ストーカー規制法の合憲性
151211
ストーカー規制法は,
ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに,
その相手方に対する援助の措置等を定めることにより,
個人の身体,自由及び名誉に対する危害の発生を防止し,
あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的としており,

この目的は,もとより正当であるというべきである。


そして,ストーカー規制法は,
上記目的を達成するため,恋愛感情その他好意の感情等を表明するなどの行為のうち,
相手方の身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,
又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる
社会的に逸脱したつきまとい等の行為を規制の対象とした上で,

その中でも相手方に対する法益侵害が重大で,
刑罰による抑制が必要な場合に限って,
相手方の処罰意思に基づき刑罰を科すこととしたものであり,

しかも,これに違反した者に対する法定刑は,
刑法,軽犯罪法等の関係法令と比較しても特に過酷ではないから,

ストーカー規制法による規制の内容は,合理的で相当なものであると認められる。


以上のようなストーカー規制法の
目的の正当性,規制の内容の合理性,相当性にかんがみれば,
同法2条1項,2項,13条1項は,
憲法13条,21条1項に違反しないと解するのが相当である。


?:予備的併合、弁論の分離、弁論の制限:特に制限見つからず。
2:後見監督人成年後見人
2:訴訟当事者が訴訟能力を喪失した場合:原則中断/但し訴訟代理人がいる場合中断しない。

?;請求を理由付ける事実の具体的記載を欠く場合:訴状却下の理由とならない規則53条1項
2:送達の手順:副本を被告に送達する。
2:訴訟の提起:訴状を提出してする。
2:訴え却下判決、却下理由である訴訟要件の補正、再訴提起の可否:
1:訴えの追加的変更:要相手方の同意

2:取締役選任を内容とする総会決議取消訴訟の勝訴確定:取締役自身の別訴提起
1:確定判決の変更を求める訴え
2:独立当事者参加後、当初原告が訴訟から脱退:
1:共同訴訟人の提出した証拠:証拠共通の原則
1:裁判所が判決事項について誤った決定をした場合:抗告

1:独立当事者参加の要件
2:訴訟参加の申立の要件
1:人事訴訟の確定判決の対第三者効
2:反訴提起期間の決定
2:離婚の訴えにかかる訴訟における和解
17問、5.6.17



2:?判例:通説は緊急避難
1:因果関係なし∵結果回避可能性なし
1×:自救行為は正対不正の関係

1×:200520:自招侵害は正当防衛状況にない


1:具体的危険説の行為者の認識は誤解を含まない。


2:間接幇助も正犯を幇助した行為にあたるから、であった

2:外部的名誉+事実の摘示の有無



2:逆
2×:160209:クレカは名義人の承諾がある場合でも詐欺罪を構成する

2:161130:郵便配達員を欺いて正本を受け取った事例:不法領得の意思なし
1:180516:わいせつ物頒布:所持の客体と販売の客体が同一である必要はない
15点:、3、、5、8

1:八幡製鉄:営利社団法人の政治的表現の自由も、納税者たる立場において認められる
2:昭和女子大:政治活動を含む学生の行動を規律する私立大学の包括的権能を認めた
1:エホバ:人格権を侵害したの判文⇔×「自己決定権」を侵害するとの判文はない
1:フィリピン:日本人の父の認知で初めて日本国籍を取得できることは憲法に違反しない
?:徳島県公安条例団藤補足:萎縮効果は除去すべきとの立場を明示したことはない

1:北方ジャーナル:要件は厳格明確∵事前抑制は批判の機会を奪う、予測故規制が広汎になり濫用の恐れがあり、実際上の抑止効果が事後制裁の場合より大きいから。
1:税関検査事件:表現の自由規制立法の限定解釈の許容条件:規制対象の明確な峻別と基準の適切さ、一般国民の判断可能性
1:最判170908
判旨①医療の分野においては,供給が需要を生む傾向があり,人口当たりの病床数が増加すると1人当たりの入院費も増大するという相関関係があるというのである。そうすると,良質かつ適切な医療を効率的に提供するという観点から定められた医療計画に照らし過剰な数となる病床を有する病院を保険医療機関に指定すると,不必要又は過剰な医療費が発生し,医療保険の運営の効率化を阻害する事態を生じさせるおそれがあるということができる。
判旨②医療法30条の7の規定に基づき病院の開設を中止すべき旨の勧告を受けたにもかかわらずこれに従わずに開設された病院について,
健康保険法43条ノ3第2項にいう「其ノ他保険医療機関若ハ保険薬局トシテ著シク不適当ト認ムルモノナルトキ」に当たるとして同項により保険医療機関の指定を拒否することは,
公共の福祉に適合する目的のために行われる必要かつ合理的な措置ということができるのであって,
これをもって職業の自由に対する不当な制約であるということはできない。
したがって,同項を上記のとおり解すること及び同項を適用してされた本件処分は,憲法22条1項に違反するものではない。

1:成田新法:行政処分の相手方に対し、事前の告知、弁解防御の機会を与えるかは、権利内容と公益を相互衡量して決せられるべきで、常にそのような機会を与える必要はない。
1:旭川学テ:国の教育内容決定権:普通教育に必要かつ相当と認められる範囲で。教師の教授の自由:直接の人格的接触、一定の範囲で。

1:全農林警職法、全農林人勧スト:代償措置があるから+代償措置が機能していなかったとはいえない/人事院勧告にそった措置がとられなかったが、代替措置が機能していなかったわけではなく、争議行為禁止が憲法違反になるわけではない。

2:権力分立=人権保障、憲法保障
2:天皇の認証は、認証が必要な行為の効力要件でない
2:国政調査権、公務員の職務上の秘密の場合の証言拒否:拒否理由の疎明、悪影響の内閣声明が必要
2:国会議員の逮捕許諾に条件を附せるか:不当逮捕説、議院の自主活動説ともに附せる説あり

1:内閣は「連帯」して→閣議全員一致の慣例
1:予算と税法は別
1:下級裁判所裁判官の任命:司法の自主性ゆえ名簿作成は最高裁の裁量
2:法定受託事務:国が本来果たすベき役割にかかるものであって、国において適正な処理を特に確保する必要があるもの。代執行できる。
2:「政令」:執行命令と委任命令を含む(佐藤幸治)
刑事第一審公判手続の概要 法曹会
検察講義案 法曹会
刑事弁護実務 日本弁護士連合会
事件記録教材 法務総合研究所
刑事事実認定入門 判例タイムズ社
刑事事実認定の基本問題
50選
実践的刑事事実認定と情況証拠 再訂版

第1章 全体構造
行政活動の実施
①行政立法:活動指針の基準を設定し(行政計画)、
②行政行為:活動指針に基づいて国民の法律関係を形成し(行政契約)、
③行政上の強制手段:必要な場合には、国民の身体財産に実力を加えて行政目的を実現する
④行政指導:行政庁が行政目的の実現のために、国民の自発的な協力を要請する行為


第2章 行政立法
行政立法の意義
:行政権が法条の形式で、一般的抽象的な定めをする作用の総称ないし、そのような作用によって定立された定め自体をいう。
特性
:行政権の内部関係を規律するために作られた
種類:国民の権利義務に直接関わるか否かで法規命令と行政規則に分かれる

法規命令
:行政権が制定する、国民の権利義務に関する法規範
∵必要性:国会の立法能力の限界
∵許容性①法律の授権⇔独立命令②法律の根拠(国民の権利義務に関わるから)

法規命令の分類基準:主体、内容
①主体
政令:内閣、
規則:地方公共団体の長ないし委員会
②内容
執行命令:国民の権利義務の内容実現のための手続、実施の細目を定める法規命令をいう
委任命令:法律の授権を受けて、法律の規定を補充し具体化するために、国民の権利義務の内容自体を定める法規命令をいう

委任命令による規制
:委任する側への規制=白紙委任の禁止
:委任される側への規制=裁量権を逸脱した委任命令制定の禁止


行政規則
:行政権が定立する一般的な定めで、行政組織の内部で行政機関を拘束し、国民の権利義務に関わらないものをいう
/通達:国民の権利義務に関わるものあり。


第3章 行政行為
行政行為
:行政庁が
法律の定めるところに従い、その一方的な判断に基づいて、
国民の権利義務その他の法的地位を具体的に決定する行為をいう

分類:規律する対象によって、なし得る事柄も異なる
=法律行為的行政行為、準法律行為的行政行為、羈束行為、裁量行為


行政行為の効力
拘束力:
公定力:行政行為が例え違法又は不当であっても、権限を有する国家機関によって正式に行政行為が取消されるまでは一応有効と扱われる効力をいう
不可争力:
不可変更力:
自力執行力:

行政裁量
:法律が行政庁に認めた判断の余地をいう
∵必要性=結論の妥当性=複雑膨大な行政需要への対応
∵許容性=法律による具体的委任

分類
羈束行為:裁量が認められない
裁量行為:裁量が認められる
羈束裁量行為:裁判所の審査権が及ぶ
自由裁量行為:裁判所の審査権が及ばない

行政行為の瑕疵=瑕疵ある行政行為
:違法な行政行為:法律違反の行政行為:法律による行政の原理
:不当な行政行為:公益違反の行政行為:行政行為の公益適合の要請

→無効な行政行為
→取消得べき行政行為


職権取消・撤回について
職権取消とは=原因発生時期が異なる
:行政行為がその成立の当初から
違法、不当であることを理由として、処分庁又はその上級行政庁がその効力を失わせることをいう
行政行為の撤回とは
:当初は瑕疵なく成立した行政行為につき、その後の事情により
その効力を維持することが、公益に反する状態になった場合に、処分庁がその効力を将来に向かって失わせることをいう。


附款について
:本体たる行政行為の効果を
一部制限したり特殊な義務を加えるために、
主たる意思表示が付加される従たる意思表示としての行政行為をいう
=運転免許の条件としての眼鏡使用=附款


第4章 行政上の強制手段
行政上の強制手段
:行政上の目的達成のため、自力執行力に基づいて義務を課した上で裁判所の助力なしで強制措置を採ることをいう
∵必要性:国民が、その課された義務を自発的に履行しない場合、裁判所に訴えたのでは、行政の効率化が図れないため
∵許容性:法律の根拠が必要=国民の権利を制限するから

行政上の強制手段の分類
1行政強制
:行政上の目的を達成するために人の身体又は財産に実力を加え、又は義務者に心理的強制を加えることによって、行政上必要な状態を実現する作用をいう。
→⑴ 行政上の強制執行か、⑵ 即時強制

⑴ 行政上の強制執行
① 代執行
:他人が代わってすることができる作為義務が履行されない場合に、当該行政庁が自ら義務者のすべき行為をし、又は第三者にこれをさせ、その費用を義務者から徴収することをいう。
② 執行罰
:不作為義務又は、他人が代わってすることができない作為義務(不代替的作為義務)の履行のない場合に、一定の期限を定め、その期限内に義務を履行しないときには一定額の科料に処する、ということを前もって予告して、その予告によって心理上の圧迫を加えることにより、間接的に履行を強制する方法をいう
③ 直接強制
:義務者の義務の不履行の場合に、直接に、義務者の身体又は財産に実力を加え、義務の履行があったのと同一の状態を実現する作用をいう
=国税徴収法に基づく国税滞納処分
④ 行政上の強制徴収
:私人が、国又は地方公共団体に対して負う公法上の金銭給付義務を履行しない場合に、行政庁が、強制手段によって、その義務が履行されたのと同様の結果を実現するためにする作用をいう。


⑵ 即時強制
:義務の履行を強制するためではなく、目前急迫の障害を除く障害を除く必要上義務を命ずる暇のない場合、又はその性質上、義務を命ずることによってはその目的を達しがたい場合に、直接に国民の身体又は財産に実力を加え、もって行政上必要な状態を実現する作用をいう。
=感染症患者の強制入院


2行政罰
:行政上法の義務違反(行政上の目的のためにする命令禁止違反)に対し、一般的統治権に基づき、制裁として課せられる罰を総称していう
行政刑罰と行政上の秩序罰は、刑事訴訟法の適用の有無で区別される
:無免許タクシー罪に対する懲役罰金
:住民登録届け出義務違反に対する科料


第5章 その他の行政の活動形式


第6章 行政手続


第7章 情報公開法





2ー2ー3逮捕に伴う捜索差押
220令状によらない差押捜索検証

一はじめに
1捜索差押は原則として令状に基づかなければならない(憲法35、218Ⅰ)
無令状捜索差押をなし得るとする法220の根拠如何。

①証拠の存在する蓋然性が高いから
←令状主義の趣旨:捜査機関の権限濫用による:不当なプライバシー侵害の防止
→例外的に無令状捜索差押が許される場合も厳格に解すべき
:→緊急の必要性があるから許容と解すべく

②逮捕の完遂のため
=被逮捕者の抵抗を抑圧し、逃亡を防止するため
∩現場の証拠の破壊を防止するため

(判例)最大判昭和360607:相当説合理説
憲法35条が、捜索押収につき令状主義の例外を認めているのは、この場合には
令状によることなく、その逮捕に関連して必要な捜索、押収等の強制処分を行うことを認めても
人権保障上各別の弊害もなく、
かつこれらの処分をするには令状を必要としない旨を規定するのは
緊急逮捕の場合について憲法35条の趣旨を具体的に明確化したものに他ならない


2問題点の概説
緊急処分説(限定説)と相当説(合理説)の対立が
①逮捕に伴う捜索差押は例外で、令状による場合が原則と考えるのか
②逮捕に伴う捜索差押は令状を得る余裕のない緊急性のある場合に限られるのか
③捜索差押は:被逮捕者の身体や:その支配下にある範囲に限られるのか、逮捕の原因となった被疑事実に関する対立を前提に
:以下:逮捕に伴う捜索差押の限界を①時間的限界②場所的限界③物的限界に分けて検討する

二時間的限界
「逮捕する場合」(220条1項)の意義
=逮捕の着手が必要か、逮捕に先行する事前捜索、逮捕完遂後の事後差押が許されるか。

①時間的接着性あれば可能(判例)
∵相当説、合理説220の根拠は現場に証拠の蓋然性の高さゆえ
身柄拘束より権利侵害の程度が低い
←被疑者が帰宅するかどうかという偶然の事情で:捜索の適否が左右されることになり不当
=第三地の別件捜索=令状主義潜脱の場合あり
②抵抗抑圧、逃亡防止、罪証湮滅防止
着手後ないし現在、逮捕直前にあることが必要
=被疑者が現在しなければ証拠湮滅防止不要
/逮捕する場合
:訪問で留守:同居人による証拠湮滅の可能性がある場合


三場所的限界
1「逮捕の現場」の意義
=被疑者を居間で逮捕した場合、寝室は逮捕の現場にあたるか
筋道
反対説:同一管理権の及ぶ場合をいう
∵相当説合理説証拠の存在する蓋然性(判例)場所的同一性
←無令状捜索差押が認められる根拠

(緊急処分説)
①被逮捕者の抵抗の抑圧
②逃亡の防止
③証拠破壊の防止
→逮捕者に危害を加えるべき物逃走具手の届くところにある証拠を取り上げるために
無令状捜索、差押が認められる
→逮捕の現場:被疑者の身辺、身体又は直接の支配下にある場所

→逮捕者に危害を加えるべきもの、逃走具、手の届くところにある証拠を取り上げるために逮捕に伴う無令状捜索差押が認められる
→逮捕の現場:被疑者の身辺すなわち身体又は直接の支配下にある場所と解される
:寝室は逮捕の現場にあたらない

(判例)同一管理権の及ぶ場所をいう
∵①相当説合理説から:証拠の存在する蓋然性が高い場所であれば足りる
∵②緊急処分説、限定説から
:逮捕者への加害ないし証拠の破壊は必ずしも被逮捕者自身によってなされるとは限らず、
現場に居合わせた共犯者や家族などによってもなされることがある


220逮捕する場合、逮捕の現場


2被疑者の身体の特殊性
被逮捕者の身体についての捜索は:逮捕をした場所でしなければならないか
=被疑者を逮捕した上、近くの警察署などに連行してなした被疑者の身体の捜索が「逮捕の現場」220Ⅰ②における無令状捜索差押として許容されるか問題

A場所の移動を広く認める説
B逮捕の現場で捜索差押をなすのが原則
/付近の路上が混乱し、被逮捕者が奪還されるおそれがある等の状況がある場合、比較的近い警察署、派出所へ連行した後の身体の捜索が許されるとする見解

◯身体捜索:警察署へ連行して行うことの可否
:逮捕現場付近の状況に照らし、
被疑者の名誉を害し、被疑者らの抵抗による混乱を生じ、
現場付近の交通をさまたげるおそれがあるといった事情のため
その場で直ちに捜索差押を実施することが適当でないとき
速やかに最寄りの場所まで連行した上、これらの処分を実施することも
同号にいう「逮捕の現場」における捜索差押と同視することができ
適法な処分と解するのが相当


和光大学内ゲバ事件最決平成080129
:逮捕の現場における差押と同視でき適法

東京高判昭和531115
現行犯逮捕後、パトカーで3、4分、距離にして400mの警察署に連行して差し押さえたという事案



3逮捕の現場に居合わせた第三者の身体についての捜索、差押の可否
問題の所在
:逮捕の現場にたまたま居合わせた第三者の身体について捜索できるか

222Ⅰ→102準用:現場に居合わせた者の身体の捜索も許される
/押収すべき物の存在を認めるに足りる状況が必要:
→逮捕場所、被疑者との関係、当時の言動など諸般の事情を考慮すべき

函館地決:昭和550109
:被疑者を逮捕した居室に同室していた共犯者の身体捜索:違法でない


四物的限界
問題の所在
:逮捕に伴い捜索差押を行っている際に、逮捕の原因となった被疑事実と関連のない、他の犯罪に関係があると認められる証拠物件が発見されたとき:220Ⅰ②に基づき、これを差し押さえることができるか
=逮捕に伴う捜索差押の物的範囲について明文上明らかでないことから問題
=◯緊急捜索差押の可否

他の犯罪に関係があると認められる証拠物件が発見された場合如何
筋道
:無令状捜索差押が認められる根拠

被疑事実に関する証拠物没収すべき物及び武器逃走具に限られる

被疑事実に関連する証拠であれば広く含まれる

被疑事実に関連しない場合
所持が禁止されている場合:現行犯逮捕212、213にともなう捜索押収
禁止されていない場合:改めて:令状をとる必要あり



札幌高判昭和581226
暴行罪の被疑事実で逮捕状の発付を得て被告人を逮捕した際に覚醒剤と思われる粉末が入ったビニール小袋を発見したので被告人の同意を得て覚醒剤の反応を確認した上:被告人を覚醒剤取り締まり法違反の現行犯で重ねて逮捕するとともにその被疑事実の証拠品として:覚醒剤を差し押さえた事案

判旨:その捜索差押は逮捕の原由たる被疑事実に関する証拠物の発見収集及びその場の状況から見て逮捕者の身体に危険を及ぼす可能性のある凶器の発見保全などに必要な範囲内で行われなければならず、この範囲を超え、余罪の証拠の発見収集などのために行うことが許されないことは他言を要しない
→違法な捜索の過程中に発見収集された証拠物である


福岡高判平成050308
逮捕する場合にあたるか、逮捕の現場でにあたるか

被疑者を逮捕する直前直後、逮捕した場所との同一性
←被疑者以外の者の住居内にその居住者の承諾を得た上で場所を移動し、逮捕するような場合:逮捕に基づく捜索として正当化することはできない


2ー2ー4緊急捜索差押と別件捜索差押
一はじめに
二緊急捜索差押
三別件捜索差押

一はじめに
緊急捜索差押とは:憲法35条の要求する捜索押収の要件である「正当な理由」と捜索すべき場所、押収すべき物」を具備しているが、証拠破壊のおそれが高く、司法官憲による事前の審査をする暇がない場合:逮捕に伴う捜索差押によらないでなされる無令状の捜索差押をいう

別件捜索差押とは:本件についての証拠を発見収集する目的で捜索差押の理由必要性の欠けたないし乏しい事件(別件)の捜索差押の手続をとることをいう

緊急捜索差押とは:正当理由と対象物の特定性が認められるが:証拠破壊のおそれが高く:司法官憲による事前の審査をする暇がない場合:逮捕にともなう捜索差押によらないでなされる無令状の捜索差押をいう


二緊急捜索差押
問題の所在
適法に開始された捜索の過程で別罪の証拠や法禁物が発見された場合:証拠物を差し押さえることができるか
=緊急捜索差押の可否が問題

筋道
反対説:証拠存在の蓋然性、証拠破壊の危険性時間的切迫性があれば220Ⅰ②を準用して例外的に緊急捜索差押を肯定
←緊急逮捕には明文の規定あり⇔許容する明文規定なし

潜脱の可能性あり
:別罪の証拠や法禁物を差し押さえるには
①領置222Ⅰ、101、221
②令状
③現行犯逮捕(◯通常逮捕緊急逮捕現行犯逮捕中の場合どうするか)


三別件捜索差押
1適法性
:別件捜索差し押さえ:別件逮捕・勾留の問題と比較して:時間的潜脱とか身柄拘束を利用した取調の問題がない点で異なっているが:基本的には本件に関する司法的審査を欠き、令状主義に違反する点で共通する
=捜査機関が:専ら本件の証拠収集のためにことさら別件に名を借りた捜索差押をなすことは一般的探索的な捜索差押を禁止した令状主義(憲法35、法219Ⅰ)の趣旨に反し違法である

最判昭和511118
憲法35Ⅰ刑訴218219:令状に明示されていない物の差押が禁止∩捜査機関が専ら別罪の証拠に利用する目的で差押許可状に明示された物を差し押さえることも禁止される

判断基準:別件捜索差押か否かの判断基準について:前掲判例:捜査機関が専ら別罪の証拠に利用する目的を有していたかにより決する
←主観的意図の判断は必ずしも容易でない

→捜査機関の主観的意図のみならず、捜査の客観的状況をも基準として判断すべき
:別件の事案の内容、既に収集されている証拠の量内容、捜索差押により証拠物を発見しうる見込の程度、
:本件の事案の内容、嫌疑の程度特に本件による捜索差押令状の入手の可否、
:実際の捜索の態様、
:発見収集された証拠と別件及び本件との関係等の事情を考慮して判断される

◯別件捜索の必要性、本件捜索の許容性、捜索の態様、収集された証拠と別件本件の関係
暴行事件での言動如何=覚醒剤


福岡高判平成050308

2判断基準
別件捜索差押か否かの判断基準について:前掲判例:捜査機関が専ら別罪の証拠に利用する目的を有していたかにより決する
←捜査機関の主観的意図の判断は必ずしも容易ではない
→捜査機関の主観的意図のみならず捜査の客観的状況をも基準として判断すべきである
=具体的には:別件の事案の内容既に収集されている証拠の量、内容、捜索差押により証拠物を発見しうる見込の程度、本件の事案の内容、嫌疑の程度:特に本件による捜索差押令状の入手の可否、実際の捜索の態様、発見収集された証拠と別件及び本件との関係等の事情を考慮して判断されることになる

広島高判昭和561126

札幌高判昭和581226


2ー2ー5承諾捜索
:処分を受ける者:捜索の何たるかを理解するとともに:捜査官の申出を拒絶できることを十分知った上で、真摯に承諾した場合の令状なき捜索をいう

処分を受ける者:捜索の何たるかを理解するとともに:捜査官の申出を拒絶できることを十分知った上で、真摯に承諾すれば:任意捜査として許される
←住居について捜索を受けることを全く任意に承諾することなどは社会常識からは考えにくい
∩承諾があったとしてもその承諾は何らかの強制力が加えられたのではないかという疑問の余地が大きい
→①任意性の立証責任は捜査官側にあり:(犯罪捜査規範100)
→②実務運用上いわゆる家宅捜索は承諾が得られる見込があっても:令状発付を受けて行うべきものとされる(犯罪捜査規範108)

福岡覚醒剤事件:福岡高判平成050308

2ー2ー6領置
221
領置とは:被疑者その他の者が遺留した物所有者等が任意に提出した物を領置することができる221

捜査機関は被疑者その他の者が遺留した物、所有者等が任意に提出した物を領置することができる
=占有取得時は任意の形態をとるが、いったん領置されると:差押の効果が生じるので強制処分の一種と考えられている
/捜査機関による任意提出の説得に対してこれを拒否することができない状況もあり得るから、領置処分の必要性と相当性が認められることが必要







2ー3検証鑑定
2ー3ー1検証
2ー3ー2鑑定
2ー3ー3身体検査

218令状による差押捜索検証
219令状の方式
220令状によらない差押捜索検証

憲法上検証に関する規定はないが令状主義に関する趣旨は当然検証にも妥当する
検証は令状によることを原則とするが:逮捕した場合、逮捕に伴う場合には無令状での検証が許される
検証の対象が人の身体である場合を身体検査といい、被疑者のプライバシーの利益に深く関わるため、身体検査令状という特別の令状が要求される218Ⅰ

2ー3ー1検証
一はじめに
二令状による検証
三令状によらない検証
四実況見分


一はじめに
検証とは:場所ものまたは人について強制的にその形状性質を五官の作用で感知する処分をいう
=物の占有を取得できない場合に形状等を感知記録しておくために用いられる
検証:捜索差押と同様原則として令状に基づいて行われる218Ⅰ
例外的に無令状で行われることが許される場合がある220Ⅰ
なお検証と同内容の処分を任意処分として行う場合を実況見分という

◯検証とは場所∪もの、ひとについて其形状を強制的に勘t利する処分をいう
形状の感知記録:物の占有を取得できない場合:


二令状による検証
:検証は原則として令状に基づいて行われる218Ⅰ
検証の手続:捜索とほぼ同様である222ⅠⅣⅤⅥ
:検証については:身体の検査、死体の解剖、墳墓の発掘物の破壊その他必要な処分をすることができる129
検証の結果:検証調書に記載して保全される

三令状によらない検証
1逮捕に伴う場合
:逮捕に伴う捜索差押同様に被疑者を逮捕する場合に逮捕の現場で行われる場合
:令状不要220Ⅰ②

2逮捕・勾留されている場合
:218Ⅱ
:身体拘束処分の許可:これらの限度の検証まで当然含んでいる

四実況見分
:実況見分には検証と同様の処分を①被処分者の同意承諾を得て行う場合と②利益を侵害される者がいないために処分を強制することにならない場合がある

→実況見分調書または:捜査報告書に記載して:保全される
/①の場合:要件を欠く検証が実況見分として行われるという弊害あり
→承諾による実況見分が許されるのは:犯罪の嫌疑及び見分の必要性が、令状を得られる程度に存在する場合に同意の権限のある者が:受けるべき処分の具体的内容を知った上で任意に承諾した場合に限られると考えるべき

承諾(権限ある者が:処分内容を知った上で任意に承諾した場合限定)
∩不利益の程度:社会通念上相当と認められる範囲に止まらなければならない

また:承諾によって甘受させられる不利益の程度:社会通念上相当と認められる範囲に止まらなければならないと考えられる


2ー3ー2鑑定
223第三者に対する出頭要求
224鑑定の嘱託と鑑定留置の請求
225鑑定に必要な処分、許可状

一はじめに
二鑑定処分
三鑑定留置

一はじめに
鑑定とは:特別の知識経験を有する者による事実の法則:又は:その法則を具体的事実に適用して得た判断の報告をいう
=捜査機関は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、(専門家)鑑定受託者に鑑定を嘱託することができる223Ⅰ
→検査結果回答書、捜査報告書に記載して保全される
=鑑定に関する総則規定(1編12章)のそのままの適用はない

特別に知識経験を有する射による事実の法則∪その法則をふ大敵事実に適用してえた判断の報告をいう


二鑑定処分
:鑑定受託者:鑑定について必要がある場合:裁判官の鑑定書分許可状を得て住居等に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、∪ものを破壊することができる225Ⅰ168Ⅰ

三鑑定留置
捜査機関:被疑者の心身又は身体に関する鑑定をさせる必要がある場合には:被疑者の留置を裁判官に請求しなければならない224Ⅰ、167Ⅰ
裁判官:期間を定め、病院その他の相当な場所に被疑者を留置する224Ⅱ167
勾留されている場合:鑑定留置の期間、勾留の執行は停止される224Ⅱ、167の2


2ー3ー3身体検査
218令状による差押捜索検証
220令状によらない差押捜索検証
221領置
222押収捜索検証に関する準用規定
225鑑定に必要な処分許可状

一はじめに
二身体の捜索
三検証としての身体検査
四鑑定としての身体検査
五三種類の身体検査の関係


一はじめに
身体検査
:①身体の捜索
:②検証としての身体検査(218Ⅰ、225、168)
:③鑑定処分としての身体検査223Ⅰ、225、168
の三種類がある
=差し押さえる物の捜検行為であって身体そのものの点検ではない
←侵害される法益が身体を巡るプライバシーであり:身体の外表着衣の内側など:の点検も俗に身体検査と称されていることから身体検査の一つとして位置付けることができる

二身体の捜索
:限度如何
:通説:身体の捜索として許されるのは:着衣の上からの捜索に限り、裸もしくはそれに近い状態にしての身体の捜索や肛門その他の体腔の捜索の場合には捜索令状の他に身体検査令状:要すると解する

三検証としての身体検査
:身体の外表部分の形状を認識する検査
:身体検査令状という特別の令状218Ⅰにより、捜査官自身が行う

:身体検査令状の請求
:一般の検証の要件の他に
:身体検査を必要とする理由、被検査者の性別及び健康状態等を示さなければならない218Ⅳ
:裁判官:医師の立会を要求するなど適当な条件を付することもできる218Ⅴ

実施にあたっては:被検査者の性別健康状態、その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、名誉を傷つけないように気をつけなければならず、女子に付ては医師又は成年の女子を立会わせる必要がある222Ⅰ、131
検証としての身体検査を拒否した場合:過料、費用賠償、刑罰等の制裁による間接強制が必要222Ⅰ、137、138
∩間接強制では効果がないと認められる場合には:直接強制も可能222Ⅰ、139

四鑑定としての身体検査
:身体の外表部分の検査に止まらず、血液採取、塩化物の採取、吐剤、下剤や機械器具を利用した検査等身体内部への侵襲を伴う検査である
:この身体検査:医師等の専門家が行い捜査機関の嘱託を受けた鑑定受託者が行う
:鑑定処分としての身体検査を拒否した場合:検証としての身体検査の場合と同様間接強制が可能225Ⅳ、168Ⅵ、137、138
鑑定受託者の場合:直接強制はできない(225:172を準用していない)


五三種類の身体検査の関係
1従来の考え方
⑴プライバシー権への侵入の度合いによる差異
⑵担当者の差異
⑶各行為の性質態様の差異
2判例の考え方
:後述の強制採尿に関する判例:「体内に存在する尿を強制的に採取する行為:捜索・差押の性質を有する」(最決昭和551023)
=行為の性質だけを:区別の指標とする方法論である
:人の身体の内奥深く侵入する行為をも捜索差押とする
→侵入の度合いで①~③を区別することはできなくなったと言える

2ー4物的証拠の収集保全を巡るその他の問題
2ー4ー1強制採尿
2ー4ー2血液の採取
2ー4ー3呼気の採取
2ー4ー4写真ビデオの撮影
2ー4ー5通信傍受(盗聴)

2ー4ー1強制採尿
一はじめに
二強制採尿の可否
三強制採尿に必要な令状の種類
四強制連行の可否


一はじめに
覚醒剤の自己使用罪等について:尿を調べることがもっとも効果的
①被疑者が尿を任意提出した場合に:これを領置しうること221
②自然は移出した尿を差押令状218により強制的に取得しうること
<被疑者が尿の提出を拒否した場合>
①カテーテル(導尿管)を使用して強制的に採尿することが許されるか
②許されるとした場合いかなる令状によるべきか
③身体拘束されていない被疑者を採尿に適した場所へ強制連行することが可能か

二強制採血に必要な令状の種類
問題の所在
:強制的に尿を採取する行為には:その性質上人の身体的精神的利益を侵害する側面が存在する
→人格の尊厳を害する行為として:強制採尿という採証方法は許されないのではないか問題
筋道

確かに:身体への侵襲行為かつ屈辱感等精神的打撃を与える行為
←身体の安全:医師等習熟した技能者によって:適切に行われる限り、身体上健康上各別の傷害をもたらす危険は乏しい
∩被疑者の屈辱感等の精神的打撃:検証としての身体検査でも同程度の場合がある


被疑事件の重大性嫌疑の存在、
当該証拠の重要性とその取得の必要性、
適当な代替手段の不存在等の事情に照らし、
犯罪の捜査状真に止むを得ないと認められる場合に:
②最終的手段として
③適切な法律上の手続をとり
④実施にあたって被疑者の身体の安全とその人権の保護のため、充分な配慮がなされた場合
許容


最判昭和551023
事案:覚醒剤自己使用罪の証拠収集のため警察署の医務室において数人の警察官に身体を押さえ付けられている被疑者の尿道にカテーテルを挿入し、約100CCの尿を採取した
決旨
:被疑事件の重大性、嫌疑の存在、当該証拠の重要性とその取得の必要性、適当な代替手段の不存在等の事情に照らし、犯罪の捜査上、真に止むを得ないと認められる場合には:最終的手段として適切な法律上の手続を経て、これを行うことも許されて然るべきものと解するのが相当である

最決平成030716
「被告人は、錯乱状態に陥っていて任意の尿の提出が期待できない状況にあったものと認められるのであって、本件被疑事実の重大性、嫌疑の存在、当該証拠の重要性とその取得の必要性、適当な代替手段の不存在等の事情に照らせば:本件強制採尿は、犯罪の捜査上真に止むを得ない場合に実施されたものということができるから、右手続に違法はないとした現判断は正当である」


三強制採尿に必要な令状の種類
問題の所在
強制採尿が許されるとした場合:いかなる手続によるべきか
=具体的には強制採尿という強制処分にいかなる令状が要求されるか問題となる
筋道
反対:鑑定処分許可状と身体検査令状
身体検査は外表検査に限り直接強制を許した
鑑定処分許可状:
鑑定処分とは:特別の知識経験を有する者による:事実の法則又はその法則を事実に適用して得られた判断の報告をいう
:実体は鑑定:
便宜的すぎる
尿は老廃物ゆえ捜索差押令状/身体への侵襲による危険あり:身体検査と同様→意思による医学的に相当な方法でなされること必要

犯罪の重大性、嫌疑の高度、証拠の価値不可欠性、代替が不可能であること

犯罪の重大性嫌疑の存在証拠の重要性と取得の必要性、適当な代替手段の不存在
最終的手段
適切な法律上の手続実施にあたって安全と人権のための配慮


A身体検査令状説:田宮、渥美
∵①身体検査218Ⅰには、身体の外部検査のみならず、内部検査も含み身体に対し社会通念状是認される程度の軽微な損傷を与えることも許される
∵②医師等の専門家を補助者として実施する限り、鑑定の場合に準ずる程度の検査が許されると解される
←①身体内部に対しての侵襲を伴う体液採取行為を検証としての身体検査218Ⅰに含ませるのは検証の概念を不当に拡大するもの
←②身体の損傷を伴う内部検査は専門的知識と技術を必要とするから性質上鑑定処分に属する

B鑑定処分許可状説
∵①身体検査218Ⅰは身体の外部的な検査に限られるのであり身体の損傷を伴う内部検査は専門的知識と技術を必要とするから性質上鑑定処分に属する
∵②直接強制ができない点については172条の準用ないし類推適用を認めることで解決することができる
←①直接強制ができないことになる
←②172の準用ないし類推適用を認めることは:225Ⅳが明らかに、直接強制を除外していることを無視することになる

C鑑定処分許可状と身体検査令状の併用説(多数説)
∵①身体検査218Ⅰは人体の外表部分の検査に限られるので、体内に侵入するとなると鑑定処分許可状説が必要
∵②他方、鑑定処分は直接強制ができないので(172は223以下で準用されていない)、直接強制を可能とする身体検査令状も必要
←身体検査218Ⅰ令状では侵襲に不適当だからこそ鑑定処分許可状を利用するのに、直接強制が必要なときに前者に戻るのは便宜的すぎるし:もし戻るのであれば:できる行為は身体検査の範囲に止まるはず

D捜索差押令状説(判例)
∵①尿は身体の一部ではなく、体腔に貯留されいつでも体外に排出できる老廃「物」である
∵②人権侵害のおそれがある点で検証としての身体検査と共通の性質を有しているから身体検査令状に関する218Ⅴが準用され、令状の記載要件として、強制採尿は、医師が相当の方法で行う旨の条件の記載が不可欠である
←①尿という人体の自然組成物を無価値なものとして評価することができるか疑問
←②採尿のようにその性質上:医師等の手によるべき行為を捜査機関が主体として行う捜索差押という方法で対応するのは適当ではない
←③解釈論を超えて立法論的に特別の強制採尿令状を創設したものである
最決昭和5511023

四強制連行の可否
問題の所在
被疑者が逮捕されていない場合:対象者を強制採尿するに適した場所に強制的に連行することができるかが問題となる
=逮捕されている被疑者については逮捕の効力として必要な場所に引致できる
筋道
思うに、令状を発布する裁判官は、連行の当否も含めて審査した上で令状を発付したと考えられる
∩強制的な連行を認めないと強制採尿令状の目的を達することができない
→強制採尿令状の効力として:採尿に適する最寄りの場所まで被疑者を連行することができ:その際に必要最小限度の有形力を行使することができると解する

積極説
1必要処分説
東京高判平成020829
:強制採尿行為:令状により許可された捜索差押であり:連行は捜索差押に必要な処分111として許される
←身柄の連行が111に例示されているような:捜索差押の実行に密接不可分に附随する行為類型から離れる


2令状内在説
:強制採尿令状自体の効力として連行しうる
∵令状:医学的に適当な場所で行われることを前提として発付されているからその場書に連行することは令状自体が予定している
←適切な場所における執行を要求していることが強制的に連行することまで許容していると言えるか疑問である

最判平成060916
:職務質問で異常な言動、現場に6時間とどめ置き、その間に強制採尿令状発付を受け、40分離れた病院へ強制連行して、医師がカテーテルを使用してXの尿を採取した

決旨:強制採尿令状の効力といて、採尿に適する最寄りの場所まで被疑者を連行することができ:その際必要最小限度の有形力を行使することができるものと期するのが相当である
∵目的不到達
裁判官はかかる事情も含めて審査し令状を発付下と認めることができるからである

←捜索差押令状ないし身体検査218Ⅰ令状により逮捕と同程度の自由拘束が可能となるとすることには疑問が残るとの批判あり


2ー4ー2血液の採取
一はじめに
二強制採血に必要な令状の種類
三無令状採血の可否


一はじめに
体内の血液の採取
:採尿と比べて被処分者の羞恥心屈辱感はそれほど強くない
:また常に身体の損傷を伴うといえ、検査に必要な採血量を微量で足りるので:侵害の程度は軽微であると言える
→強制採血自体は許される/体外に流血した血液の採取は任意捜査の一環として可能
しかし:採血行為は人権侵害を伴うことからすれば強制処分として令状が必要と考えるべきである

二強制採血に必要な令状の種類
問題の所在
強制採血が許されるとした場合:いかなる手続をとるべきか、具体的には強制採血という強制処分にいかなる令状が要求されるか問題
筋道
反対説:捜索差押令状
∵強制採尿を捜索差押令状によるべきとする判例理論から破格解することが論理的とも
←尿がいずれ体外に排出される無価値なものであるのに比べ:血液は人体の一部を構成ししかも生命の維持に不可欠
→強制採尿と同様には考えられない
思うに:体液の採取はその事柄の性質上医師等の専門家によって実施されなければならない
また:採取された血液は通常鑑定に付されることが予定されているから、鑑定のために必要な身体検査218Ⅰと考えるのが適切
→原則として:鑑定処分許可状に基づいて行い:それでは目的を達し得ないときには身体検査218Ⅰ令状により直接強制し得ると解する
/直接強制:採血の検証としての側面から認められるものである
→直接強制:外表からの検査に準じるような極めて軽微な侵襲し限られなければならない

アドバンス
強制採血に必要な令状の種類についての議論は:強制採尿に必要な令状の種類についての議論がほぼ妥当する
強制採尿については:最決昭和551023によって:従来行われてきた身体検査218Ⅰ令状と鑑定処分許可状を併用する方法から捜索差押令状のみによる方法へと変更された

→血液採取の場合:捜索差押令状によるべきか問題になるが、少数
:一般的には:昭和55年決定:「尿:やがて体外に排出される人体にとっての不要物である」という特殊性を考慮している
→血液等の有用物については:この決定に趣旨は及ばないと解されている
→実務上も強制採血に必要な令状の種類として鑑定許可状及び身体検査218Ⅰ令状との併用という立場がとられている

A身体検査令状説
B鑑定処分許可状説
C身体検査令状と鑑定処分許可状の併用説
D捜索差押令状説
∵尿は:腎臓において:血液から濾過等されて生成されたものであり、血液と一体の関係に立つから尿と血液とは同様に扱われるべきである
→判例:体内の体液一般の採取につき捜索差押令状によるとの考えをとったと理解することが可能

三無令状採血の可否
1逮捕に伴う無令状の身体検査の可否
:令状により直接強制が可能と考えても令状入手の時間的余裕のない場合も考えられるため問題
=交通事故時に血液中のアルコール濃度等を調べる場合→無令状で採血をすることができるか
この点:強制採血を鑑定と考えると
→令状による場合でも直接強制できなければ:逮捕に伴う身体検査や緊急身体検査も直接強制できない
∵身体検査を直接強制できるとする172Ⅱが準用されていない
⇔強制採血を捜索差押:検証としての身体検査:検証としての身体検査と鑑定とを併用したものと考えると:令状による場合には:直接強制が可能となる
→①220Ⅰ②逮捕にともなう捜索・差押、検証を規定している
→②222Ⅰ:無令状検証について129条を準用している
→身体の検査も令状なしに行うことができる(通説)から、現場で被疑者を逮捕できれば、無令状採血も許される220Ⅰ②、Ⅲ

逮捕にともなうものなら可能但し必要性


2緊急採血の可否
=交通事故で被疑者が意識を失っており酒気帯び運転の疑いはあるが未だ逮捕できない場合に令状の発付を受けずに採血できるか
=強制採血の可否が問題
肯定説

否定説
∵強制処分法定主義197Ⅰ但書
=人体の損傷をともなう


2ー4ー3呼気の採取
ポイントは身体侵襲の度合いが小さい

呼気検査:飲酒運転等につき、体内のアルコール保有の有無を検査する目的
性質:被験者の同意があれば:任意処分
被験者の同意がない場合:強制処分→一定の令状:が必要
∵身体への侵害、傷害は少なく、人権侵害の度合いは小さいが、性質上身体の外表的な検査であるとはいえず体液の採取検査の一つであると考えられるから
強制採尿ないし強制採血の令状の話:無令状での話
最判平成090130
呼気検査拒否罪道交法120Ⅰ⑪は自己に不利益な供述を強要されないとする憲法38Ⅰに反しないか
:反しない:供述を得るものではないから(判例)

2ー4ー4写真ビデオの撮影
一写真撮影の適法性
二ビデオ撮影の適法性

一写真撮影の適法性
      
二ビデオ撮影の適法性

2ー4ー5通信傍受(盗聴)
222の2電気通信の傍受

一はじめに
二通信傍受(盗聴、第三者盗聴)について
三同意のある場合(同意盗聴、当事者録音)

一はじめに
盗聴とは:公開を望まない人の会話を密かに聴取または録音することをいう

二通信傍受(盗聴、第三者盗聴)について
三同意のある場合(同意盗聴、当事者録音)


2ー5物的証拠の収集保全と被疑者の防御

一はじめに
二捜索差押時の防御
三事後の防御


一はじめに
二捜索差押時の防御
三事後の防御

//
3供述証拠の収集保全
3ー1総説
3ー2被疑者の取調
3ー3被告人の取調
3ー4第三者の取調
3ー5取調に対する被疑者の防御

任意捜査と強制捜査p96
任意捜査とは:任意の処分による捜査をいい、強制捜査とは強制の処分による捜査をいう

強制処分とは:重要な権利利益の制約を伴う処分をいう

任意捜査におけるデュープロセスの要請
問題となる任意処分
①有形力の行使
②承諾同意ある場合
③任意同行任意の取調
④おとり捜査
⑤コントロールドデリバリー

任意同行
:被疑者の出頭確保のため捜査官がその居宅等から警察署等へ同行させることをいう

任意の取調
:任意の出頭(任意の同行でも同様)を求めて行う取調=身柄を拘束されていない被疑者の取調をいう

p113
おとり捜査とは
:捜査官(又はその協力者)がおとりとなって人に犯罪をそそのかし、
犯行に出たところを逮捕するという捜査方法をいう
=犯人が自分の意思で行動している以上、任意捜査と解される

犯罪誘発型
:誘惑者が被誘惑者に働きかけて犯意を発生させて犯罪を実行させるというものである
機会提供型
:誘惑者が既に犯意を有している被誘惑者に犯行の機会を提供するものである

:コントロールドデリバリー(監視付き移転略称CD)
:捜査機関等が薬物等を認知した場合に、
監視のもとに運搬を続行させ取引に関与した者を突き止めて一網打尽に検挙する捜査方法をいう


捜査の実行189
逮捕
:被疑者を法に決められた短期間拘束する身柄拘束処分のことをいう

通常逮捕199とは
:令状による逮捕のことをいう

:現行犯とは:現に罪を行いまたは現に罪を行い終わった者をいう(212Ⅰ)

:緊急逮捕210とは
:①一定の重大事件で②高度の嫌疑があり③緊急性が認められるという3つの要件がある場合に
これらの理由を告げて無令状で逮捕することをいう
そしてこの場合④事後に「直ちに」逮捕状請求の手続をすることも要件となる210

勾留205とは
:被疑者被告人を比較的長期間拘束する裁判及びその執行のことをいう
①起訴前の被疑者段階で拘束される被疑者勾留205(起訴前勾留205)
②起訴後被告人となってから拘束される被告人勾留60(起訴後勾留起訴後勾留60)

通常逮捕における逮捕の理由
:嫌疑の相当性
=「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由のある」こと199Ⅰ

逮捕の必要性がない場合
:被疑者の年令境遇犯罪の軽重及び態様などの諸般の事情に照らし
:被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等の事情をいう規則143の3参照

犯罪及び犯人の明白性
:その犯人により特定の犯罪が行われたことを逮捕者が現認(直接に覚知)したことをいう

犯罪の現行性時間的接着性の明白性
①その犯罪が現在の事件として逮捕者の眼前で行われている(現に罪を行っている現行犯人)か、
②犯行時間後時間的に極めて接着した段階にあることが逮捕者に明らかである(現に罪を行い終わった犯人)ことをいう

準現行犯とは:
一 犯人として追呼されているとき。
二 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
三 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
四 誰何されて逃走しようとするとき。
の一にあたり、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められる者をいう

時間的接着性とは
:犯罪実行行為終了後時間的に極めて近接した段階をいい、最大でも数時間を出てはならない
場所的近接性は当然要求される

緊急逮捕
①一定の重罪事件:死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁固にあたる罪
②高度の嫌疑:現行犯準現行犯に準ずるような嫌疑を要する:「充分」「相当」
③緊急性:裁判官に逮捕状を請求していたのでは、仮に逮捕状が発布されたとしても被疑者の逃走などにより逮捕することが不可能もしくは著しく困難になる場合をいう
④「直ちに」の意義
:即刻ないしその足での意味

勾留p145

事件単位の原則
逮捕前置主義
:逮捕前置主義:被疑者の勾留には適法な逮捕が先行する必要があるとする原則をいう

一罪一逮捕一勾留の原則
:同一の犯罪事実に付き同時に二個以上の身柄拘束を許さない原則をいう
再逮捕最勾留禁止の原則
:同一の犯罪事実による身柄拘束は異なった時点であっても一回しか許さないという原則をいう

別件逮捕・勾留の意義
①最広義
:ある事件の捜査過程で別の事件により被疑者の逮捕が行われるすべての場合のこと
②広義
:本件について逮捕の要件がないのに専らその取調のため、逮捕の要件の具備している別件を利用して、ことさら逮捕すること
③狭義
:重大な本件について取り調べる目的で逮捕の理由も必要もない軽微な別件を使って逮捕すること

逮捕・勾留に対する被疑者の防御

勾留理由開示制度
:勾留されている被疑者に対して、裁判官が公開の法廷で勾留の理由を開示する制度のことをいう

物的証拠の収集
1捜索222Ⅰ102
:一定の場所、物または人の身体について物または人の発見を目的として行われる強制処分(222Ⅰ、102)をいう
2押収99
:物の占有を強制的に取得する処分をいう
⑴差押
:物の占有を強制的に取得する処分をいう(222Ⅰ、99Ⅰ、218Ⅰ、220Ⅰ)
⑵領置
:遺留物や任意提出物の占有を取得する処分(222Ⅰ、101、221)
⑶提出命令
:差押の対象となるものを指定し、所有者、所持者または保管者にそのものの提出を命じる裁判をいう(99Ⅱ、100ⅠⅡ)
3検証
:場所物人について強制的にその形状、性質を五官の作用で感知する処分
4鑑定
:特別の知識経験を有する者による事実の法則又はその法則を具体的事実に適用して得た判断の報告
5実況見分
:実況見分と同内容の処分を任意処分として行うことをいう

緊急捜索差押とは
:憲法35条の要求する捜索押収の要件である
「正当な理由」と「捜索すべき場所、押収すべき物」を具備しているが、
証拠破壊のおそれが高く、司法官憲による事前の審査をする暇がない場合
逮捕に伴う捜索差押によらないでなされる無令状の捜索差押をいう

別件捜索差押とは
:本件についての証拠を発見収集する目的で捜索差押の理由必要性の欠けたないし乏しい事件(別件)の捜索差押の手続をとることをいう

承諾捜索
:処分を受ける者が、
捜索の何たるかを理解するとともに、捜査官の申出を拒絶できることを十分知った上で、
真摯に承諾した場合の令状なき捜索をいう

領置とは
:被疑者その他の者が遺留した物所有者等が任意に提出した物を領置することができる221

検証とは
:場所ものまたは人について強制的にその形状性質を五官の作用で感知する処分をいう

実況見分
:検証と同様の処分を
①被処分者の同意承諾を得て行う場合と
②利益を侵害される者がいないために処分を強制することにならない場合がある

鑑定とは
:特別の知識経験を有する者による事実の法則又はその法則を具体的事実に適用して得た判断の報告をいう
=捜査機関は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、(専門家)鑑定受託者に鑑定を嘱託することができる223Ⅰ

被疑者取調とは
:捜査機関が犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっている者に対する質疑応答という形で情報を得ることをいう

余罪取調とは
:被疑事実A(これを本罪という)に付き逮捕・勾留されている被疑者をA以外の被疑事実B(これを余罪という)について取り調べることをいう

参考人取調223とは
:検察官検察事務官司法警察職員は犯罪の捜査をするについて必要があるときは、
被疑者以外の者(参考人)の出頭を求め、これを取り調べることができる223Ⅰことをいう


3編5章捜査における被疑者の防御

2黙秘権
1自己負罪拒否特権(証人の場合)黙秘権(被疑者被告人の場合)
:供述の強要から保護される人の法的地位をいう

2証言拒否権と黙秘権
証言拒否権とは
:供述義務を前提としつつ、不利益となる事項、当人が刑事訴追を受けるおそれがあるような事項については:返答を拒否してよいというものをいう

包括的黙秘権とは
:自己にとって利益不利益を問わず一切の供述を包括的に拒否しうるものをいう

ポリグラフ検査とは
:一定の質問に対する被疑者の応答に伴う脈拍呼吸発汗という生理的変化を記録して被疑者の嘘を発見しようとする検査をいう

麻酔分析とは
:麻薬を注射して被験者の自己に対する抑制を弛緩させて心の内奥にあるものを語らせる尋問技術をいう


3編6章捜査
捜査構造論

⑴弾劾的捜査観
:捜査は捜査機関が単独で行う準備活動に過ぎず、従って被疑者も同様の準備をするという見方(当事者主義的捜査観)

⑵糾問的捜査観
:捜査は本来捜査機関が被疑者を取り調べるための手続であるという見方(職権主義的捜査観)




任意捜査と強制捜査p96

強制処分と任意処分の区別基準如何
=強制処分は法律に特別の規定がある場合にしか用いることはできない一方、
任意処分は法律の定めがなくても実施することができる(197Ⅰ)ところ、
法は何が「強制の処分」(197Ⅰ但書)にあたるか明確な定義を示していないため問題

:強制処分を重要な権利利益の制約を伴う処分と解すると
:科学技術の発達に伴い生じた新しい捜査方法として現行法に規定のない強制処分を捜査のため用いることができるか。
=197条Ⅰ但書は強制処分が法定されている場合に限って実施しうることを規定するため問題となる

p102
任意捜査に限界はあるか
任意捜査において有形力の行使は許されるか
任意捜査であってもその方法に限界があるのではないか
判断基準が問題となる
:強制手段にあたらない有形力の行使であっても:当該処分の必要性緊急性なども考慮した上:具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容されるものと解すべき

承諾同意がある場合如何
:任意の同意を訴追側が積極的に立証した場合にのみ適法となると考える
/留置家宅捜索女子の身体検査は承諾があっても許されない

p105
任意同行の可否
:行政警察活動としての任意同行は警職法2Ⅱに規定があるが、
司法警察活動としての任意同行については刑事訴訟法上明文を欠くから許されないのではないか問題
:必要あり、同意あれば可能

では許容限度如何
=同意あれば可能としても任意同行の要求を拒むことができず途中で退席できない場合が多い
違法か否かの基準
:実質的に逮捕と言えれば違法

任意取調の許容限度
:「取調に応ずる限り」
しかし:実際には時間をかけて徹底的に執拗に行われるため:どの程度執拗であることが許されるか
:田宮参照。

おとり捜査が違法とされた場合それに基づいて公訴提起を受けた被告人の救済方法如何
=証拠排除がなされても他の証拠で有罪とされる可能性があるため問題

おとり捜査が違法とされた場合それに基づいて公訴提起を受けた被告人の救済方法如何
=証拠排除がなされても他の証拠で有罪とされる可能性があるため問題
:捜査の廉潔性を欠くので憲法31条違反として公訴棄却338すべき

コントロールドデリバリー
:任意捜査∩働きかけなし
/追跡の方法について:限界はある

p124
被疑者の身柄保全
必要性
:逃亡罪証湮滅のおそれ
=逃亡⇔捜査が終わったときの事件処理の対象∩公判審理の対象
=罪証湮滅⇔証拠裁判主義317ゆえ証拠保全179Ⅰの必要がある

令状主義憲法33の要請
:捜査機関が強制処分を実施するにあたり第三者たる裁判官に処分の実施の是非を判断させることで
①捜査機関の権限濫用を防止して②被疑者被告人の人権を保障
(◯=捜査の必要性の存否を中立公正な第三者機関の事前審査にかからしめることで捜査(逮捕)の必要と人権保障の調和を図る)

通常逮捕199
①逮捕の相当な理由②逮捕の必要性

緊急逮捕210
①一定の重罪事件②高度の嫌疑③緊急性④逮捕の必要性

現行犯逮捕212、213
①犯罪及び犯人の明白性②犯罪の現行性・時間的接着性の明白性③逮捕の必要性

準現行犯逮捕212、213
①犯罪及び犯人の明白性②時間的接着性(場所的接近性)③時間的接着性の明白性④212Ⅱ各号に該当する事実の存在の逮捕者による認識

通常逮捕199の要件
①逮捕の理由②逮捕の必要性

:捜査機関の出頭要求(198Ⅰ)を正当な理由なく拒んだ被疑者を逮捕することができるか
=199Ⅰ但書は「正当な理由なく…出頭の求めに応じない場合」に逮捕できると定めるため問題
:田宮参照

逮捕に際して行使できる実力の範囲如何
=警職法7条を除き直接の明文規定がないため問題
:警察比例の原則が妥当し:逮捕の実効性を確保するため合理的に必要な限度の実力の行使は許される
∩逮捕を妨げる第三者に対する実力行使も同様

現行犯逮捕212、213の要件
①犯罪及び犯人の明白性
②犯罪の現行性時間的接着性の明白性
③逮捕の必要性

現行犯逮捕が令状主義の例外として許される理由
①現認性:犯罪の実行が明白で、司法判断を経なくても誤認逮捕の虞がないと認められ
②緊急性:逮捕状の発付をまっていたのでは犯人が逃走し、証拠を隠滅する虞が高く令状請求の時間的余裕がないからである


1犯罪及び犯人の明白性
2犯罪の現行性時間的接着性の明白性
3逮捕の必要性

逮捕の必要性
問題の所在
:現行犯逮捕の場合:逮捕の必要性199Ⅱ但書、規則143の3、211は必要か
=明文上要件とされていないため問題

現行犯人の認定基準
:「事後的に客観的な立場から判断されるべきではなく、行為当時の状況に基づいて客観的、合理的に判断されるべきである」最決昭和410414

3準現行犯の要件
①犯罪及び犯人の明白性
②時間的接着性の明白性(これに対応する場所的近接性)
③時間的接着性の明白性
④212Ⅱ各号に該当する事実の存在の逮捕者による認識

緊急逮捕210の要件
1一定の重罪事件
2高度の嫌疑
3緊急性
4事後に直ちに逮捕状請求手続をすること

勾留60p145
目的:逃亡、罪証湮滅防止

勾留の要件
①勾留の理由②勾留の必要性③逮捕の先行④勾留質問

代用監獄への勾留60が許されるか
:許される

:逮捕・勾留の効力の範囲の決定基準如何
=二重勾留は許されるか

事件単位説における「事件」の範囲
:先行する逮捕と勾留で罪名や事実に変動があってもその基本的事実観に同一性(被疑事実の同一性)があればよい

:余罪取調の必要がある場合に勾留を延長できるか
=余罪取調の必要は「やむを得ない事情」208Ⅱにあたるか

:余罪取調の必要がある場合に勾留を延長できるか
=余罪取調の必要は「やむを得ない事情」208Ⅱにあたるか
:「勾留被疑事件と余罪被疑事件が密接に関連して余罪事件が明らかになれば勾留の基礎となっている事件の犯情も明らかになる場合には勾留60園長を認めうる」
(◯取調目的の勾留は許されないのではないか)

逮捕事実と異なる事実に基づく勾留請求は許されるか
=逮捕前置主義に反しないか
=A罪で逮捕した被疑者を後に発覚したB罪で勾留請求することができるか
=人単位説か事件単位説か
勾留の効力範囲と同様複雑なので慎重に理解する

:逮捕事実とは異なる事実を付加して勾留請求をなすことは許されるか
=逮捕前置主義に反しないか
A罪で逮捕後勾留請求に際し、逮捕を経ていないB罪の事実を付加することは許されるか
:B罪で新たに逮捕・勾留するより拘束如何が短い点で有利な限り許される

違法な逮捕を前提とする(◯適法な)勾留請求は許されるか
=逮捕と勾留は別個の手続であり、逮捕が違法であっても勾留請求の可否には影響を与えないとも考えられるため問題
:認められない

p162
逮捕・勾留一回性の原則
根拠
明文規定なし
①訴訟行為の一回性の原則
②同一事件について逮捕・勾留の繰り返しや重複を無条件に許せば:法が定める厳格な身柄拘束期間制限を無意味にし人権保障が危うくなるから
:一罪とは何を指すか
=一罪の客観的範囲如何
=A被疑事実とB被疑事実の間に、常習一罪等、実体法上一罪の関係がある場合:A事実で逮捕・勾留後保釈された後、改めてB事実について被疑者を逮捕・勾留することは一罪一逮捕一勾留の原則に反するのではないか問題
:筋道が長いからしっかり暗記

①事実単位説
②実体法上一罪説
③例外的許容説

勾留の並存の解消手続
=例外的に新たな勾留を認める場合208Ⅰの公訴提起を訴因変更(追加)に読み替え、10日∪20日以内に新たな事実を追加する訴因変更手続をしない限り身柄を釈放しなければならない
以下:その手続

1再逮捕の例外について
:認められるか
:事情の変化があれば必要である∩法は再逮捕を前提にした規定を置いている(199Ⅲ、規則142Ⅰ⑧)

2再勾留の例外について
:認められるか
:明文なし
←逮捕前置主義からは逮捕と勾留を切り離して考えることはできないところ:再逮捕が認められる以上再勾留も認められる

では再逮捕再勾留が認められるための要件如何

:逮捕期間満了後∪その途中で:逮捕の理由又は必要性が消滅したので釈放した後:新たな証拠が発見され逮捕の必要が生じた場合再逮捕は許されるか
=再逮捕禁止の原則に反しないか問題
=被疑者に帰責性が存しないから問題

認める必要あり:捜査の必要∩再逮捕を前提する規定あり199Ⅲ規則142Ⅰ⑧
①新証拠や逃亡罪証湮滅のおそれなどが新たに生じた場合の様に再逮捕の必要があり
②犯罪の重大性その他諸般の事情から:被疑者の利益と対比してもやむを得ない場合で
③逮捕の不当な蒸し返しといえないとき
:例外的に再逮捕も許されると解する

:先の逮捕が違法であったため:
(勾留請求前に被疑者を釈放し∪勾留請求したがこれが却下されたために被疑者を釈放した場合:同一事実について再逮捕することが可能であろうか
=再逮捕時に新たな事情の発生がない場合に問題
=捜査期間の違法落ち度という事態が存するから問題
:事案の区別ができるよう整理が必要

別件逮捕・勾留は如何なる場合に違法と為るか=別件逮捕・勾留の違法性の基準如何
本件基準説
:本件についての取調状況、別件についての逮捕・勾留の必要性、本件と別件の関連などの客観的資料から取調官の主観的目的を判断する

別件逮捕・勾留が違法とされた場合の効果
①別件による逮捕状勾留状請求が却下される
②別件逮捕に引き続く勾留やその延長は許されない
③別件逮捕後の本件による逮捕は再逮捕として違法となる
④本件の取調も違法となる
⑤別件逮捕中の自白の証拠能力も否定される

逮捕に対する準抗告の可否
問題の所在
:逮捕に対する準抗告が解釈上認められないか429Ⅰ各号の準抗告の対象として「逮捕に関する裁判」があげられていないため問題

二勾留理由開示制度
勾留理由開示の趣旨
2趣旨=人権保障
①勾留状提示や勾留質問だけでは不十分だから
②その後の事情変化の可能性もある

三勾留の取消
四勾留の執行停止
五勾留に対する準抗告
六外部交通

(没収)
第十九条  次に掲げる物は、没収することができる。
一  犯罪行為を組成した物
二  犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三  犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
四  前号に掲げる物の対価として得た物
2  没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。

(追徴)
第十九条の二  前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。


没収
:犯罪に関連する、一定の有体物の、所有権を奪う、裁判所の裁量的処分で、付加刑(9条)である。

組成物件
:犯罪行為(予備未遂行為を含む)を組成(犯罪行為に不可欠な要素であること)した物(危険)
=偽造文書(行使罪)、賭博罪の賭金、賄賂供与申込罪の賄賂(197条の5で没収できない)

供用物件
犯罪行為の用に供し(不可欠ではないものを含む)、又は供しようとした物(危険)
:犯罪構成要件に該当する行為の遂行に現に使用したもの
又は犯罪構成要件に該当する行為の遂行に使用する目的で用意したが限実に使用されなかったもの
=兇器
/偶然役立ったものは除外=蹴ったとき履いてた靴)


産出物件、取得物件、報酬物件
:犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
=偽造罪において、偽造された文書、通貨、有価証券。賭博の勝ち金。殺人報酬。
×賭博で得た金銭を貸し付けて得られた利子(これは対価物件?)


対価物件
:産出物件の対価、取得物件の対価、報酬物件の対価(不正な利益を残さない)
=偽造文書(偽造罪)、偽造通貨、偽造有価証券の代金
=賭博の勝ち金、恐喝した金銭、有償で譲受した盗品(犯人以外の者、知情取得)、盗品売却代金
=殺人報酬、堕胎報酬

:没収可能物件の転換財産の没収
=盗品等のように取得物件であっても、被害者など第三者の所有に帰するために、19条2項により没収できないもの
=犯人に利益を残さないという趣旨をさらに徹底させるもの
×殺人に使った猟銃を質入れして得られた対価

没収の要件
①対象物が現存すること
②犯人の所有であること
/犯罪後、犯人以外のものが、情を知りつつ、そのものを取得した場合は没収
③罰金以上の刑


(追徴)
第十九条の二  前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。(犯罪者に不正な利益を得させない)

追徴
:犯罪時に没収可能な一定の物が、
事後的に、法律上、事実上、没収不能となった場合に認められる
裁量的処分。(没取不能を要件とする没収の換刑処分)
=没収すべきものに代わる金額(行為時の価額を基準とする追徴価額)を
国庫に納付するよう命ずる処分

①非有体物は追徴できない
②犯人以外の所有する物も追徴できない

特別法上の没収追徴規定
銃刀法36条、酒税法54条等、麻薬特例法、