は思う。
あの先生には、昔から、そんな不思議な力があった。
相葉も二宮も、彼の存在には何度となく救われてきたのだ。
「いや、それはイイんだけど。実は……」
そこで言葉を切った櫻井は、さっと席を立つ。
「えっ?翔さん、ご馳走様?」
何か気に障るようなことをしたのかと相葉がヤキモキしていると、櫻井は何かを手にして、すぐに戻ってきた。
しかし、自分の席には戻らず、相葉の傍らにそっと立ち尽す。
「翔、さん?」
「これ、受け取って欲しい」
そう言って、櫻井は小さな箱を両手で差し出す。
「えっ……」
相葉は絶句する。
それは明らかに指輪の箱で……。
迷わず跪いた櫻井が、おずおずと蓋を開く。
「真っすぐに、雅紀んとこ帰ろうと思ったんだけど、途中、寄り道した。どうしても、俺の気持ちをカタチにしたくて」
そこには、シンプルなデザインのプラチナの指輪が二つ。
同じサイズで、並んで輝いている。
まるで双子みたい……。
色んな感情が湧き上がる中、相葉はぼんやりとそう思っていた。
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これ、ちゃんとしたプロポーズかな?(*゚ー゚*)
さて、今夜はMステ!フルバージョン!!!
カッコイイ嵐さん達と、当然、素敵な櫻葉爆弾をくださいな!!