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相葉はスマホの画面を見つめたまま、何度目かの溜息をついた。
おつかれさま。今日も遅いの?無理しないでね。
そこまで打って、やっぱり消す。
櫻井はここ最近ずっと忙しい。短いやり取りはあるけれど、前みたいにどうでもいい話をぽんぽん投げられる 感じではない気がしていた。返事を待たせるのも悪いし、読んだ瞬間に気を遣わせるのも違う。そう思えば思うほど、送れる言葉は少なくなっていく。
せめて邪魔はしたくない。
それが相葉なりの思いやりだった。
数日ぶりに会えたのは、九月のとある夜だった。
部屋に入ってきた櫻井は、いつも通り「お疲れ!」と言って、いつも通り相葉の隣に座った。肩が触れる。たったそれだけで、会えなかった時間が少しほどける。
ほっとしたのも束の間、櫻井が低い声で言った。
「最近、やけに聞き分けいいよね」
穏やかな言い方なのに、胸にひっかかる。
相葉は笑ってごまかそうとして、うまくできなかった。
「え、なにそれ」
「そのままの意味だけど?」
「忙しそうだったから。連絡も、あんまりしないほうがいいかなって」
言うと、櫻井は黙った。怒らせたかもしれないと思った瞬間、隣から小さく息を吐く音がした。
「それ、気遣ったつもり?」
「……つもり、だけど」
「その気遣いで会えないほうが、きつい」
思わず櫻井を見る。視線がぶつかる。
少し疲れた顔をしているくせに、その目だけはまっすぐだった。
「邪魔したくなかったんだよ」
「邪魔かどうかは、俺が決める」
きっぱり言われて、相葉は言葉をなくす。
櫻井はほんの少し眉を下げた。
「忙しいのは本当。でも、おまえから来ないと」
そこで一度言葉を切って、少しだけ困ったように笑う。
「来ないなら来ないで、平気なんだって思いそうになる」
そんなふうに思っていたなんて、知らなかった。
相葉は慌てて首を振る。
「平気なわけないじゃん」
思ったより強い声が出た。
「会いたかったし、連絡だってしたかった。でも、負担になるならやだなって」
最後まで言い切る前に、櫻井の手が伸びてきて、指先を包まれる。
そのまま引かれて、肩が触れるより近くなる。
「負担でも、少しくらい背負わせて」
低くてやわらかい声だった。
「雅紀のそういうの、俺はむしろ欲しい」
胸の奥がじんわり熱くなる。
相葉が小さく「わかった」と答えると、櫻井はすぐに「うん」と返した。短いのに、ひどく安心する響きだった。
しばらく黙ったまま寄り添っていると、櫻井がぽつりと言う。
「次からは消す前に送って」
「見てたの?」
「だいたい分かる」
ずるい、と笑えば、櫻井もやっと少し笑った。
「じゃあ今送る」
「今ここにいるのに?」
「いるから言えるの」
相葉は櫻井の手を握り返して、照れくさいまま、それでもちゃんと口にした。
「会いたかったよ、翔ちゃん。今日って日は、特別に……」
櫻井は一瞬だけ目を細めてから、握られた手ごと引き寄せる。
「そういうのは、ちゃんと毎回送って」
近すぎる距離で言われて、相葉はもう笑うしかなかった。
でも次は、ちゃんと送ろうと思った。遠慮で黙るより、会いたいと伝えるほうが、この人はきっと喜ぶから。
「じゃあ、お返し」
そう囁いた唇が、密やかに近づいてくるのを、相葉は冷えた肌で感じるのだった。
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嵐結成27周年!おめでとう!!
まったく、彼らには敵わないよね!