ビックデータの活用ってやつです。パチンコのクレームを受けるカスタマーセンターでも取り入れなくては!


クレーム錬金術76号用


妻が旅行に行こうと言ってきた。ネットで格安の旅館を見つけたようだ。土曜の宿泊ではなかなか見られない低料金。とは言え相当おんぼろな宿なら気乗りしない。調べるも明確な写真はネット上では見つけられず妻との審議がしばらく続いたが、決め手となったのは「利用者コメント」。好評が多く、我々の不安を解消してくれたのでした。

この決め手となったネット上の「利用者コメント」は、現代社会においては絶大な効果や影響をもたらしています。それゆえ、「良いコメント」を作ったり、「悪いコメント」を削除したり、意図的に活用されている事例もあります。
パチンコホールの風評も、掲示板やブログなどでよく見かけます。記載された内容は事実とかけ離れていても、「利用者コメント」のもたらす影響はあなどれないものになっているようです。

「2ちゃんねる を見たら貴店が遠隔操作をして特定の人に出していることが書かれていました。そんなことはあるまいと思っているのですが・・・、実際のところはどうなんでしょうか?」

このように疑念や不信感を増加させる事例もありますが、逆に、書き込み内容によっては多くの閲覧者への宣伝となったり来店を促すことにつながったりする場合もあります。

「リニュアルオープン行ったか ぐるんぐるんだぞ」
「女スタッフの制服いいぞ かなり萌える」

とあるCRMの専門誌の方とお会いした際、お客様とのリレーションで現在注目されているのは「ビッグデータの活用」だとおっしゃられていました。
Facebookやツイッターなどソーシャルメディア上の書き込みには、個人情報をはじめ企業が入手したい顧客の趣向が伺えるコメントなどが数多く存在しており、そこから得た情報を基に、顧客に先回りしたアプローチをしたりケアを行ったりするというものでした。
例えば、ツイッターで「○○買いに来たのに品切れだった残念」というつぶやきに対し、メーカーや販売店からがすかさずお詫びと入荷日の案内がフォロー。つぶやいた本人としてはちょっとした驚きと感動で、他の物を買うことなく入荷日まで待ってくれるというカスタマーサポート。
ホール営業にとっても、新たな攻めのリレーションがここにあるように思えますし、集客を左右させる多大な潜在力を感じます。
クレーム対応においてもご意見を頂戴してから動く現在のスタイルから、ビッグデータから先回りしてクレームを頂く前に対処できるようにトライアルしてみたいと考えます。

さて、集客への影響という視点からお話ししていますが、全号の特集記事でも記したとおり、ホールの集客力の軸は間違いなくスタッフのホスピタリティになっていくと思われます。
もちろんそれは、信用をうらぎらない出玉と、マイナス評価されない環境設備もセットとなるのが理想です。しかし、お客様をつなぎとどめる無限大の力を持ち、対応一つでお客様を離反させてしまうこともあるのが「スタッフ」です。それゆえホールの集客力を握っている最大の軸と判断しています。

 電話 「いつもここに来てます。毎回何万もやられるの。それでもスタッフがいい子ばかりだから、ついついここに来ちゃうのよ。近くにもあるけど電車に乗って通ってるのよ」
 
 ハガキ「今日は散々な結果でしたが、店員さんの笑顔に癒されました。優しく愚痴聞いてくれてありがとう。負けても気分良く帰れます。また来ようと思います。」
 
 ハガキ「いろんなお店に行くけど、ここのスタッフが一番気持ちの良い接客をしてくれる」

ハガキ「10日の夜いた黒ぶちメガネの男子店員は態度が悪い!1箱自分で玉流しの所に持って行ったら、ろこつにムッとして「どこから持って来たんですか!?」って。「ありがとうございました」も言わず、おじぎもせず!何様のつもりだよ!そんな態度をとるなら客に自分で玉を流させろ!!悪いが、その店員は歯も汚い!!間近でしゃべられると不愉快です!!接客業なのだから身だしなみもきちんとするよう教育して下さい!!何万も使ったあげく嫌な気持ちにせないで下さい!!何年も通っているが最近店員の態度が悪い!!

メール「今年初めて行ったところ、男性スタッフの対応に非常に驚かされました。もう二度と行きません。残念です。○○店のファンより」

これらのご意見はスタッフに関するほんの一例にすぎませんが、ホールの集客力や業績そのものにダイレクトに影響する力をもっていることが頷けるのではないでしょうか。
パチンコパチスロのメカニズム上、勝って帰られるお客様はほんの一握りです。負けても、また来ようと思っていただけるホールになるため、そして風評コメントがプラスに働くホールになるためにも、スタッフのホスピタリティマインド育成には惜しみない費用と労力と時間をかけることを推奨します。集客力という視点で計れば、コスト効果が極めて高いことをお客様の声が物語っています。

冒頭の旅行話に戻りますが、結果はどうだったかと言いますと、想像以上のおんぼろ具合に絶句するほどの旅館でした。サビと汚れで旅館名が消えかけている看板。ヒビの入ったガラス戸にはガムテープが貼られ、昭和の駄菓子屋を髣髴するアイスの什器が埃だらけで横たわっていたのです。
案内された6畳の部屋はトイレも洗面台もない。とっておきは、日が暮れると天井の隙間からてんとう虫がうようよと沸いてきて、敷いたお布団にはカメ虫がいました。
まるでホラー映画のような思い出となった旅でしたが、それでも若い女将さんの物腰がとても柔らかく、応対は素晴らしいものを感じました。団体客が深夜までドンチャン騒ぎをしていたのですが

「昨夜は団体様がたいへん賑やかだったようで、ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございませんでした」

どちらのお客様も気遣ったこの一言は勉強になりました。
ホラー体験をした身でも好評コメントに頷ける部分を感じ、スタッフのもたらす影響力の強さというものを再確認した旅となったのでした。


新春号では今後求められることについての特集記事が掲載されました。



ピデア新春号「求められていることは、ホールの成長」

広告表現規制の問題は各ホールの営業にとても大きな影響を与えた出来事だったと思われます。ホール営業にとっては頼りにしていた集客の武器を制限されてしまった格好ですので、従来どおりにできない歯がゆさを感じるホールも多いことでしょう。
お客様のご意見を聞いてきた立場から、これからホールに求められていくと思われるポイントをいくつかお話したいと思います。

実は、お客様から頂戴しているご意見では数年前から、ホールの広告や宣伝に対するクレームが増加していました。

「毎日何かしらイベントの案内がメールで届きますが、そもそもイベントって何?」
「大げさな表現で期待させといて、結局普段以下じゃないか!」

この様な内容の声が多かったこともあり、私などが感じるのは、かえってとても良いきっかけを得たのではないかと考えています。
連載させて頂いているクレーム錬金術でも過去に紹介していますが、期待感を高めて集客に成功しても、実が伴っていない営業では満足するお客様よりも失望したり不信感を抱いたりするお客様の方が多いのです。
ホールは日々お客様の信頼を培うことに汗を流していたはずですが、いつしか培った信頼を安売りするスパイラルから抜け出せなくなっていたと思います。
広告宣伝依存症だった状況から強制的とはいえ脱却できたのですから、たいへんありがたい機会だと感じています。

今後は限定されたことでしか実施できませんので、それがもたらす本来の効果も復活していくと思います。とは言え限定されたことのみですから、通常営業において何をどうしていくかが問われます。
 もちろん出玉という要素においては期待を裏切らないことを前提に、別の角度からの提案をいくつかまとめてみました。


『提言① ホールの持っている基本機能を武器にしよう』

 新台やタレント誘致に頭が行き勝ちで、多くのホールはそこに重点を置くことになっていくのでしょうが、果たしてそれらで差を生み出せるかとなると疑問符がつきます。
そこで、ホールが持っているそもそもの機能やサービスを今まで以上に充足させて、店そのものの魅力を高めることをあえて提案いたします。
基本機能の最たる部分がスタッフによる接客接遇サービスです。当然のことですが、ホスピタリティの追求がもたらす価値はお客様の声からも計り知れない絶大なものだと実感しています。お寄せいただくお客様の感動コメントは、遊技結果のことではなく、スタッフによる気配り心配りが生んでいるものが大半です。
他には、各種サービス設備機器の豊富さでアメニティ度を高めたり、ハウスルールやオペレーションをお客様にとってより都合のよいものへと変更することも、お客様に居心地の良さをアピールすることにつながります。
そして、まだまだ潜在的な魅力をもっている注目ポイントは「賞品」です。
パチンコパチスロという商いをざっくり言うならば①玉やメダルを貸す②遊技台でプレイ③出した分を賞品交換するというもの。
賞品交換はその3大フレームのひとつであるのに、さほど特性を出せていなかった分野でもあります。ホールによっては随分以前から強化しているところもありますが品揃えを豊富にするということではなく、これからのご時世では「賞品」へのアイデアがリピート理由を植えつける、言わば広告宣伝に変わる武器のひとつになりえると考えます。
世間で話題になっている入手しにくいアイテム、並ばないと買えない物、ひとつ所有したらコレクションしたくなる物など、商品そのものの持つ魅力を大いに利用し、来店動機へと変換させるということです。交換する「楽しみ」はアイデア次第で色々なストーリーを演出できると考えます。
ポテンシャルの高さを感じる、こんなエピソードがあります。
 
「1カ月に20個程度しか交換されないタバコ。それでも常時2カートン(20個)ストックし続けているホールの理由は「このタバコを置いているホールは近所には無い。たった一人のお客様だがほぼ毎日お越しいただける。そのタバコがあるという理由だけで。」



『提言② 失点のない営業を心がけよう』

改めてディフェンス力が問われると考えます。
ホールの不快・不具合・不手際が理由で他店へと移っていってしまうお客様は考えている以上に多いはず、従来とは状況が違いますので、このロスト顧客を減らす戦略も必要です。
簡単なところですと「店内が汚い・掃除が行き届いていない」「空気が悪い・煙い」「イスや設備が壊れたまま」「トイレが臭い」などの環境設備面の不快・不具合。あるいは「スタッフの言葉や態度・表情・対応内容」など接遇面の不手際など遊技以外のところに、営業店として欠落しているところがあれば、例え大勝ちしたお客様であっても少なからずマイナスの印象を持ち帰ることになります。
前述した「実が伴う」の「実」とは、お客様の期待に応えられる状態のことなのですが、それは出玉や設定だけでまかなえるものではないのです。
不具合や不手際をなくしマイナスの印象を与えないこと。お客様の満足ラインを満たす状況を維持しておくことが従来以上に大事になってくると考えます。
集客しても垂れ流しでは繁盛店になれないことを書いたことがありますが、現在だと「集客しにくい上に垂れ流し」となります。当然勝てるわけはありません。
失点しないこと、それはホールの努力で確実にできることなのです。


 『提言③ ホールの存在を街の機能にしてみよう』

 最後の提案は簡単にできる話ではありませんが、そこに向けてアクションを起こすには良いタイミングだと考えています。
 例年、広告宣伝に費やしてきた金額は各ホール相当なものだったと思います。今年以降は削減するホールが多いと思われますが、あえて発想を変えた広告宣伝を提唱いたします。
 店を構えるその街の「学校」や「福祉施設」など、そこで仕事や生活を営む方々が少なからず利用する分野を金銭的に支援してみてはいかがでしょうか。
 街の機能を支援する存在になるということは、街の機能そのものになるということです。何よりも得がたい「信用」も生じることでしょう。どんな広告にも勝るものを感じます。
震災後の業界の取り組みによって、この業界を見直したという声も少なからず頂戴しています。閉塞感を打破する一手は、社会から一目おかれるようなアクションにこそ潜んでいるのではないでしょうか。

この業界が迎えている現状は悲観的なものではなく、お客様にとって、そして社会にとって、ホールそのものが大いに成長する変革のチャンスにいると私は考えます。







iPhoneからの投稿
最新号三つ分くらい掲示するのをさぼってるなぁ

近いうちにUPします!
はい、約束です

今年も残すところあとわずかとなりました。例年に比べると今ひとつ冬の寒さを感じない日が続いていましたが、この号が発刊される12月末ともなればさすがに寒さも本格化していることでしょう。

年末はご来店下さるお客様のほとんどがコートやブルゾンを着用していますので、それに関係したクレームやトラブルが毎年少なからず生じています。

「クロークで雑に扱われた」「ロッカーから取り出す際破れた」「椅子に掛けていたら汚された」「歩きタバコの火で穴が開いた」「鍵に引っかかってほつれた」「椅子カバーの汚れがコートに転移した」「コートを着ているから店内が暑すぎる」などなど過去に生じたクレームを思い出し、今一度管理面の注意事項をおさらいしておくことと、お客様への配慮や気遣いをもってこの時期のトラブルやクレームに事前対応することをお勧めいたします。

さて先日、新たに管理職についたスタッフに向けた研修の機会がありまして、ホールでのNG事項を取り上げ、実際の出来事に基づいたケーススタディを実施してきました。どこのホールでも起こりえることですので皆さんにもいくつかご紹介したいと思います。

社員に限らずアルバイトを含め、ホールの業務や接客接遇について営業中に直接指導を行う場面があります。その様子を見ていたお客様からこのようなご意見を頂いたことがあります。

「新人さんのトレーニングなのか、先輩スタッフがその人の後ろに立って、かなりきつい言葉で叱っていたんだけど・・・。客の前でガミガミ怒鳴るってどうなの?

なんか、そういうのを見た後に笑顔で接してこられてもねぇ。引いちゃいました。」

お客様の目を意識していれば、少なくとも感情をむき出しにした指導はそこでは避けるべきですし、接客接遇の基本を教える立場でありながら、お客様への意識や配慮に欠けていることを吐露しているようなものです。

教育の場面に限らず、業務上の連絡をする場面や、あるいは休憩の際の外での振舞い、または取引のある業者の方と接する場面などでも、は常にお客様の目を意識しなくてはなりません。

特にお客様対応の場面においては、スタッフが声を荒げたり、感情を表情にだしたりしては、傍でみている他のお客様の印象も相当悪くなりますし、そもそも本来のクレームよりもスタッフの態度に対するクレームへとシフトしていくことが多く、感情が絡んだ問題となると後々かえって収拾がつきにくくなります。

スタッフはいつでも常に周囲を意識し、冷静かつ穏やかな対応が求められるのです。

「昨夜、突然電源が落ちて真っ暗に、台も5分位したら電源入ったがその間なんの説明もなし、客同士が不安がってたのに不親切ではないか?場内アナウンスしたらどう?」

台風や落雷で突然の停電に慌てた事例を、ここ数年よく耳にしています。遊技台の復旧作業や、大当たり中のお客様の問い合わせ対応に追われてしまい、気が回らなかったことで頂戴したクレームでした。

 お客様の安心・安全が第一。まずは不安に思うお客様が安心できるご案内をできるだけ早い時点で行うことは必須と考えなくてはなりません。

営業終了時間が近づいている場面での、こんな出来事もクレームとなりました。

・閉店間際に大当たりとなった。

・大当たり終了後、プレイを止めるようスタッフに言われたが、周囲にまだプレイ中の人がいたので止めなかった。

・ハンドルを握る手の上に、スタッフが手を被せて、力まかせにハンドルを元の位置に戻させた。

客に対して力で「ぐいっ」と押さえるなんて、どういうことか。

このお客様は女性で、止めたスタッフは男性であったため、「体に触れる行為」ということを強調されていました。

 ホールの遊技ルールに準じた対応でしたが、「力ずく」「体への接触」についてはよほどの事態でなければ避けなければならないことがわかります。

「昨日、プレイしていたら突然台がおかしくなったから店員をよんだ。治してくれようとして色々やってくれるのはいいのだが、何の状況説明もなく、その場にずっと立たされて30分以上待たされた。どういう教育をしているのですか。」

 この場面に限ったことではなく、何らかのトラブル対応でお客様が長時間待つことになる場合は、早い時点で「所要時間」を告げて、レストスペースへの誘導などを行い、ある程度自由に時間を過ごせる状態を用意してあげることが大事です。

 この「待たされクレーム」は、本来のアクシデントに対するものではなく事後対応での「配慮不足」を訴えているもので、トラブルやクレーム対応における優先対処事項の上位に位置させるべき項目とお考え下さい。

 今回の研修で最も難しかったケースは「補償や弁償」に関わる事例でした。

 例えば大当たり中に補給トラブルで玉が出なくなった場合やスタッフがお客様のドリンクをこぼしてしまった場合などは迷うことなく明確な対応がとれます。

難しいと感じるのは、「補償や弁償」をしないケースにおける対応の有り方です。ホールの遊技規定や法律上の解釈を盾にしてお客様を説得するのは簡単なことですが、それはホールの責任はないことを弁明しているに過ぎず、肝心なお客様の心のケアには至っていません。ケアといっても丁寧にお話を聞き、今後にできることとを行い、できないことはご理解いただくことに徹するだけではありますが、今後もお客様としてご利用いただくためにも懐深く対応しなくてはなりません。

無茶なことを言うお客様であっても前述したとおり、感情的にならず冷静にそして穏やかに徹し、その上極力短い時間での解決を目指すのですから、それはそれは大変難しい対応で、豊富な経験と様々なお客様への折衝能力が問われます。

日ごろ生じる大小様々なクレームにしっかり向き合い真摯に対応することこそが、その経験と能力を高める唯一のレッスンなのだと考えます。

家のパソコンが調子悪く、、、
そのせいもあって、随分とUPしてませんでした!
最新記事含め近々載せます( ´ ▽ ` )ノ



クレーム錬金術


クレーム錬金術

先日、店舗に置いてあるご意見箱にたいへん珍しい物が入っていました。それはなんと数万円の現金。

過激なクレームには動じないカスタマーセンタースタッフでも複数のお札が出てきた封筒にはさすがに動揺してしまいました。

同封のメモ用紙には「店内で拾った」と一行のみ。通常、落し物はカウンターに届けられるかスタッフがその場で受け取るケースがほとんどです。

何故にご意見箱へ?自前の封筒とメモが意味することは?とクエッションだらけの出来事で、失礼な推測まで飛び交いましたが、善意でお届け下さったものですからしっかり拾得物として届け直した次第です。

ホールでは多くの落し物が届きますし、紛失したお客様からの問い合わせも頻繁に発生します。

「買い物した野菜や果物を袋ごと忘れてきた」「家のカギを落としたようだ届いているか」「玉箱の中に財布を置いてきてしまった」などなど、カスタマーセンターへの問い合わせも数多く頂戴します。

拾得物の多くは持ち主が現れますし、忘れ物や落し物も発見されることの方が多いのですが、一定期間待って進展がなければ警察署に届け直しております。

こんなご意見を頂いたことがあります。

メール 「先日、キャッシュカードを落としてしまいました。警察に行った際におたくの店から届けられたと聞きました。しっかり対応してくれてありがとうございました。たいへん助かりました。スタッフの皆さんに伝えてください。」

無事カードが戻ってきてご本人としても、ほっとしたことでしょう。届けた店舗が特別なことをしたわけではありませんがお礼のご意見まで頂き、しみじみ良かったと嬉しく思いました。

さて、この連載で数号前に自転車整理業務におけるクレームのお話をしましたが、最近再び別の内容でクレームを頂きましたのでホールの外で生じる不満として今回のケースも紹介しておきます。

お客様の主張は以下のとおり。

自転車の扱いが乱暴で損傷する。カゴの一部が曲がったのもそのせいかもしれない 

自分の自転車が電信柱の奥の、出しにくい場所に移動されていた

苦労しながら取り出したがスタッフは整理に夢中で手伝ってくれなかった

駅周辺に立地する店舗などでは、一日の駐輪の量はとても多く、自転車を整理する業務が生じます。ところが、量に追われると、整理することの効率性やスピードに気をとられるあまり、欠いてはいけない「気配り・気遣い」といった配慮が薄れてしまうこともあるようです。

ホスピタリティーの重要性は今更説明するまでもありませんが、その根幹は「お客様の立場で考える」というもの。「何が喜ばれるか」「何を求めているか」などこちらから「能動的」に働きかけるものもありますし、「手間をかけさせない」や「不快に思わせない」といった「受け」の要素もあります。

ホール内では能動的におもてなしをしても、ホールの外で不愉快にさせてはせっかくの努力も水の泡です。

今回はホールの外で生じさせていた、なかなか表層化しないような不手際を伝えていただくこととなり、再びクレームに教わることになりました。

実は、ホール内においてもスタッフ自身は気付かぬまま不快の種を撒いているケースが実在しています。

例えば、入会を勧める行為がしつこいと思われたり、プレミアリーチのいいところでコーヒーの注文取りにさえぎられたりしたことが、過去幾度かクレームへとつながっています。前述の「受け」の要素で至らぬところがまだまだあるということです。

「何が喜ばれるか」を考えて行った能動的な行為であっても、お客様が求めていない場合もあります。あるいは、周囲のお客様にとっては不愉快に思えることもあるのです。

ハガキ「タバコの空箱を回収したスタッフが『新しいのをお持ちしましょうか』と言ってくれたから、玉を渡して頼んだんだけど、開封された状態で渡された。俺なりの開け方があるんだよなぁ~。」

良かれと思った行いですが、お客様は求めていなかったと実例のひとつです。とは言えお客様の中には喜ばれる方もいらっしゃいます。人それぞれ求めることが違うということと、その日、その時の状況や感情によっても変わるため、その見極めと判断が非常に難しいことがわかります。

スタッフの発言が隣のお客様を不愉快にさせた、こんなご意見もあります。

メール「今日は大ハマリした一日でした。でもそれ以上に不愉快なのは、大連チャンさせていた隣の客に『今日は絶好調ですねー!すごいですねー!やりましたねー!』ってスタッフが来るたびうるさかった。少しは、ハマっているこっちの身になってほしかったです。」

連チャンしている方にとっては良いのですが、隣でハマっている方にしてみればイライラのもと。スタッフの発言や行動はいかなるものであっても、目の前のお客様だけではなく周囲のお客様にも配慮しなくてはなりません。

電話 「台の演出を毎回立ち止まって見てくる店員がいてとても不快な気分になる。あからさまな感じで嫌な思いをした。」

島巡回の待機ポイントに近い場所だったことも原因のひとつ。

朝から全く当たっていないお客様のリーチ、大当たりになればお顔の表情もほぐれます。スタッフとてその心境は重々わかりますので「揃ってほしい」と心の中で願うがあまり、不快感を与える行為となっていたようです。

お客様を気遣うだけでは足りず、周囲への意識も欠かせない。そのアクションは求められているか?不快感を与えていないか?多くのことを頭で整理し、おもてなしを実践するのは、活字で書くほど簡単なことではありません。繊細な感度と、正確な状況判断を要するもの。「集客力のはずが離反につながっていた」そんなアクションになっていないか、ホール内外問わず今一度、確認してみてはいかがでしょうか。

これはコーポレートブックに小説載せた初めてのやつです。

けっこうこういうの好きなんです。





雲がパチンコに見えた日

-----その日の空は澄みわたるように青色で、ところどころに浮いている雲がいろんな形に見えてきます。眺めているだけでなんとも楽しい空です。そんな気持ちのよい天気とは逆に、社内では上司が部下の業績にカリカリしています。

「山田君・・・山田!」

「・・・」

「こら、やまだぁ!何ぼけっとしてる。返事をしろっ!」

「あっ、はっ、はい。すみませんちょっと考え事してました」

「ったく、ぼーっとしやがってぇ。君は今月もノルマ達成できてないぞ。どうすんだ。今は大事な時期だぞ、こんな時に悠長に考え事などして信じられんぞ、ったく。しかもどうどうと考え事してましたと開き直りやがって、そもそも、恥ずかしいと思わないのか。ったく。」

そう言って部長はイライラしながら自分の席に戻っていきました。部署業績が悪く、部下の報告書を見ながら頭を悩ましていたのでした。

 じつは部長がイライラしている理由はもうひとつありました。ここ連日残業で会社をでるのが23時。好きなパチンコができない日々が続いていたのでした。

部長の席はガラス張りの壁に面していて外の景色が一望できました。

 部長はこの眺めが好きでした。イライラした時でも景色をながめることでスッとしました。部長にとってはささやかな癒しのポイントなのでした。

 

外を眺めるとふわふわの雲が形を変えて青い空を漂っています。

「(最近パチンコしてないなー、あの絵柄が揃う瞬間を眺めたいな~、いきたいなぁー)」

部長の願いに答えるように雲が形をかえていきます。眺めていると、なんだかパチンコ台のように見えてきました。

「(あそこの出っぱりがハンドルだな、おっ777って揃っているような感じだ。あはっ、気持ちいいねー。うおーっ、玉がでてきたぞー!こりゃー大勝ちだ。)

風で雲の形が少し変わりました。

「(今度はスロットになった。右側にレバーがついているな、カジノのマシーンみたいだな。おっ、どんどん膨れて大型になった、左にいるのは客だな、右側にも客がいるぞ。こりゃーあれだゲーセンの対戦ゲームみたいだな。パチンコも客同士で対戦できるといいんだよな、球の取り合いか、白熱しそうだなー。)」

雲の形は変わりませんが部長の妄想は広がります。

「(ん、大勢で一台に向かうメダル落としゲームみたいなのもいいな。パチンコもみんなで連携をとってジャックポットを狙ったりとかできると面白そうだ。客同士連帯感がもてて、ジャックポット獲得で大量の玉がみんなに配分されて、ハイタッチしたりしてな。あはっ、対戦するよりそっちのほうが流行りそうだな・・・)」

「(椅子はあれだな、ゴージャスな気分になるように、座り心地のよいソファーがいいな。ソファーに腰掛けて片手にワインを持ちながら、大当たりとともに乾杯って。いいねー。いっそのこと、豪華客船の中にパチンコがあって、世界を旅しながらパチンコとかな、すごい優雅だな~笑)」

「・・・ぶちょう」

「・・・部長!」

押印を求める部下の声で、はっと我に返りました。

「部長、だいじょうぶですか」

「ん、あ、ああ、大丈夫だ。。。ちょっと考え事をしてただけだ・・・」

                      

「くすっ」と笑う山田君の声が聞こえました。空がとっても青い日でした。



これなんかは結構こってるんだけど伝わりにくくて・・・



クレーム錬金術

クレーム錬金術





「僕はパチンコ台」


僕、パチンコ台なんです。

みんなに嫌われている台。

どうやら大当たりするまでにお金がたくさんかかるみたい。だから「勘定を要する台」って言われているんだ。きっと、遊び代が高くつくことの皮肉なんだと思う。

毎日いろいろな方がやってくる。

優しい方。

元気な方。

美しい方。

でもみんな、するどい眼差しでじーっと僕をにらむんだ。

舌打ちしたり、コツって叩いたりもするから、やっぱり僕のことが嫌いなんだと思う。

でもね、お客さまが不愉快そうな顔をしてたり、泣きそうな表情になったりするのは僕は嫌なんだ。嫌われているとわかっても、お客様のそんな顔はいたたまれない気持ちになっちゃう。

だからね、僕は僕なりに精一杯がんばるようにしたんだ。

何をがんばるかって?それはもちろん笑顔になってもらうようにするってことだよ。

たとえばハラハラドキドキするリーチ演出をだしたり、大当たりをだしたりするってことさ。僕はパチンコ台だからねそのへんは僕次第なのさ。

ところが、お客様が笑顔になっても、みんな長くは居てくれないんだ。なんでだろ?よっぽど僕が嫌いなのかなぁ。

ま、それでも目の前に座る方の笑顔を見れると僕はとっても嬉しいし、気持ちがいいんだ。


でもさぁ、「人気が終了」って言われちゃった。毎日たくさんのお客様が来てくれるのに人気が終わったなんて言われるのは少し納得できないけど、事実なんだろうから仕方ないと思っている。本日いっぱいで撤去だって。あ~あ悲しいなぁ~、お別れなんて。

やっとお客様を笑顔にするコツがつかめてきたのに残念だよ。

今日が最後の一日だ、たくさんの笑顔を見れるように僕がんばるね!・・・。

そうして「勘定を要する台」は最終日の務めをまっとう。ホールから姿を消しました。

最終日には、噂の台を一度は打ってみたいと考えた人々が来店し、順番を待つお客様の列が閉店ギリギリまで途絶えませんでした。

現在はパチンコパチスロ記念館にて、ファンに愛された伝説の台として展示されています。ホールを離れた今でも、記念館を訪れる多くの人々に囲まれ、幸せな毎日を過ごしていることでしょう。

展示場所にある解説文を読んでいただければ、あなたもきっとこの台のことが大好きになるはずですよ。

《展示 解説文》

■世界初人工知能搭載パチンコ■

AI(人口知能)を搭載した世界初のパチンコ機として登場。

一部の言語と状況を正しく認識できないという欠陥報告が挙がったものの、感情を察する性能が長けており、遊技台の進化を表した象徴的な台となった。

人々から感情する台」と呼ばれ試作機ながら大人気となる。試験的な位置付けの為、任期を定めて登場した。

大当たり確率の設定は従来の遊技台とほぼ同じであったが、大当たり頻度が日を追うごとに上昇した実証データが報告されており、AIがプレイヤーの心情を汲み取り意図的に発生させていたのではないかと言われている。

プレイヤーから愛され、多くのお客様が訪れたため、お一人様1時間までというハウスルールのもと稼動されていた。

人気絶頂の最中、試験としての任期終了となり、ファンに見送られて最終日を終えた。

感情する台の人気が発端となり、後に製造された遊技台ではAI搭載が標準装備となり、人とパチンコ機のコミュニケーションが遊技の新たな楽しさとして支持されるようになった。

新時代パチンコを創造した伝説の遊技台とされている。


今日はクレーム錬金術ではない連載をUPします。

会社がステークホルダーに向けて定期刊行しているコーポレートブックにショートストーリーを書いています。

毎回パチンコに関連させた物語。

とりあえず一番ウケのよさそうなやつから掲載してみる(無断転載は絶対だめです)。




クレーム錬金術

クレーム錬金術






「たぬきの恩返し」

私が好きになった相手のことを悪びれる様子もなく妹は言いました。

「あんなチビでいいの?しかもハゲよ、ほんとにいいの?」

確かに私より身長は低いし、彼の頭には毛の無いエリアが広く存在する。事実と言えばそれまでだけど、随分とひどい言い方だと思うのよ。

でも、たとえもっとひどいことを言われていても、今の私は全く気にならないと思う。恋は盲目って言うけど、今ならよく理解できるわ。

妹には感謝しているの。だって嫌がる私を強引に連れて行ったのは妹だし、わたしの性格上自分からパチンコホールに行くなんてありえなかったと思うわ。だからきっと彼と出会うこともなかったと思うのよ。

だけど本当に心から感謝しているのは遊技台の「CRたぬたぬ狸くん」。今では一台も残っていないんだけど、私たちにとって愛のキューピットのような存在だったのよ。

私が初めてプレイしたのがこの台。比較的静かな一番奥のコーナーにあって、かわいくもない狸の役物がピコピコ動くだけで、随分地味な台。おまけに人気もないようでお客さんが少なかったの。私にとってはその素朴な雰囲気が丁度よかったのよ。

最初は何とも思わなかったのに、2度目の時はちょっと親近感のようなものを感じて「たぬちゃん」って呼ぶようになっていたわ。行く度にどんどんかわいく見えてきちゃって、それからはしょっちゅう、たぬちゃんに会いに行ったのよ。

負けることのほうが圧倒的に多かったわ。でもね、負けても嫌いになれないのよ。もう熱狂的なファンってとこね。全然出ないときなんかは「こんなに通ってあげているんだから私の望みをかなえてくれたっていいじゃない!」って、台に向かって独り言を言うくらいだから、周囲からは少しおかしな人に映っていたはずよ。

月日が経つと古い台に替わって、新しい台がどんどん導入されていったわ。それまで、たぬちんのコーナーで遊んでいた他のお客さんも新しい台に移っちゃって、たぬちゃんで遊ぶ人は少なくなっていったわ。

そのころからかな~、彼の存在を知ったのは。「あ~、この人も私と同じで、たぬちゃん一筋なんだな」って。コーナーで見かける人がどんどん少なくなったから、自然と顔を覚えちゃうのね。

ある時たぬちゃんコーナーにはお客さんは誰もいなくて私たちだけなのよ。二人しかいないのに二人とも沢山出していたから、何となくお互い笑いながら「ぺこり」と会釈をしたのがきっかけかな。その日からは挨拶くらいはするようになったわね。

でもそんなある日、事件が起きたわ。

コーナーの脇で背広姿の偉そうな人たちが立ち話していたの。私はその人たちのすぐそばの台で遊んでいたから会話が全部聞こえてくるわけ。

「人気機種をもっと増やして集客力を高めるために、この台を撤去する予定です。」

店長だと思われる人がオーナーらしき人に言ってたの。

私はたぬちゃんがなくなると思ったら、いてもたっても居られなくて「冗談じゃないわ!」って声を荒げて立ち上がったわ。そうしたら、すでに彼も横に来ていて、「それだけは勘弁してください。この台があるからこの店を選んで来ているんです。他の店にも脇目もふらずこの店一本なんです。」って言ってくれたの。私が感情にまかせて文句言うよりも、何倍も効果的な説得をしていたわ。あまりの熱意に店長とオーナーが圧倒されていたのをはっきり覚えているわ。

翌週、狸くんは撤去されたわ。でも半分は残されたの。あの嘆願がかなえられたのね。

 日がたつ毎に台数は減らされていったわ。どんどん減って最後の2台だけになって、必然的に私たちは毎日隣でプレイすることになったの。行く度に彼と隣同士になるので、姿が見えない日はちょっと寂しくも感じたわ。

どちらからということもなく、自然と話をするようになったの。どうしてたぬちゃんしか遊ばないのか、何が魅力なのかっていう話をその日からは毎日夢中になってお話していたわ。最初はたぬちゃんでプレイするために店に行っていたんだけど、いつのころからか、彼に会えるってことのほうが楽しみになっていたわね。

私たちは「CRたぬたぬ狸くん」を介して仲良くなり、この冬に、めでたく結婚することになりました。

「結婚のきっかけは?」って周りによくきかれるんだけど、二人は口をそろえてこう答えてるわ「最後の2台が撤去されちゃったから」って。

今でも私は思うのよ、「これはきっと、たぬきの恩返しなんだ」って。

終わり


近年ホールスタッフって容姿レベル高いですよね。

身近なアイドルって感じの人気者も多い。



クレーム錬金術

クレーム錬金術



クレーム錬金術20

先日、居酒屋でメニューを指差しながら店員さんに聞きました。

「これはどんな味?おいしい?」

「おいしいですよ」と答えるに決まっているし、無意味な質問をしたなと思っていたら、なんと首をかしながら「わかりません」と返ってきた。一緒にいた仲間ともども予想外の返答に思わず笑ってしまったのだが、結局その商品を注文するまでには至りませんでした。

ホールでも、遊技機のリーチアクションの信頼度やゲーム性などを尋ねられることがあります。期待に沿う回答ができず、あるいは「わからない」と対応したことでクレームに発展することもございます。そんなクレームはここ数年で、ちょくちょく頂くようになってきており、新台の入れ替えが頻繁に行われてきたことや、機能が複雑化してきたことにも要因はあるようです。しかし、遊技機はホールにとってのメイン商品といえます。スタッフが自店の商品について説明できないという状況は恥ずかしい事態なのだと認識し、設置してある遊技機の特徴や楽しさを表現できるように準備しておく必要があります。

ここ数年で増加したクレームは他にもあります。

「○○番台、数日間ずっと調整中になっていますが、直す気あるのでしょうか?」

これは釘折れや役物交換など遊技台の故障によって変更承認を要する台に、「調整中」や「故障中」などの札で遊技できないようにしている時にお寄せいただいたご意見です。

修理が面倒で怠っている(放置している)とお客様に誤解されることが多く、その誤解からクレームとなるケースが目立ちます。

とは言え、変更承認を要する修理なのであればその間止めておかなくてはなりませんので

使用できないことをお伝えする「表示方法」に一考の余地がありそうです。

「調整中」「故障中」の札だけでは説明不足と考え、最近では「故障の詳細や変更承認の申請中であること、そして数日の間停止しなくてはならないこと」などを、端的に記したPOPをガラス面に掲示しているホールが増えてきました。お客様にご迷惑をお掛けしていることに変わりはないのですが、修理を怠っていると誤解されることはなくなりますので、是非お勧めいたします。

 

 

話は変わりますが、以前、PiDEAの担当者に「ホールスタッフはお客様から口説かれたりした場合どのように対応するのがよいのでしょうか?」と質問されたことがありました。何やら、担当者の友人が行きつけのホールでスタッフのことが好きになってしまったと。いよいよ告白したのだが、はぐらかされて気まずくなり、そのホールには行けなくなったと言うのです。

 結果的にホールとしては一人のお客様を失ったわけですし、クレーム対応とは異なるものの、この場合における、お客様を失わないための対策とはどのようなものなのか考えてみました。

  

 ホールで実際にそのような体験をしてきた、管理職女性に聞いてみると、結論としては、そういうことにならないように日ごろから気をつけるしかないというのです。

お客様に告白されることをはじめ、何らかのお誘いや連絡先を渡されたりすることは、実はしょっちゅう起こっている出来事だというのです。アルバイトを含め女性スタッフから持ちかけられるその類の相談は、一つのホールで月に1件~2件はあったようで、数ヵ月後に重い症状となって深刻化するケースも少なくないということでした。

そのようなことで悩んでいても「自分に責任がある」とか「モテるからしょうがない」など、簡単に片付けられてしまうことが多く、後にトラブルとなったり、退職するきっかけとなった事例が沢山あるようです。

誤解を生まないためにも発言や行動に気をつける「予防」の意識が求められるようです。

では、具体的にはどのような行為が誤解を招くとされているのかを尋ねると、まず最初にでてきたのが「ボディタッチ」。対応時にお客様の腕や体に触れては勘違いされてもしょうがないと言えます。極力ボディタッチをしない対応を心がけるようです。

 それと、しゃべり方にも注意が必要で、甘えたり、友達言葉での対応は特別扱いされていると感じさせてしまう模様です。再来店を促すためとはいえ「寂しいから明日も来てね~」など、気安く自身の感情を混ぜた表現は、誤解を生む危うい発言だと教えてくれました。

 予防策について尋ねると、真っ先にあがったのが「聞き方」。ホール内は遊技台の音がうるさく近づかないと聞こえない場合もあります。そのまま顔を近づけると、耳を噛まれたり、息をふきかけられたりと、セクハラへの発展が多いようで、両手でガードしながら聞き耳を立てる行為を教えてきたようです。遠くの方に声を伝える際、両手を口の周り添えるのと同じ要領で両手を使って耳を包み、そうならないよう工夫してきたようです。

 そして最大の予防は、電話番号やメッセージが記されたメモを渡されても決して受け取らない。店舗外で会うことや食事の誘いがあっても、きっぱりとお断りするということでした。

決して愛想笑いでかわしたり、曖昧な反応のまま逃げたりしないようにすることが重要だそうです。

 セクハラの研修をしっかり行えば、誤解を生む行為や発言などを把握できるようになり、誤解発生のメカニズムの理解へとつながるようで、トラブル件数がぐんと減少するようです。

 意外だったのは、このようなトラブルは女性スタッフに限ったことではなく、男性スタッフにも同じように生じている問題だということでした。スタッフ間で報告連絡をこまめに行い、エスカレートする前の段階で組織的に保護したり、エスカレートさせない協力体制が要せられる事案なのだと深刻に感じた次第です。

お客様の満足度を第一に考え、おもてなしの心とクォリティーの高さを「接客」に求める反面、「お客様とスタッフ」という関係からはみ出た感情や行動へと発展させない「距離感」というものも合わせて求められているわけですから、高度で繊細な対応を課せられているホールスタッフに敬服いたします。

トラブルに発展させないように努めるこれらの「心得」もまた錬金術の一環なのだと感心したのでした。