人でなしと呼ぶには 46 | sub rosa

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みどりさんが好きです!

きいろさんも好きです!

そして、とーぜん、5色も味わい深い。

最近、あかさんが伸してきましたぞい!

「まーくん、お帰り!」

 

狭いアパートだ。

部屋にいた二宮は玄関前の気配に気づき、待ちかねたとばかりに内側から勢い良くドアを開けた。

 

 

しかし、そこに居たのは相葉だけでは無かった。

相葉の肩を抱いた櫻井と目が合う。

 

 

まただ。

 

またあの瞳を覗き込んでしまった。

 

自分と同じ瞳を……。

 

 

「和、ただいま。遅くなっちゃってごめん」

 

相葉はそっと櫻井を押しやると、二宮に向かって少しだけ気弱な笑みを浮かべた。

そこにある遠慮めいたものに、二宮は眉を顰める。

 

「二宮君、すまない。俺が引き留めたんだ」

 

そう言って、櫻井は相葉の肩にのせた手に力を込める。

 

絵に描いたような騎士道精神。

二宮は突き放した思考でそう思う。

 

「構わないですよ。どうせ、まーくんは、金であんたに買われてるんだから」

 

「和!」

窘める相葉の声にも、二宮は少しも動揺しない。

 

ちゃんと覚悟が出来ているのだ。

 

長い時間、大切に、大事に培ってきた思いを成就させるという覚悟が。

 

冷やかな眼差しで櫻井を見やれば、やがて相手は、小さな溜息を漏らした。

 

「すまないついでに、もう一つ、話があるんだ君に……」

 

「何ですか?こんな遅い時間に」

 

「もう!和、失礼でしょ!」

 

すると、相葉の胸元できらりと光るものが二宮の目に飛び込んで来た。

 

 

無言で相葉に手を伸ばす。

 

注意深く見れば、昨日、自分がした首輪は傷だらけになり、相葉の細い首にも赤く擦れた痕が残る。

しかし、一番気になるのはそこじゃない。

 

二宮の意図に気づいた相葉は、咄嗟に後ずさろうとしたが、櫻井がいるので動けない。

 

スローモーションのように、二宮の指が自分の首筋に届いたのを感じる。

 

二宮の指先に触れたのは細いチェーン。

掬い上げれば、シンプルだが高価そうなプラチナの指輪が揺れた。

 

 

頭がかっとするのと同時に、心が氷のように冷たくなる。

 

 

傷だらけの首輪。

 

首から下げたプラチナ・リング。

 

 

それらが意味するものは明白だ。

 

 

……最愛の人に裏切られた?

 

いや、最愛の人を奪われたのだ。

 

 

 

 

 

二宮は、すうっと全身の血の気が引いて行くのを感じる。

 

生まれて初めて、本物の怒りを覚えた瞬間だった。

 

夢なんて見ないと、決めていた心。

相葉によって、その心はゆっくりと解され、一緒に描いていた二人の未来。

 

そこには、相葉の笑顔が必要なのだ。

 

 

 

だが、……まだ間に合う。

 

完全には奪われてはいない。

 

 

 

「か、和、これはね!あの、でも、櫻井さんは悪くないの!」

 

「二宮君、俺、……相葉くん、いや、雅紀にプロポーズしたんだよ。本気なんだ」

 

互いに支え合い、庇い合うようにする二人。

 

お似合いの二人だ。

 

二宮の口元に笑みが浮かぶ。

 

 

「なるほど。そういう事ね」

 

 

その声音には諦めとも取れる響きがあったが、二宮の瞳には、違う色が覗いているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

貴族探偵、3話。

 

またまた、新たな御前の魅力が!!

 

眼鏡にぎゃーっ!となり、シュビ様との戯れにむらむらし、そりゃ、もう大変でした!

ううっ、続きも楽しみです!!笑い泣き

次回、15分拡大なんですよねえ。

 

はたして、御前の入浴シーンはあるのかな?ニヤリ

 

しかし、ニノちゃんの30日のベイスト。

すごかったね。

重かったね。

 

これは、ちゃんと語りたいなあ。

時間差でもイイから、自分なりの思いを吐きだしたいな。(T_T)