世界の道の曲がり角 The Bend in the Road around the World

世界の道の曲がり角 The Bend in the Road around the World

山と旅と写真の記録。旅中は生存報告ツールとして。

2019.1~2020.3世界一周完
2022.3山を求めて長野県に移住
2025.8再び旅に出る

12月14日(日)

Palaver Point上陸
Hydrurga Rocksクルーズ



朝、あんなにひどかった揺れがだいぶおさまり、ウシュアイア号の目の前には大きな白い陸地が広がっていた。
これが、南極…!!!
正確にはその手前の小さな島々のどこかなんだけど、ドレーク海峡でぼろぼろになった後ではそんな細かいことはどうでもよい。南極は南極だ。

準備してゾディアックボートへ向かう。気温は2度。意外にもマイナスにはなっていない。服装もそんなに重装備じゃない普通の防寒着。
無印良品のババシャツ
半袖Tシャツ
ウインドブレーカー
ロングパンツ
あったかそうな靴下
これにWayfindersさんのジャケット、防水パンツ、ニット帽、ネックウォーマー、自前手袋、サングラス
船で借りる長靴、ライフジャケット



まずは足元をブラシ付き消毒液のバケツでガシガシ洗う。長靴は浸水した。ちょっと予想してたけど案の定で最悪やん。午後の部までに交換してもらった。



8名ずつゾディアックボートに乗せられる。



行ってきまーす!



目指す陸地の表面になにやら黒いものがびっしりと…



ペンギン!
南極第一ペンギンとの遭遇だ。小さなヒゲペンギン(Chinstrap Penguin)がそこかしこに普通にいる。あたりはペンギンのウンコだらけでやや臭い。



今の時期は産卵した卵を温めている最中。ヒナが生まれるのはクリスマス以降らしい。そうか〜、動物はそのとき見られるものを見られたらいいと思っていたけど、いざ見られないとなるとヒナ見たかったわ〜。



海から帰ってきて?岩の上を目指す下のペンギン。よちよち歩くのはやはり大変なようで、たまに腹ばいになって両手足で進んでいる。なるほどかしこい。



頑張って進むペンギン。しんどすぎて無になってるペンギン。ペンギンってどうしたってかわいく見える姿をしているな。



私も歩き出す。南極上陸記念。(正確には島だけど)



島は一面ざくざくの雪で覆われていて、ところどころ岩が顔を覗かせている。



高く登ったところから。点々と見えるのはペンギンではなくニンゲン。他の船の客もいるものかと思っていたら我々ウシュアイア号だけらしい。貸切感ある。



向かいには大きな雪の塊。近づけばもっとすごいスケールを感じられるだろう。ところどころ割れてクレバスになっている。



南極にも植物がある。こんもりした苔。こんな環境でも生きていけるんだな。



岩の表面にも地衣類?。これも生態系に欠かせない生き物だと北アルプスの雲の平で習った。



ペンギンの足跡。足跡までかわいいなんて奇跡の存在。



ニンゲンの通り道を堂々とよちよちぴょいぴょい通過するペンギン。我々が5m以上近づいてはならないと言われているのに自ら近づいてくるんじゃねえかわいすぎるだろ。



2時間半ほどでボートに乗って島を後にした。さよならペンギンの島。



さよならと思ったらそのへんに浮かんでいる氷の上にペンギンがいる。こんなところまで泳いできたのかい?
陸の上ではよちよち歩きのペンギンも海の中ではスイスイ泳ぐ姿はテレビでも見たことがある。ここのペンギンも時々海の上に顔を出すシーンを見かける。



午後はゾディアックボートに乗って散策。あたりを高い山が取り囲んでいるスポット。



ここから見ているとそんなに高そうに見えないが標高は4000mにもなるそうだ。遠近感狂いまくり。
周りに立ちはだかる岩壁を見るとジョンミューアトレイルの地獄の峠越えを思い出して苦しい。どこから登ってどこを越えるのか見当もつかない。いや、この岩壁は登らなくていい。ボートから眺めているだけでいいのだ。よかった。

それにしても、南極にもこんなにでかい山がこんなにいっぱいあるのか。マジで世界は広すぎるし、自然は大きすぎる。ニンゲンなんてペンギンと大して変わらないかわいらしさ。



奥に見えるのは正真正銘の南極大陸。このちょびっと見える岸から奥にとんでもなく広大な大陸が広がっているんだな。果てしねぇ。



水面の反射が美しい。



ブラックアイス。中の空気が抜けて水中では黒く見えるからそう呼ばれる。浮かんでいる氷山はまさに氷山の一角でしかなく、その水中には7、8倍の大きさの氷の塊が存在する。ぶつかって沈まないよう注意。
ゾディアックボートはゴムボートではあるが多少の氷にぶつかったところで問題はない。けどちょっと尖った氷にぶつかるだけでもそわっとする。無事ウシュアイア号に帰還して終了。



夕食後、アナウンスがあってあわててデッキに出てみればクジラが泳いでいた。それも3頭ぐらいの集団があちこちに3グループぐらいいる。ときどき水面に顔を出してはプシューっと潮を噴き上げ、大きなヒレを出して泳ぐ。そのうちひと組は大接近して船の真下を潜り抜けてくれた。大きな黒い影がゆっくりと通り過ぎるのは圧巻。



わあクジラや〜!と普通に受け止めていたけど、よく考えたら生きて泳ぐクジラを見たのはこれが初めてだったかもしれない。テレビで見た光景を自分の目で見て知っている光景として混同してしまっている。いかんいかん。



この傾きかけた太陽と南極の海、そして悠々と泳ぐクジラという組み合わせがあまりにも非現実的でエモーショナル。私、なんかすごい場所にいるなぁとふわふわした気持ちになる。



西日が差し込む21時。ロビーではお楽しみ会が開かれた。ムードメーカーなスタッフさんの歌とダンスをはじめ、みんなで体を動かすダンス、そしてお客様の中から有志で歌を披露するグループもいた。選曲はまさかのタイタニック「My Heart Will Go On」。おいおい縁起でもねぇwwとも思うが、世界中の誰もが知っていて、かつツッコミどころもある曲のチョイスに感心した。世界中で知られてるって実はすごいことだ。これまでの数日間で話した中でもイタリアにドイツ、ウクライナ、カザフスタン、フィリピン、タイ、アメリカやカナダなど出身国は実に様々である。

楽しい夜を過ごして4日目終了。
12月13日(土)
 
ドレーク海峡後半
 
今朝起きるとまたなんとなく体調が悪い。船の揺れに負けてる。ドレーク海峡前半を乗り切ったしもう大丈夫だろうと思ったら大丈夫じゃなかったみたいだ。壁にくっついて寝るのはたしかにいい案だったがそれでも揺れるもんは揺れる。
朝食は軽めにしておき、食べたからには絶対その栄養をモノにするという固い意志で心と胃をどうにか落ち着ける。
 
ドレーク海峡の後半を渡る今日は講義はなく午前中に島へ渡る小型のゾディアックボートについての説明があった。午後からチャンスがあれば早速アクティビティ開始の予定だったが天気が思わしくないので一日船内で過ごすことになる。こんな体調でゾディアックなんぞやれる気がしなかったので全然構わん。

 

 

ランチの前菜。すっきりするきゅうりだけいただく。

 


パンプキンポテト?とお肉。食べられるだけ食べておく。

 


デザートにアイスクリーム。こんな美味しそうなアイスクリームですら美味しくない可能性があるのでまたおそるおそる口をつける。よかった、期待通りの普通のおいしいストロベリーとチョコレートのアイスだ。

 


船酔いだか寝過ぎだか分からんが頭も痛い。
私は何も言わなかったが見るからに体調が悪そうだったのかもしれん。同室のイタリア人のAnnaはすごく気を遣ってくれたし、スタッフさんも何人か声をかけてくれた。みんないい人。
フレッシュな空気を吸ってくるとちょっといいよとスタッフさんが言ってくれたので外に出てみる。寒い。いつのまにか南極大陸が近づいてまわりの島々が見えていたようだ。(私は見逃した)

 


明日の乗る予定のゾディアックボート。ゴムボートって感じ。

 


そのゾディアックボートについてだが、なんかよく分からんけど午前は9時半、午後は15時に集まりさえすれば何とかなりますかね、了解。カメラ充電しとかないとな。

 


夕食はイタリアーノパーティーと称されたピザパ。味は普通にピザだった。普通でいいねん普通で。
ずっと船酔いで姿を現さなかったSくんが久々に出てきたので話しながら食べる。食堂では誰かとテーブルをシェアすることになるが、英語での会話が毎回となると億劫にもなる。日本語でベラベラ喋らせてもらえるのがありがたい。

 

 

デザートはケーキ。まあ食べられる味ですねといいながら食べる。この微妙なニュアンスを含んだ感想を伝えられるのが母国語ならでは。
 
荒波エリアをほとんど抜けたのか夜には揺れはだいぶマシになって体調も落ち着いてきた。もういいかげん揺れない場所に立ちたい。
明日はいよいよ南極大陸の島に立てる……はず。

12月12日(金)

 

ドレーク海峡前半

 

 

今日明日2日間かけて南米大陸と南極大陸のあいだにあるドレーク海峡を渡る。ここが荒波でめっちゃ揺れるというのが南極クルーズの難関の一つだ。

体調も万全じゃないし、しかもよりにもよってめまいを起こしている。健康体でも酔うであろうドレーク海峡、こんな体調で行ったら最悪に酔って取り返しのつかないことになるかもしれない。


それが酔い止めの薬の効果もあってか乗船ギリギリでほぼ全快に至る。ドレーク海峡には深夜のうちに突入していたが体調悪化なく問題なかった。

我が身が的確に照準を合わせてきてる。

すごい。

 

ドレーク海峡の揺れは船が左右に大きく揺れるタイプの揺れだった。

 

 

窓の外が一面空になったかと思えば

 

 

次の瞬間一面海になる。

 

 

船内にいると大きくよろめくほど。ずっとシーソーに揺られている状態だ。だけど一定のペースでずっと揺られているのでそれに合わせて重心移動すればなんとかなる。もっと予測不能な激しい揺られ方をするのかと思っていたので対応できそうでホッとする。

 

 

朝食はビュッフェ方式。万が一ここから酔った場合に備えてあまり食べすぎないようにしておく。

 

テーブルを共にしたのは同室のイタリア人のAnnaと、同じWayfindersさん経由でツアーを申し込んだドイツ人ご夫婦だ。年代はひとまわり上ぐらいかな?ドイツ人ご夫婦は約1年の計画で世界旅行に出かけて2週間目のグアテマラのビーチでくつろいでいたところ、宿が火事で全焼してパスポートも荷物も何もかも燃えてしまったというトンデモエピソードを披露してくれた。そんなことある?私だったら心折れていったん帰国しますね…とコメントしたら、パスポートがなかったから帰れなかったんだよねぇと笑っていた。なるほどそりゃそうだ。そのときは再発行に走ったり服を調達したりと色々大変だったようだがどうにか旅を続行して今南極行きのフェリーに乗っているらしい。それはそれは、忘れられない思い出ですね。

 

 

船にはいろんな分野の専門家が乗っていてかわるがわる色んな講義をしてくれる。午前は氷についての講義だった。氷河のなりたちや変化、なぜ青く見えるのかなどなど色々。英語が分からないなりにけっこう真剣に聞いた。やっぱり私、人類の営みよりこうした自然の営みのほうが断然興味あるな。

 

 

その後はスタッフさんに連れられて屋外デッキへバードウォッチングに出る。

 

 

いつのまにか南米大陸は遥か後ろに姿を消し、見渡す限りなにもない。あるのは空と海ばかり。

 

 

正面。これまたなにもない水平線の先にまさかあんな大きな大陸が待っているなんて今は想像もできない。

 

 

海の色がやけに青く見える。これまで水のいろんな青色を見てきたつもりだけど、どことも違う。なんていうか群青色みたいな?深い青色だ。美しい。

 

 

カモメ…か何か知らんがお目当ての海鳥がこれでもかと悠々と飛び回っている。普通サイズのカモメに見えるがやはりこんな場所にいるのは独特の品種のようで、羽を広げたサイズは3mにも及ぶものもいるらしい。

カモメ(?)は魚をとるでもなく船にとまるでもなくひたすらに風にのって舞っている。講義によると寝る間も飛んでいるらしい。どゆこと?

何を思ってこんなところでそんな生き方をしているんだろう。カモメにきいたところで「知らん」と言われて終わりそう。

 

 

ランチはまずはカリフラワーチーズのせ。うん、まあいける。

 

 

牛肉ステーキとポテトフライ。これもいけるな。デザートもまあ問題ないフルーツ。

昨晩のレモンクリームがそれはもう衝撃的な不味さだったので料理が出てくるたび恐る恐る食べるようになってしまった。

 

午後は南極大陸についての講義。これもまた興味津々ではあったんだけど、なんせ英語をずっと集中して聴くのは非常に疲れるので、、途中から寝た。

 

 

夕方、またバードウォッチング。雨がぱらついてきて早々に引きあげる。

 

夕食まで時間があったので先にシャワーを浴びてしまうとする。2部屋でシャワーをシェアするので夜だとゆっくり浴びていられない。夕方みんなが団らんしている間にゆっくり使わせていただくのが吉。

 

 

夕食。…謎の……謎。なんだったんだろうこれ。とうもろこし…?みたいな穀物っぽい味がした気がしたけど見た目は粟みたいな…でも…謎。とりあえずマズい。ハッキリ言うけどマズい。



メインディッシュはボロネーゼ。これも…マズい。いや、ボロネーゼがマズいことってある??麺からして茹ですぎなかんじがあるし、ボロネーゼの味付けもなんかへんに酸味がある気がするし…。同室のイタリア人のAnnaはこれを食べてどう思ったんだろう。こうまでマズいものを出されると、私の味覚がおかしいのかなと自分の舌に自信がなくなってくる。



デザートはりんごのコンポートはちみつ漬け。おそるおそる食べるとまあまあ普通に食べられるお味だった。ほっ。


同テーブルは香港人のおじさんとカザフスタン人のお兄さんだった。香港人のおじさんは何度も日本を旅行しているらしい。カザフスタン人のお兄さんはアルマトイにお住まいだそうで、いかに良き町だったかを語らせていただいた。


寝る時間。昨晩は横になっていても船の揺れが大きくて転がっていきそうだった。それで無意識に踏ん張っていてなかなか寝つけず、おかげでめっちゃ寝不足だ。今晩はベッドの壁にくっついて寝てみようと思う。そうしたら転がっていくことはないだろう。

南極から!帰還!!

わー!!!

日々の記録行きます。



12月11日(木)

16:00 乗船

17:30 ウェルカムレセプション

18:00頃 出航

避難訓練

20:00 夕食

 

さあいよいよ南極へ出発する。出航は夕方。前のツアーが朝に帰港して、その日の夕方には次のツアーが出航する仕組みらしい。船めっちゃ働くやん。そのための船なんだから当然か。万が一何かしらで予定通りの日に帰って来られなかったらどうするんだろう。こんなにカツカツのスケジュールが組んであるほどだから遅れるなんてことはないのかもしれん。

 

夕方の出航まで宿でだらだらさせていただく。体調は今朝起きるとだいぶ軽快していた。最後に自分で買った酔い止めを飲むと昨日までの体調不良が嘘のようにおさまる。最初は熱っぽかったのが昨日はそれよりもなんだか軽いめまい吐き気がしていたんだけど、そこに酔い止めが効いたのか?

もしかして船に乗る前から船酔いしていたのか?

 

 

ウシュアイアの港のゲートはちいさいのが一つあるだけ。荷物検査でX線を通して通過。

 

 

立派な船がぎっしりと停まっている。実はパナマ海峡で大きな船を見ている時ももうすぐ迫る南極クルーズに思いを馳せていた。べつにお金持ちでもなんでもないけど南極クルーズ行っちゃいます。

 

 

でかーい!

まるで駅前の新築マンションかのような船。

 

 

でかい船を見てタイタニックを思い出したのは言うまでもない。不謹慎。ちゃんと救命ボートがたくさん載ってる。


 

その駅前新築マンションのお向かいにとまっているこのプリチーな船が私の乗るウシュアイア号だ。港に空きがないため小型船に乗って沖に停泊しているウシュアイア号まで行くと聞いていたので、その小型船なんだと思っていたらウシュアイア号ご本人だった。小型船とか言ってごめん。

 

 

ウシュアイア号という名前は前にも聞いたことがあったのでそれに乗れるというのが嬉しい。豪奢なクルーズ船でなく、元は探索船だった船で設備や内装はシンプル。バックパッカーで世界中を探索している私にぴったり。これで南極も探索しに行っちゃおうではないか。

 

乗り込むまで列に並んでしばらく待つ。そのうち小雨が降ってきた。乗船手続きがなかなか始まらない。おい早くしてくれよ濡れるじゃないか今度こそ風邪をひいたらどうする、とイライラしてきちゃう。これから南極行こうって人間が雨ごときにイライラするだなんてだめだめ。もっと優雅で広い心を持たなきゃ。

 

 

名前を確認されて乗船。船内のロビーで正規の受付をする。パスポートはここで預かられて下船時に返却される。

 

 

スタッフさんに案内されて部屋へ。急な階段に狭い廊下。

 

 

お部屋は下から二番目のクラスの2段ベッド部屋。上下段ともちゃんと座ることはできない低さ。写真で何回も見ていた部屋だが実物は思っていたよりもけっこう窮屈に思えた。おひとり様は他のおひとり様とシェアすることになる。どんな人が来るのかドキドキ。

 


トイレシャワーは隣の部屋と共同でどちらからもアクセスできるようになっている。入ったらどちらのドアもロックし、出る時は反対側のロックも解除するのを忘れないようにしないといけない。

シャワーはちゃんとホットで水圧水量問題なかった。そしてこのトイレはペーパーを流すことができる。当然便座もある。最高。

 

そのうちルームメイトがやってきた。すごく親しみやすい笑顔の欧米人女性だ。

「ハーイ!私Annaよ!」

えっ

私もAnnaよ!?

まさかの同じ名前。これで打ち解けないわけがない。一瞬の出来事だった。部屋割りしたスタッフさんにしてやられた感がすごい。ありがとうスタッフさん。


彼女はイタリア人のAnnaだ。約8ヶ月南米旅をしている旅人で、南極行きは私と同じく2週間前にラストミニッツ狙いで決めたらしい。代理店も同じWayfindersさんだ。歳は聞いていないけど同世代に見える。なんだか通ずるところが多い人と同じ部屋になれてよかった。


余談だがWayfindersの担当者さんのお名前はnが一個少ないAnaさんだった。AnnaとAnaの発音の区別は未だに上手くできなくてたまにAnaと認識されてしまう。もう英語発音するのは諦めて日本語発音でアンナと名乗るんだけど、それでもAnaと書かれるのは納得いかん。

 

 

ベッドは窓がある上段を譲ってもらえた。景色が見たかったからだけど窓ガラスが水飛沫や結露で曇っていて景色はあまり見えない。

 

 

一息ついたらウェルカムレセプション。ロビーに集まってスタッフあいさつからのシャンパンで出航の乾杯。ここまで節約系バックパッカーとして旅をしていたと思ったら今は南極に行く船の中でシャンパンなんか飲んじゃって。コロコロ変わる環境に頭が追いつかない。


 

軽食が振る舞われる。このスタッフさんはユーモアあふれる盛り上げ担当、いや、軽食からお土産から色んなことをお世話してくれる担当。このときに名前を聞かれ、そのあと事あるごとに名前を呼んでくれた。私だけでなく他の多くのお客さんの名前を覚えている。すごすぎ。

 

ここで日本人男性Sくんとお会いした。おおお!いた!日本人!!

Sくんは3月に卒業を控える大学院生で、その前に南極を一番の目的に南米旅をしているところだそうだ。誰か日本人がいてくれたらな〜外国人だらけ英語スペイン語だらけの船でひとりでも日本人が、いやせめてアジア人がいてくれたらだいぶ心強いな〜と願わずにはいられなかったんだけど、いたわ。よかったーーー。お互い助け合いましょうと日本人の絆を結ぶ。

 

まあね、外国人だらけの環境でも積極的に混ざっていって楽しくやれるのが理想の旅人像ではありますがね、言葉の壁のほか感覚とかリアクションとかも違う。そういうのにはもう疲れた。私は私の心地よい環境を求めることにする。

 

 

それから船の説明に避難訓練。そんなことより窓の外の景色が美しすぎてついちらちら見てしまう。

実際に救命具を身につけて救命ボートの下まで全員が一列に繋がって進んでいく。さながら電車ごっこのようで楽しげだが、やっぱりタイタニックのことが思い出されるので真剣にやっといた。

 

 

しばしの自由時間。ああ、南米大陸最南端の山並みが美しすぎる。


 

お楽しみのディナー。イタリア人のAnna、それからウクライナ人の若夫婦と同席になった。英語での会話は一対一なら相手の配慮もあってどうにかなるが、複数人がテンポ良く会話する団らんはかなりハードルが高い。輪に混ざらないのもアレなので聞き役として必死に話の内容を追いかけ、たまに発言してみる。

会話内容はよくある旅話のほか選択的夫婦別姓について。ウクライナでは選択できるんだって。日本では夫婦別姓は認められていないが議論されているということを言いたかったんだけどうまく言えなくてもどかしかった。



パンプキンスープのあとはチキンとマッシュドポテトバジルソースがけ。まあ普通に美味しい。必死でみんなの話を聞いているのでつい手が止まってしまう。



このデザートが。一見バニラのソフトクリームかな?と思ったらまさかのレモンのクリームオンリーだった。スポンジ生地が入っているわけでもないただのクリーム。しかも異様においしくない。一口食べてみんなで顔を合わせてスプーンを置いた。よかった、私の味覚異常じゃなかった。お残しは許されない日本人でもさすがにこれは無理。この先もこんなデザートが続いたらどうするよ。

 

食後は解散。さっとシャワーを浴びてベッドに入る。だんだん船の揺れが大きくなってきた気がする。いよいよ大波うねるドレーク海峡に突入か。

12月10日(水)



ウシュアイアの高台から見える景色が美しすぎる。


さて今日は髪を切りに行く。

えっ

南極ツアーを手配してもらったWayfindersさんのサービスでなぜか隣の美容院で髪を切ってもらえるというのが含まれているので切ってもらうのだ。後ろ髪はともかく前髪がかなり鬱陶しい長さになってしまっているのがやっとスッキリできる。



行くとあたたかく出迎えられた。上着や荷物を預けたら作務衣みたいなのを着せられる。そのままシャンプー台へ。やや大胆なのとすこーし水温が低かったのはあるが痒いところはございません。


いざカットへ。

こんなふうに切ってくださいの見本としていつも持っていくのは僭越ながら某ドラマのときの上野樹里さんの写真だ。今回もそれを見せてお願いする。


濡れた髪のままザックザク切られる。本当に大胆にザクザクと。それでも左右の長さは揃っているからすごい。量を減らすとか毛先を軽くするとかはない。ちゃんとオーダーできればしてくれたのかな。

前髪も一気にザクザク切っていく。目にギリギリかかるかかからないかぐらいの長さで一度確認。本当は眉上ぐらいまで切ってほしかったけどちょっとやめといた。


ドライヤーで乾かしてもらって完了。店に行ってからわずか20分で終わった。上野樹里さんには到底なれていないが、とりあえず前髪がどうにかなったので満足。



Wayfindersさんにひとことお礼をお伝えする。このヘアカットサービスのほかに、防水保温ジャケット、防水パンツ、手袋(インナー手袋つき)を無料レンタルできる。長旅中のバックパッカーにとってこういう特殊な環境に行く時に困るのが服なので、こうしたアイテムを貸してもらえるのは非常にありがたい。



こちらはもらえるプレゼント。ニット帽やネックウォーマーなど。ペンギン印がかわいいね。もうペンギンってだけで全部かわいいもんな。



出てきたついでにちょっと散策してみる。



港にいくつも船が停泊している。私が乗る船はどんな大きさかしらねぇ。



ウシュアイア、世界の果て印。



ペンギンとクリスマスのコラボはとにかくかわいすぎる。



さっき温かそうな靴下を見かけた店にもう一度行ってみたら閉まっている!あれだ、シエスタだ。13〜15:30は閉まるようだ。シエスタを導入している店はウシュアイアでもちょこちょこ見かけた。羨ましい。

後ほどまた行ってあったか靴下を手に入れた。


さあいよいよ明日は南極へ向けて出航。問題の体調は万全には至らなかったものの回復してきている。あとは出航までにより良くなるのを祈るばかり。帰ってきてからよき報告が書けますように。


次は南極から帰った12/20以降の更新予定です!

12月9日(火)


さて南極に行くべく南米最南端の町ウシュアイアにやってきたわけだが

あいにく体調不良。

え〜っ!

ウシュアイアの宿に着いたころには頭痛と極度の疲労感。長距離移動のせいだろうからとりあえず食べて寝る。翌日、まだ治っていない。それどころかなんか熱っぽい。推定36.8℃。めっちゃ高熱ってわけじゃないけど万全でもない。

さらに翌日な今日。昨日よりマシだけどまだ全快には至らない。


うおおおい!!

ここまでとにかく外敵から身を守る安全第一でやってきてブエノスアイレスの搭乗口で睡魔にも負けず、ようやくウシュアイアに辿り着いたのに、ここにきて体調不良とか!健康だけが取り柄の私が!


でもなんかここ数年、健康だけが取り柄とか言ってちょこちょこ健康を害してるんよな。もはや健康すらも取り柄じゃなくなってしまったんかもしれん。じゃあ私の取り柄ってなんだろう。なんでも美味しく食べられること、とかかなぁ。(のん気)


日本の日常ならちょっとした発熱はやっちまったーと思うぐらいだが、外国を旅しているとなるとちょっと気になる。しかも中南米。デング熱とかジカ熱とかチクングニア熱とか?オロプーシェ熱なんてのもあるらしい。黄熱病はワクチンがかなり有効的のようだから大丈夫か。


全部蚊が媒体する感染症だ。予防策としては蚊に刺されないこととあるが、限界がある。言われなくたって誰も蚊には刺されたくないけど刺してくるのが蚊というものだ。私もここまでの旅路でいくらでも刺された。


さらっと調べた感じ私の症状には当てはまらないように思うし、もしこれらのナントカ熱だったとしても多くの場合は自然治癒するようだ。ヒトからヒトへの感染もないようだからその点も心配ない。

問題は私には105万円の南極ツアーが目前に迫っているということだ。こんなんで荒波うねるドレーク海峡なんかに突入したら大変なことになってしまう。


とにかく今できることは栄養ある食事をして安静にすることのみ。早めにウシュアイア入りして陸地の観光も楽しもうと思っていたけど全部取りやめ。とにかく体調回復を最優先とする。



ということでね、昨日も今日も徒歩5分のスーパーに食料調達に行く以外宿に引きこもってぬくぬくしていました。居心地のよい共同スペースがある宿でよかった。

このキーボードでずっとジングルベルを弾く子がいたんだけど、ほんとにずっとジングルベルだけだった。楽譜があれば他のも弾いてくれたかもしれない。



こんなワーキングスペースもある。素敵だ。

ずっとだらだらしていたら別の意味で頭痛倦怠感を引き起こすので適度にストレッチとかしてみる。明日はラジオ体操してみようかな。


南極ツアーまであと1日半。

なんとかなれーッ

12月8日(月)


Antarctica

南極大陸。私にとって最後の未到の大陸。これを踏まずして旅人人生は終えられない。



南極へは色んな大陸の南側から行くことができ、その中でも一般人が一般的に行くには南米大陸の最南端ウシュアイアからクルーズツアーに乗っかることになる。


前回2020年3月のウシュアイア訪問では南極へ行くことについてこんなことを書いている。




バッカヤロウ!!!
おめー、ガチのコロナ禍がもう数日後というレベルで差し迫ってっから!それ何年続くねんって感じやったし、やっと落ち着いてきたかと思ったら世界中物価高騰の嵐、おまけにこの超円安よ。マジで世界は不変ではないのだよ!!

この記録によると2020年には4500ドル(当時約50万円)で南極に行けたらしい。それがたった5年後の2025年現在、安くても6000ドル(約100万円)。
ほげーーーーー
倍やん。マジで、なんであのとき南極行っとかんかったん???アホ。

南極行きについて、旅の出発時点から考えていた。アメリカ大陸思い残し回収の旅、ここで南極行かなかったらまた思い残すことになる。もうそうそうこんな世界の果てまで来られない。老後の楽しみとか言って、南極に行ける老後がある保証もない。それをこの5年で重々思い知ったんじゃないか。

でも100万円ですよ。100万円貯めるのってけっこう、いやかなり大変だ。100万円あったら色んなことができる。もっと色んな場所に行ける。それになにもこんな超円安の時代に南極に行くことないんじゃないか?そんなお金を注ぎ込んでまで果たして南極に行きたいのか?


旅を続けながらずっと頭の片隅にある。南極に行くかどうかで旅のペースも変わってくる。いよいよ決断しないといけない時期がきている。


こんなに迷うってことは大して行きたくないんじゃないか?そこに大金注ぎ込む必要はないんじゃないか?


でもこんなに迷うってことは行きたい気持ちがあるんじゃないか?行かない理由があるとしたらそれはお金なのだ。


結論、行くことにした。


お金は後々の私にがんばって働いていただくとする。南極に行けるタイミングがあるのは今だけだ。もし南極行ける老後があったらまた行けばいいじゃないか。何度でも南極行けばいいじゃないか。


決断したのはいつだったか忘れたけど、実際に手配を始めたのはそれから間もなくの11月後半のニカラグアでのことだ。



亀のいる宿で全力でやった。

一応ざっくりとした下調べは日本にいるときにやっていたけど、実際行く段階にならないと全然身が入らない。なんかややこしそうだなーというふわっとした状態のままだった。


いざ本当に南極に行くと決めたらやるべき手順はこちら。

①時期を決める

②ツアーを決める

③航空券を手配する

④保険を決める

⑤環境省に届出を出す


①時期を決める

南極のベストシーズンは南半球の夏である12月〜3月だ。その中でも見られる動物が違ったり雰囲気も違うようなのでこだわりがあるようならそれに沿う時期にすべし。

私は旅のペース的に12月にした。一番の目的は南極大陸を踏むことであり、動物はそのとき見られるのを見られたらいい。


②ツアーを決める

これが肝心。ツアーは最低限の南極の端っこを掠めるやつから豪華客船クルーズ、飛行機で大陸の真ん中まで行くやつとピンキリである。

私は南極に行くとなればぜひあの真ん中らへんにある南極点ってやつを見たいと思っていた。が、そのツアーはお値段450万円ぐらいする。無理すぎ。人生幾度目かのなすすべない挫折だった。私がやれるのは巨大な南極大陸のめっちゃ端っこのぴよっとした半島を掠めるだけのツアーだった。



ここ。

メルカトル図法で南極が引き伸ばされているとはいえ、ほんとに端っこ。

いや、それって面白いの?正直ペンギンとかどこでも見られるし、大きな氷だってペリトモレノ氷河見たし、それでいいんじゃないの?という南極を舐め腐った考えもあって南極行きを躊躇っていたのだ。が、結局行くことに決める。半島だろうがなんだろうが南極大陸には違いない。そういう文句は450万円ポーンと出せる大人になってから言ってください。


南極ツアーは以前の旅人のあいだではウシュアイアに着いてから実際に旅行代理店の門をたたいて、売れ残りの直前出血大セールであるラストミニッツというチケットを手に入れるものだった。それが2025年の現代では事前にメールやWhatsAppでやりとりするという時代になっている。


色んなブロガー情報を調べあげ、いくつか旅行代理店をピックアップする。

Wayfinders

Free Style Adventure Travel

Antarctica Travels

Ushuaia Turismo

Expeditions Online

私が挙げたのはこのあたり。WhatsAppで「12月に南極に上陸したいんだけど、ラストミニッツの情報ってあります?」という至極シンプルな問い合わせを放り投げてその日は眠りについた。


翌朝、早くも多くの会社から返答がきている。人数や予算を答えたらざざーっと今あるツアー情報が送られてくる。突然に溢れる情報に混乱。が、問い合わせしたのは旅行代理店であり、実際運航するクルーズ会社の取り扱いはどこもほとんど同じ、お値段にいたっては全く同じだ。差をつけるとすれば、返信の速さや感じの良さ、おまけのオプションといったところ。


予算や時期的に選択肢は自ずと二つしかなかった。あんなに迷ってやっとの思いで問い合わせしたけどいざ選ぶ段階になるとすごくシンプル。

当初あった私の選択肢はこちら。


・12/11発10日間の最低限のクルーズ、Antarpply Expeditions社のClassic Antarcticaツアー

7990ドル(125万円)


・12/18発12日間のクリスマススペシャルな豪華客船Polar Latitudes Expeditions社のChristmas in Antarcticaツアー

7500ドル(117万円)


うーーーん、100万円を切りたいと思っていたけど難しいか〜〜〜。私が見た中では最安値でもギリ6000ドルを切るぐらい(90万円超)。円安じゃなかったらな…!


世界には思いのほか南極に行きたい人が多いらしく、お得なチケットが出ると一瞬で売り切れる。目星をつけたらとりあえずキープ。24〜48時間はキープできる。旅中は移動でそんなずっと情報にかじりついていられないので、12/11と12/18のよりお得なチケットが出たら押さえといてくださいと言っておく。


最初の時点では12/18ツアーのほうが8万円ほど安い。豪華客船だしそりゃもう断然それに行くでしょと思われるところ。でも前後の航空券代も含めるとどっちもどっち。(後述) うんうん悩む。

すると12/11発ツアーのワンランク下の少しお安い部屋に空きが出た。キープしていた人が手放すとまた空きが売り出される仕組みだ。


12/18ツアーで南極でクリスマスを過ごすなんて素敵だ。でも果たしてひとりで参加するツアーでクリスマスなんて楽しめるのか?気の合う人がいたらいいけど、そこに期待するにはリスクが大きいんじゃない?

南極でクリぼっちなんて地獄じゃない?


あと、南極に行くのは南極大陸を踏みたいからであって豪華客船に乗りたいわけじゃない。私を南極まで連れて行ってくれたらそれでいい。


ということで、色々を考えた末に12/11発ツアーに決定した。たまたまそれをキープしてもらっていた代理店Wayfindersが対応もよかったのでそのまま進めてもらう。

お値段6730ドル(105万円)。

っふ〜〜〜〜〜〜〜。

カード1枚じゃ上限に達するので2枚で支払い。これ払った瞬間なんか旅人生に対する充足感みたいな、一区切りみたいなものがあった。そして「働こっかな」って思った。


③航空券を手配する

これが一番大変だった。今回は空路でウシュアイア入りするつもりだが、まだウシュアイアどころか中米旅の行程も決まっていない。南極から帰った後の行程もある程度決める必要がある。上記の南極ツアーの日程ごとにコロンビア以降の航空券を全部調べ上げる。これを24時間以内にしろっていうのはかなりの無理難題だ。


そしていざ航空券を決意したときには残席がなかったりめっちゃ値上がりしていたり。また間の悪いことに必死に考えていざポチろうとしたらカードのSMS認証ができないという事態にも陥った。私は楽天ユーザーで、わりと世界中を網羅してくれている楽天海外ローミングだが、その時いたコスタリカ、パナマ、コロンビアは楽天圏外だった。絶望。

世の中にはSMS認証できない人だっているんですよ!?

デビットカードなどを駆使してどうにかこうにかやる。


全ての手配が終わるまでに数日要した。もっとも旅人力を試された作業だったかもしれない。ニカラグア、コスタリカは正直これに気を取られてあまり現地を堪能できなかった。前回のウシュアイア訪問時にじっくり計画したいみたいなこと書いてるけど、結局ドタバタやないか。


④保険を決める

南極ツアーに参加するには10万USドル(156万円)の救援費用をカバーしている保険に入っていることが条件となる。南極をカバーしていてその額、あと旅行出発後に入れる保険となると自ずと選択肢は限られてくる。航空券地獄に比べれば至極簡単だ。

私はHeymondoというスペインの保険会社のHeymondo Premiumのさらにクルーズも含めたやつにした。20日間で113.67USドル(17765円)。


⑤環境省に届出を出す

日本人は南極に行く場合この届出を出す必要がある。まさかの紙を郵送という形式。実家の両親に出発前から準備していた用紙を預けてあり、それを提出してもらった。

処理に1ヶ月ぐらいかかるのでそれ以上前には提出するよう書いてある。けどツアーの詳細が決まった時点でもう二週間切ってたから。後回し後回しでけっこう最近出しました。すみません。


以上!



南極行きの全ての手配が完了した状態で悠々と、いや、寝不足と体力限界のズタボロ状態でウシュアイア入り。ただのウシュアイアじゃない。105万円の南極ツアーを控えたウシュアイアだ。もう私ひとりの体じゃないんですよ!?みたいな。そりゃ安堵して涙も出る。


ツアーの出航時点に集合できなければ容赦なく置いていかれる。そのために出航日の1、2日前にはウシュアイアに到着しておくよう事前連絡があった。言われなくても4日前に来たわ。



快適宿の快適共同スペースでこれを書いた。後々の思い出振り返りのためと、私もブロガー情報にとても助けられたのでみっちり書いてみました。

12月7日(土)


12/6

21:15 リオデジャネイロ

12/7

0:40 ブエノスアイレス

9:20

12:40 エル・カラファテ

(テクニカルランディング)

13:30

14:50 ウシュアイア

アルゼンチン航空 約34,000円



やってきました

Fin del Mundo世界の果て!

リオデジャネイロから飛んで飛んで飛んで南米大陸最南端の町ウシュアイア。リオデジャネイロもだいぶ南下したつもりだったけどこうして見ると真ん中らへんに位置しているんだな。

この移動もまーーあ長かったね。記録いきます。



リオデジャネイロでは早めに空港に着いたのでさっさとチェックインしたかったが、オンラインや空港でのセルフチェックインがうまく出来たためしがない。結局有人カウンターでやってもらうことになる。今回も機内持ち込み荷物のみのはずが荷物のサイズがどーのこーので無料で受託にできた。持込規定サイズより機内の収納サイズが小さいパターンだったのかもしれない。それならそうと早く言ってほしかったわー。また全力で液体物ジップロックに詰め込んだわ。

大都会の夜景きれい。さよならリオデジャネイロ。



軽食が出た。すごーく薄っぺらく作られたもちもちチーズハムサンド。コーヒーがなんだか美味しい気がした。



やがてアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに到着。碁盤の目があまりにも見事な碁盤の目。


降り立ったのはブエノスアイレスに二つある空港のうち町に近いホルヘ・ニューベリー空港。ここで乗り継ぎ9時間のため今夜は空港泊だ。

だけどどーにも眠れない。空港自体そんなに広くないし、人があまりにも多い。深夜になっても眠くなってこなかったのでそのままだらだら起きていた。このときちゃんと本気で寝ることと向き合っていればよかったのに。



やがて朝。一度ピックアップした荷物を再度預けて搭乗口へ。周辺に集まる客層が明らかにこれまでと違う。風光明媚で物価も高いパタゴニアエリアへ飛ぶとあってか、富裕層ってかんじがする。ツアー客も多いし、なんと言っても突然に中国人客が多くなった。


中南米では中国人だと認識されるのは幾度となくあったが、ここにきていよいよ完全に中国人になってしまう。中国人は個人個人と向き合ってみれば良い人たちなんだけど、集団としての中国人はあいにく世界でもあまり良い印象がない。中国人だと思われるのは正直居心地が悪い。

それにしても、中南米の町で中国人観光客ってほとんど見かけなかったのになんで中国人だと認識されるんだろか。中南米からしてみれば東洋人なんて全部一緒だし、全部中国人ということになるんだうか。


午前6時半ごろ、搭乗まで2時間ぐらいある。

眠気MAX。

ここにきて睡魔が本気を出してきた。アラームをかけて仮眠。すると搭乗始まったよと起こしてくれた中国人がいた。やはり個人個人は良い人たちなのだ。けど私が乗る便それじゃないんですスミマセン。


搭乗が迫る。だが始まりそうで始まらない。眠い。眠い眠い眠い。ここで寝落ちて搭乗を逃したらがんばって立てた計画が水の泡。ここまで身の安全に全集中して進んできたのにまさか最後の最後で己の睡魔と戦うことになるとは。しかもかなり強力。空港泊で眠れないなりにもちゃんと寝ようとしなかった自分を恨む。

座っていたら負けるので立って搭乗開始を待つ。早く私を席に座らせてくれ。


やっとこさ搭乗。席に着いた途端寝落ち。



たまに目を覚ますとだだっ広い大地の上を飛んでいる。なんだあの異様なピンクの水たまりは。



人工物が一切ないように見えるパタゴニアの大地。



大地をうねうねと蛇行する川。

そしてエル•カラファテに到着。あのペリトモレノ氷河がある町だ。



ふぁー!なつかしー!また美しいパタゴニアに来られて心底嬉しい。


エル•カラファテはテクニカルランディング。これ、航空券を取る時に意味が分かっていなくて、風の強いパタゴニアなウシュアイアはテクニックを要するランディングだからかなり揺れるかもしれませんよーとかそういうのかなと思っていた。違った。給油のために途中の空港に降り立つことを言うんだって。

事前に航空会社からリマインドメールが来て謎にエル•カラファテで乗り継ぎみたいになっててびっくりした。知らずしてエル•カラファテ上空の景色を見られてただただ嬉しい。



テクニカルランディングは乗客の乗降はしないとWikipediaに書いてあったけど、ここでは数名を残して多くの客が入れ替わった。みなさん素敵なエル•カラファテを楽しんでください。

その間にささっと清掃が入る。めちゃくちゃささっと。本来の清掃はもっと徹底的にされるのかな。どうだろなー。



再び離陸。ペリトモレノ氷河が流れ込むアルヘンティノ湖は不透明で鮮やかなブルー。美しい。



さよならエル•カラファテー!



ウシュアイアに着陸。ついに。ようやく。

はああああ辿り着けたあああ。

ウシュアイア行きの手配をしたのは11月後半のニカラグアやコスタリカにいる頃だった。それ以降の町はとにかく治安が心配。ここで何かトラブルが起こってウシュアイアに辿り着けなかったらどうしようとめちゃくちゃ慎重に行動していた。あまり街を出歩かなかったりUberを乱用していたのもそのためだ。ウシュアイアに辿り着くことが一番の目標になったのでコロンビアやブラジルはサクッと通過するに終わったのはちょっと惜しい気持ちもある。


でもその甲斐あって無事到着。気持ちとしてはヘッドスライディングでズザザザーッ!からのゴロゴロゴロゴローッ!っと転がってシュタッ!と着地。

やりました。私、無傷でウシュアイアに辿り着きました。あまりの安堵とあまりの景色の美しさに涙が出た。



ウシュアイアの空港から市内までの交通機関はタクシーしかないようだ。(前回は長距離バスで出入りした) Uberも使えてお値段500円ほど。でも約5kmなので歩いていくことにする。もうここは平和なパタゴニアの平和な町ウシュアイア。大荷物を背負って歩いても何ら問題ない。



それにこの美しい景色!ここを車でさっと通り過ぎるなんてナンセンス。むしろ500円払ってでも歩きたいぐらいだわ。(?)



南半球の12月は夏の始まり。ルピナスがそこかしこに咲いている。心洗われる美しさ。



海を挟んでなんかすごい山が見える。やっぱりパタゴニアの山は一味違って良いねぇ。風がやや強めに吹いていて半袖Tシャツでは肌寒い。その風すらも心地よい。全身でパタゴニアにまた来られた喜びを感じとる。


まあね、正直言って私は発展途上な場所よりこうした平和で美しく整った場所のほうが好きですよ。それを改めて自己分析する。これまでなにをあんなに気張って旅していたんだろうとか思ってしまった。

ここしばらくの旅記録、なんかキレが足りないと思いませんでしたか。あ、前からそんなものなかったですか。どうにも旅のモチベーションが低迷していたのが否めない。ぶっちゃけ早くウシュアイアに行ってしまいたいと思っていて、中米の魅力を精一杯味わえていなかった。中米は中米で人が温かくて美味しいものもあって面白いこともいっぱいあったけどね。双方の魅力は同じ基準で捉えることはできない。



町に入る。このどこかさびれたような、素朴でかわいらしい家屋も良いんだよねぇ。



あ、ウシュアイアバスが今も走っているねぇ。



山並みと町並みとルピナス。



通りすがりのお家のお庭。こんなお庭のお家に住んでみたい。


予約していた宿Anum Hostelへ向かう。前回のウシュアイア滞在で泊まっていた宿ヤクシュホステルが居心地良かったのでまた泊まろうと思ったらネット上で見つけられず。コロナ禍とかを乗り越えられなかったんだろうか。しゃーなし別の宿を選んだんだけど、、



あれ、なんか見覚えある門構え。



ここ、ヤクシュホステルやん。

なんとたまたま選んだ宿がオーナーとホステル名が変わった同じ宿だった。あまりの巡り合わせに無性に感動してしまった。導かれてる、なんか導かれてるわ。



広くて明るいキッチン。



ぬくもりある木の天井。共同スペースがたくさんあってのびのびできる。



夏とはいえ肌寒いウシュアイア(14℃/6℃)で館内はあたたかく保たれている。


宿に辿り着いた頃にはリオデジャネイロからの長距離移動で疲労困憊。しばし体力回復に努めるとする。

二度目のウシュアイア訪問とあらば目的はただひとつ。


行くぜ、南極。(キリッ


12月6日(土)

 

昨日やってきたリオデジャネイロ、早くも今晩飛び立つ。マジでコパカバーナビーチだけ見に来た。

 

 

今日もめちゃくちゃいい天気。暑い。日差しがグサグサ刺さる。昨日はビーチに行くのにビーチサンダルを持ってこなかったというビーチ知らずの有様だったので、今日はちゃんと持ってきて波打ち際まで行ってみた。砂があっつあつ。

ざばんざばんと打ち寄せる波に人々がただよったりきゃっきゃしたり。空にはなにか宣伝の旗をたなびかせる小型プロペラ機。

バケーション!

ってかんじ。

 

 

私にはクソ暑いビーチでパラソルのわずかな日陰に居座る楽しさが分からないのでパッと写真を撮って引き返した。

 

 

昨日と同じお店でおビールをいただきながらビーチスポーツを見る。何と言ったって私は海ではなくビーチバレーを見に来たんだから。でも目にするのはテニスやバレー×サッカーばかりで純粋にバレーの試合をしているところには遭遇できなかった。約4kmあるというコパカバーナビーチのどこかでやっていたかもしれないが、治安云々以前に暑すぎて歩く気になれない。

 

 

お店の前のコートではビーチテニスをやっている。今日は土曜日だからか練習ではなく試合をやっているようだ。

私は部活でソフトテニスとバドミントンをやっていたのでビーチバレーよりビーチテニスのほうが身を入れて見られる。足元が体育館の床でなく砂ってのはめちゃくちゃ筋力使いそうだな。『ハイキュー‼︎』でもそんなシーンあった気がする。見るからにしんどそうなスポーツだわ。今思えば真夏に閉め切った体育館でやってたバドミントンも過酷だったな。スマッシュが決まった時は気持ちいいし自分のせいで負けが決まった時はいたたまれないんだよな。

そんなことを日陰で悠々とビールを飲みながら考える。大人になってよかった。

 

 

お店はこんな感じ。ほんとにコートのすぐそば。お子様たちはシャワーで水遊びをしている。

 

 

ええ感じの生歌生演奏も流れている。そんな横で真剣にテニスの試合できるもんなのか。

 

 

テニスを夢中で見ているとピーナッツを置いていくおじさんが通る。これに手をつけるとお金を請求されると思われるのでスルー。

 

 

戻ってきたおじさんに断るとあっさり捨てていった。

捨てるんかい。

てっきりまた元の袋に戻して使い回すんだと思ってたわ。捨てるんやったら私食べたのに。金は払わんが。

 

 

ひとしきりビーチを眺めて満足したのでちょっと街歩き。コパカバーナのメイン通りは色んなお店が並んでいて賑わっている。都会って感じ。お店にはクリスマスグッズが並んでいるが、なんせこんな真夏なのでクリスマス気分にはなれない。

 

 

トイレに行きたくなってちょうど良さげなカフェがあったので入ってみた。Casa das natasというお店。エッグタルト(本当はパステル・デ・ナタというらしい)がめちゃくちゃ美味しかった!とろーんとしたカスタードクリームとサクサクパイ生地。シナモンを振りかけて食べるものらしいけど、そのまま一口食べたら美味しすぎてシナモンの存在を忘れて食べ切ってしまった。トイレに行きたいだけのつもりだったので1個だけ注文したけどあと2個ぐらい食べたかったな。理性で抑える。

 

コーヒーは「エスプレッソ?」と聞かれたものの「アメリカンで」と注文したつもりがエスプレッソがきた。ポルトガル語ができないとアメリカンを注文することもできない。でもこのエッグタルトとちょっとのエスプレッソが絶妙なコンビネーションで満足。合わせて21.9レアル(640円)。

 

 

エッグタルトを1個で抑えたのはもうひとつ気になるやつがあったからだ。この右端の涙型のやつ。ブラジル版コロッケでコシーニャCoxinhaというらしい。1個13レアル(369円)。

 

 

あったかサクサク衣をかじってみるとポテトとチーズと鶏肉が包まれていた。

うんっま。

この組み合わせが間違いであるはずがなく、ほんとに間違いない美味さ。

 

 

引き続き歩き進めるとブラジルのオシャレビーチサンダルブランド、ハワイアナスHavaianasの店舗を見つけた。ビーチサンダルといえばハワイアナスで、旅に持っていく丈夫なビーチサンダルとして旅人ブログでも見かけたことがある。なるほどなるほど、これがあのハワイアナスですか。

 

 

ずらりとオシャレなビーチサンダルが並んでいる。

 

 

ワンピースとNARUTOのコラボ。74.99レアルは2130円。

 

まあビーチサンダルって雑に扱ってなんぼみたいなとこあるし、そんなオシャレなやつぞんざいに扱えないから私は長年使っているよれよれのやつでいいかな〜。

 

ひとしきり歩いたら満足したので早めに空港へ行っちゃうことにする。町にいたらカフェだのビールだのお金ばっか使ってしまう。ちなみに2日間の滞在はカードのみで乗り切れたのでブラジルレアルの現金は用意しなかった。むしろ5年前に来た時に残った2レアルちょい(約60円)のコインを持ってきていたのも使わず宿の人に渡した。


宿に預けていた荷物をピックアップしてまたUberコンフォートを配車。普通のやつとの差額は150円ぐらい。今回のドライバーもまた感じの良いおじさんだったが、下車はなさらなかったので荷物は自分で車内に積み込んだ。前回のドライバーが特にコンフォートなだけだったのか。

 

 

そういえば、リオデジャネイロといえば高台で手を広げるコルコバードのキリスト像だ。あー、アレだ。あの崖の上に立つ白いやつ。走る車からどうにか写真を撮る。

……よし!

 

空港に着いてリオデジャネイロを後にする。とにかく治安に怯えながらも、ビーチバレー(テニスだったけど)を見るという目的は達成した。空港市内の往復はUberコンフォート、行動範囲はコパカバーナビーチに近い宿周辺のみで、危険な雰囲気は感じられなかった。それでもホームレスな方は見受けられるし、道路上に物売りの男たちが歩きまくっているし、スリなどはやっぱりあるようなので注意は必要だろう。幸い何事もなく終えられてよかった。

チャオ!

 

さ、次に向かいますよ。

12月5日(金)


リオデジャネイロ、アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港で目覚める。ここで空港泊をしたという情報が見つけられず問題なく夜を明かせるのか分からなかったが、出発フロアの人通りが多いところでは普通に空港泊できた。横になれるベンチはない。寝たんだか寝ていないんだか分からないがお腹が空いたので移動。



朝ごはんはボゴタのスーパーで買ってきたパンとスタバ。お世話になりますスタバさん。いつもはブラックコーヒーを飲むが、メニュー表の一番上に「ブラジル人のお気に入り!」と書いてあったミルク入りを頼んでみた。おいしい!なんだか知らんがおいしいぞ。さすがブラジル人のお気に入り。


ブラジルは他の中南米国と違ってポルトガル語。これまで1ヶ月半の中米旅で我ながらけっこう増えたスペイン語単語のレパートリーが全然使えずふりだしに戻る。私が知っているポルトガル語は「オブリガーダ(ありがとう)」のみだ。(男性はオブリガード) あ、今調べたらポルトガル語も挨拶は「オラ!」でいいらしいわ。1〜10の数字もスペイン語と似てるっちゃ似てるな。


うだうだしてあっという間に昼近く。さっさと町に出ればいいものを、またこれ治安の問題がある。

今回リオデジャネイロには観光スポットのコパカバーナビーチに行きたくて来た。とにかく治安が悪いというリオでどこに宿をとればいいのか調べていたら幸いコパカバーナは比較的治安が落ち着いていて宿を取るにもおすすめとあったのでそれに従い、空港からコパカバーナへUberで直行するつもりだった。けどせっかくならセントロ地区にある美術館とか行っときたい気持ちもある。


でもな〜、そのちょっとした寄り道でいらんトラブル起こっても嫌やしな〜。しかもセントロ地区って昼間も注意が必要とか書いてあるし〜。Uberで行くにしても美術館まで500mぐらい広場を歩かないといけない。行くなら全荷物背負って行くことになる。そんな格好の獲物状態だとたった数百メートルを歩くうちにも何か起こる可能性あるよな〜。


そのあたりの治安事情を調べたり気合を溜めたり普通にだらだらしていたらどんどん時間が過ぎていく。

結局、やっぱり寄り道はせず目的地のコパカバーナビーチだけに絞ることにした。他の場所は治安を心配してまで行きたいわけでもない。


空港から市内へはバスもあるが、調べたかんじではUberで安心安全に移動する旅人が多いようだ。コパカバーナビーチまでは距離にして32km。お値段2000円ちょっと。

そして普通のUberではなくワンランク、ツーランク上の良いUberを選んでいる人も多い。ドライバーの質が良くより安心。車もフルスモークでどんな人が乗っているのか分からないので狙われにくいとか。

リオデジャネイロどんだけ治安悪いねん。

怖すぎやろ。普通のUberとの差額は300円程度だったので何も考えず私もワンランク上のUberコンフォートにしておいた。



アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港にはUber専用乗り場がある。そんなところ初めて見た。なんでも、お客を奪われたタクシードライバーにUberドライバーが襲われかねないからだとか。やっぱり怖すぎるやろリオデジャネイロ。

たしかにタクシーにしてみればUberは仕事を奪う敵でしかないよな。「タクシー?」と声をかけられてスルーするたびやや胸が痛む。



それはともかく、Uber乗り場までの道順は到着フロアに出るとこれでもかと分かりやすく表示されている。



ここがUber乗り場。広っ。ちょっとしたバスターミナルぐらい広い。警備員もいる。

間もなく配車したUberコンフォートがやってきた。きちんとした身なりのドライバーが下車して挨拶してくれて、私の荷物をトランクに入れてくれた。コンフォートぉ〜。


渋滞にはまりながらも車は進む。大都会リオデジャネイロ、道は日本と同じような感じ。コンフォートな車内空間な上に寝不足で寝落ちそうになる。いくら質の良いドライバーとはいえ寝るわけにはいかん。


空港から市内を結ぶ高速道路的な道にはスナック菓子やよく分からん小物を売る男たちがそこかしこに歩いていた。あれが売れることってあるんかな。あとなんでみんな同じもの売ってるん?それこそ客の奪い合いじゃない?


宿の前に到着。最後までコンフォートな移動だった。チェックインしてほっとひと息。あまりにも眠いのでちょっと昼寝をしてからお目当てのコパカバーナビーチへ行く。



宿から徒歩数分。荷物は最小限。「ケータイは持っていかないで」とネットで見てビビる。予備としてずっとザックの奥底に眠っていたiPhoneSE(初代)を充電して目覚めさせ、奪われてもいい用として持っていった。写真は撮りたかったので。

もっとも、実際ビーチに行ってみると全然普通にスマホを触っている人もいる。海水浴中に荷物を放置するとかはダメだろうけど、普通レベルに警戒していれば問題なさそうな雰囲気だ。



コパカバーナビーチはビーチスポーツが盛んなことでも有名らしい。ビーチバレーにビーチサッカー、ビーチテニスなど。そのコートとネットが広いビーチに沢山びっしりと張られている。



そもそもなんでそんな治安にビビりながらもコパカバーナビーチに来たかったのか。

それはその、とあるバレー漫画の主人公がここでビーチバレーの世界と出会い、バレー人生の新たなフェーズを切り開いた場所だからだ。要するに聖地巡礼。作品の舞台を実際に訪れて目にして、物語の解像度を上げたいと思うのがファンの心というものだ。ちなみに『ハイキュー‼︎』っていう漫画なんですけど。


この展開が描かれたのは前回の南米旅が終わったあとだった。リオデジャネイロ行ってねぇわ〜〜ってなったのをよく覚えている。地球の裏側の聖地巡礼はなかなか行けるもんじゃない。なのでまた中南米旅に出ることになった際、リオには絶対行こうと決めていたのだ。



ああ、主人公の彼もこんなふうにビーチバレーやってたんだな〜。ちなみにこの写真の方々はバレーではなく手を使わないサッカーとバレーの融合みたいな競技をしていた。



バレーの他にテニスも。ただのお遊びではなく本格的な競技としてやっているように思う。ビーチをさらっと見て宿に戻ろうと思って出てきたが、見ていたら思いの外おもしろい。それに普通の海水浴の観光客もいるような場所で、ええ感じの歌も流れていてとにかく開放的。日差しが強く、これから夏が訪れる南半球。



おビールが飲みたくなっちゃうよね〜。

おつまみにワカモレもね。

全力でビーチテニスに汗を流す人たちをのんべんだらりと座って眺める。また大人って最高だなって思った。


程よくアルコールが入って治安に対する過剰な不安は拭えた。ときにはアルコールの力を使うのもありだな。羽目を外すことはなく、ちゃんとその後スーパーで食材調達をしてから宿に帰った。

明日も無事に過ごせますように。