ハイドン:弦楽四重奏曲Op.55/META4 | angsyally1112のブログ

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ハイドン:弦楽四重奏曲集
 イ長調 Op.55-1, Hob.III:60
 ヘ短調 Op.55-2, Hob.III:61
 変ロ長 調Op.55-3, Hob.III:62
【演奏】
META4
アンティ・ティッカネン、ミンナ・ペンソラ(Vn)
アッテ・キルペライネン(Va)
トマス・デュプシェバッカ(Vc)
【録音】
2008年11月4-6日
ザントハウゼン,クララ・ヴィーク・アウディトリウム/ハイデルベルク,トンスタジオ・ヴァン・ゲースト
(NMLのライブラリーより)


Op.54 に続いて、一連の第1トスト(第2トストとも言われている?)の後半のOp.55を聴く事にしました。
この曲集は、エオリアン四重奏団の全集を入手する大分以前にコダーイ四重奏団のCDで聴き馴染んでいたはずですが、第2番を除いてそう印象に残っていません。
コダーイ四重奏団やタートライ四重奏団のカンタービレは、誠に美しいのですが、Op.54
でリンゼイ四重奏団の狂熱のハイドンを聴いて、何かどの演奏も物足りなく感じるスポットに入ってしまいました。Op.54が前半ならばそれに拮抗するOp.55が聴きたい。
という訳で選んだのが、フィンランドの若手四重奏団《META4》のこのCDです。(NML
のライブラリーからです。)

このCDに関しては、例によって『ハイドン音盤倉庫』の素晴らしいレビューがあります。



私が、特に気にいったのは、この記事では触れられていない第3番です。この迫力は、物凄い。第1楽章のショスタコーヴィチ風の第2テーマはさておいて、最終楽章の荒れ狂う迫力は、もう狂喜狂乱のハイドンです。バッハのブランデンブルグ協奏曲にベートーヴェンの迫力を加えたようなサウンドです。(第1楽章の第2テーマは、この演奏では余りショスタコーヴィチ風には聴こえません。)


このように新しいハイドンの魅力に触れるのは誠に嬉しい限りです。
第1番&第2番も従来のハイドンらしさ、優しい慈愛に満ちたサウンドを求めるならば、コダーイ四重奏団盤を選ぶのですが、兎に角新鮮なサウンド・フレーズに溢れているので、つい惹き付けられます。

第1番第3楽章の迫力(特に展開部)は、驚きのハイテンションで、疾走して行きます。

ベートーヴェン『ラズモフスキー第3番』の終楽章を彷彿とさせます。


第2番第1楽章有名なあの美しい第2テーマのメロディは、コダーイ四重奏団、エオリアン四重奏団、タートライ四重奏団等の聴き馴染んだ繊細な響きに比べれば少しストレート過ぎるようですが、2回目に登場する時は、少し音量を落として雰囲気を盛り上げてくれてはいます。しかしながらこの楽章全体はあっさりとしているのは、隠せません。この楽章に特別の思いと愛情を持っているならば(私のように)、他の演奏を聴けば良いのです。以前の私ならばここでアウト!ですが、先日リンゼイ四重奏団のOp.54を体験した耳には、この曲集でも再び興奮への期待を持って全曲聴き通すのです。


第2楽章は、凄い!
展開部は、ベートーヴェンの『大フーガ』のようにも聴こえる迫力です。

この第4楽章も誠に痛快、軽快につむじ風のように駆け抜けるサウンドは誠に気持ちが良いです。

前述のように、早い楽章における演奏は、バッハの『ブランデンブルグ協奏曲』のような爽快な疾走感です。そこにベートーヴェン顔負けのサウンドが加わるのです。これも又初めて聴くハイドンの世界です。


(でも、第2番『剃刀』の第1楽章だけは、やっぱりかつて最初に聴いたコダーイ四重奏団盤がいいなあ🎵)


ヘッドホンは、HD650バランス接続です。
私のHD650は、Dmaa改造してもらっています。デフォルトより大分クリアになっているようです。

演奏の質とテンションを下げることなく、ノンヴィヴラートのきつめの摩擦音を柔らかく処理をして耳に優しい音色に変えてくれます。



夜間は、AH-D5000で聴きました。今では随分古い機種ですが、我が家ではまだまだ現役です。イヤーパッドを交換し、ヘッドパッドはレザーで補修して使用しています。ケーブルは、自身でバランス化しています。音の分離が良くなったような気がします。