人でなしと呼ぶには 44 | sub rosa

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みどりさんが好きです!

きいろさんも好きです!

そして、とーぜん、5色も味わい深い。

最近、あかさんが伸してきましたぞい!

櫻井に連れられてマンションに戻った相葉は、急いで料理を仕上げた。

 

ブイヤベースの味を調え、手早くサラダを作る。

 

心の動揺はまだ完全には消えなかったが、櫻井と一緒にいるだけで、自然と落ち着きを取り戻していく。

 

相葉の周りを手持ち無沙汰でうろつく櫻井が、気遣って手伝おうとするが、それが返って邪魔なだけなのも、心にゆとりを与えてくれる。

 

キッチンに、食欲をそそる、いい香りが満ちて来た。

 

「それ、俺が運ぶよ」

 

ブイヤベースの鍋を鍋つかみで掴んだ相葉に、そう櫻井が声を掛ける。

 

「そう?熱いから気をつけてくださいね」

 

鍋をレンジに置くと、相葉はふわりと優しく笑った。

 

涙の痕が残るそれは、とても綺麗で儚げに見える。

 

櫻井はぐっと息を詰まらせ、それからゆっくり吐いた。

 

「あのさ、それ、止めねえ?」

 

「えっ?……何をですか?櫻井さん」

 

不意に不安になった相葉は、少しだけ胸が切なくなる。

すると、瞳を泳がせた櫻井は口籠りながら早口で言う。

 

「そ、それ、その敬語だよ。それに、櫻井さんってのも……」

 

「でも……」

 

「だって、他人行儀じゃねえ?い、一応、俺達好きあってる仲なんだし、それも、もうヤっちゃってるし……」

 

照れたような拗ねたような口振り。

 

それを聞いた相葉は、自分の頬が赤くなるのを感じていた。

行為の最中、櫻井は何度も雅紀と呼んでくれたのだ。

 

 

 

「もう少し、相葉くんも俺を信じて、遠慮を無くしてくれてもイイんじゃないかな?」

 

「じゃあ、櫻井さんも」

 

「んっ?俺?」

 

「俺の事、相葉さんって」

 

「ああ、じゃ、じゃあ、雅紀……。雅紀って、ほんと、綺麗な名前だよな」

 

「そう、ありがと。でも、名前だけ?」

 

黒々とした瞳を細めてそう返せば、櫻井は簡単に慌てた。

 

「ち、ちげえよ!雅紀は、ぜ、全部が綺麗なんだよ!心も身体も!俺はだから……」

 

櫻井は、目の前にある少し華奢な身体を抱きしめた。

 

 

「雅紀が好きだ」

 

「俺も、俺もあなたを諦められない。翔、翔さんが好きだから……」

 

櫻井は、一瞬、自分の耳を疑った。

だが、湧き上がる多幸感は本物だ。

 

「雅紀……」

 

抱きしめていた腕を緩め、口付けしようと頭を傾ける。

 

その時、二人の間でぐうーっと音が鳴った。

 

バツの悪そうな顔をする櫻井に、相葉は楽しそうな洗い声を上げたのだった。

 

 

「翔さん、冷めちゃうから、先にご飯にしよう?」

 

 

 

 

 

*****

 

TVふぁん!

 

そうとう、酷いことになってますねえ。

櫻葉、リア充か!!

 

ああ、素晴らしいなあvv